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受験生がかわいそう

2017-12-04 20:14:03 | 徒然

今日、2020年に始まる「大学共通テスト」の試行調査(プレテスト)が、実施されたようだ。
日経新聞:大学共通テスト試行、問題2割増 情報処理力必要に

大学入試の試験内容が大きく変わる、というのは受験生にとってとても不安の大きなものだと思う。
その不安や問題点を明らかにするのが、今回の試行調査なのだと思うのだが、テスト内容を見ると受験生がかわいそうな気がしている。

例えば、日本史Bの高度成長に関する内容などは、高校の授業で教えている内容なのだろうか?と、疑問に感じた。
というのも時代は違うとはいえ、日本史の中で現代史を教える時間が、どれほどあるのだろうか?という気がしたからだ。
今現在の高校の授業がどのような時間配分で、現代史を扱っているのかは知らないが、おそらく多くの時間を割いて現代史を教えているとは思えないからだ。
何故なら、今現在日本史を教えている先生が高校生の頃、現代史をシッカリ学んでいないと思うからだ。

同様に、古典の「源氏物語」を違う解釈の違う表現の文を3種類読み比べる、という内容も高校の授業で取り上げている内容なのだろうか?と、疑問に思ったのだ。
「源氏物語」の出題内容だと、原文の「源氏物語」を読みこなしたうえで、複数の現代訳を読んでいないと難しいのではないだろうか?
実際、現代訳の「源氏物語」は複数の作家で出ているが、それぞれの作家の特徴というか個性があり、そのどれもが魅力的な文となっている。
それを読みこなすだけの時間が、高校生たちにあるのだろうか?

そもそも、2020年実施予定の試験に合わせた学習内容の授業を、今回のプレテストを受験した高校生たちは授業として受けているのだろうか?
もし、試験内容に沿った学習内容の授業を受けていないのだとすれば、今回のプレテストを実施する意味はあるのだろうか?

今回のプレテストを受験した高校生たちは、「脱ゆとり世代」だと思う。
「脱ゆとり世代」と言っても、歴史の授業の多くは「年号の暗記」を中心とした学力テストが中心で、その時代に起きた複数の出来事を関連付けた授業にはなっていないのでは?
古典の授業にしても、文法や言葉の決まり決まった解釈を基に教えているのでは?
「いとおかし=とてもかなしい」というように。

2020年に向けての試行調査だとしても、今回のプレテストに沿った授業を受けてきていない高校生たちにとっては、ハードルが高すぎたのではないだろうか?
大学受験の方式が変わるたびに、右往左往する受験生の姿を見ると、共通一次一期世代としては、かわいそうな気がするのだ。