こんにちはhands-onです。
前回色落ちの事について書いたのですが、まだ色落ちの魅力について書ききれてないと思い、
もう少し、色落ちについて書いてみようと思います。
色落ちの魅力のひとつにパッカリングという言葉があります。
パッカリングとは縫製で起きる縫い縮みの事で、フォーマルウェアではタブーとされていますが、カジュアルウェアでは味として
ポジティブに解釈されています。
のり付きの生デニムは縮率が大きいので洗いこむ程に生地が縮み、パッカリングが際立ちます。
上の写真はリーバイス501Eモデルです。
縫い目の節々にパッカリングが起きています。
色の濃淡差が出ていてカッコイイんです。(表情があるとも言います。)
パッカリングは縫製仕様によって出やすくなると言われています。
裏から見ると
さらにアップ
このカジュアルパンツ特有の縫い方を環縫い、もしくはチェーンステッチと呼びます。
この環縫いとはゴムみたいな伸縮性がある縫い方で、生地の縮みに伴います。
通常の本縫い(シングルステッチ)よりも縮みに対応して美しいパッカリングが起きます。
これは裾部分の画像です。
ジーンズ好きのみなさんがコダワル、チェーンステッチの裾上げです。(ユニオンスペシャル使用)
右側の脇のアタリも綺麗に出ています。
さてここで疑問です。
労働着として生まれたジーンズに色落ちのカッコ良さが必要だったのでしょうか?
必要なかったはずです。
なぜこのようなパッカリングが起きる縫い方をしているのでしょうか?
それは縫製上の効率が良いからです。
左が本縫い(シングルステッチ)用の下糸ボビン
右が環縫い(チェーンステッチ)用のコーン
ボビンとコーンでは糸の巻く量に大差があります。
ジーンズを連続して縫い続けるのであれば、ボビンの糸はすぐに無くなってしまい糸の交換が面倒です。
偶然の産物っておもしろいです。
1800年代のジーンズの原型は全て本縫い(シングルステッチ)で縫われていました。
おそらく、生産が追いつかないくらい人気が出てしまい、効率良く縫う為の知恵として環縫いミシンが登場したのだと思われます。
アメリカの合理的な物作りが反映されている部分です。
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