こんにちはジーンズリペア&リメイクのhands-onです。
前回のブログで ここ数日は問合せが少ない と書いたあとに、、、
依頼が殺到しております、、、(苦笑)
またもやテンパッテおります、、、
問合せの返信が遅れていて、ご迷惑をお掛けしております。
それでは
今回紹介するのは、、、
いい感じの色落ちです。
ビンテージ物です。
オーラが出ていますね、、、
右ヒザ穴の下です。
この繊細な縦落ち、、、
ヤバイです。
このジーンズは左綾デニムを採用しています。
(綾目が左上に走っているのがわかります?)
右ヒザにガッポリ穴が空いています。
こちらの穴をなるべく目立たないように直して欲しいとのオーダーです。
当店のリペアメニューで穴を目立たなくするのは
沢山の運針(縫い糸)で穴埋めする、強力リペアとなりますが、、、
ここまでガッポリ穴の場合は相当な縫込みが必要です。
それで、リペア穴部分がカチンコチンになってしまうので、お勧めしません。
という訳で、今回は色落ちしたデニムを穴の大きさに合わせてカットして
そのまま移植をしてみます。
そのようにした方が見た目も良くてリペア跡も、しなやかな状態を保てます。
あと、破れ穴の周辺も弱っているので補強リペアも同時に行ないます。
スソの擦り切れダメージです。
こちらはスソを解体してリペアします。
ボタンホールが弱っています。
このくらいのダメージであれば
そのままリペアで十分です。
フロントのベルトループが擦り切れています。
ベルトループはダメージの大きさに関わらず
外して、解体リペアとなります。
バックヨークにかかる部分のベルトループです。
下地が弱って外れそうです。
ここも外して、下地補強リペアをします。
カンドメ(カンヌキ)部分は狭い範囲に沢山の縫込みをするので
(1箇所で36針~42針位の物が多いです)
どうしても下地が弱ってしまいます。
さて、冒頭でビンテージ物と書いたので
ディテールをチェックしていきましょう。
ブランドはラングラーです。
ラングラーは詳しくないので
そんなに色々書けませんが、よろしくお願いします。
ジッパーフライです。
コンマーのカムロックジッパーを採用しています。
カムロックとは両爪の事です。
ピンロックというと片爪の事です。
(年代で言うと、ピンロックが古いと思います)
でもジッパーは詳しくないので、、、
この年代がいつだとかはわかりません、、、(恥)
持ち出しの裏側にタグがありました。
MADE IN USA と書いてあります。
復刻だとこの記載は無いはずです。
(復刻は日本製だったような、、、多分)
そしてこのジーンズの一番の特徴がこちら
耳付きです!(驚)
ラングラーの長い歴史の中でアウトシームが耳仕様なのはたった1年だけだったそうです。
マニアの間では幻の一品と言われています。
(私もラングラーのビンテージで耳付きは初めて見ました)
このディテールから このジーンズは1964年製だと判断できるそうです。
そして、このモデルは11MWZと言う事らしいです。
ラングラーマニアさま 間違った事を書いていたら、スミマセン。
それではリペア後がこちら
こんな感じになりました。
ビンテージ古着と全く同じ色落ちをした生地は存在しません。
どんなに探しても、それは無理だと思います。
※今回は在庫していた生地で近いのがあったので
生地代は安くしていますが
どうしても色が合わない場合はその1本の為に古着を仕入れます。
その場合は仕入れ代金を頂く事になります。
さて、ここで1点気になる事が発生しました、、、
左ヒザの直しです。
リペアされているのですが、、、
左右で仕上がりがこうも違うと
バランスが悪いように感じます。
リメイク作品だったら有りかもしれませんが
ラングラーの幻の1品に対して
これではちょっと可愛そうな気がしてきました、、、
お客さまにリペアのやり直しの相談をしたら、、、OKが出ました!
よってこちらはリペアステッチを外します。
(リペアステッチ外しは凄く手間なので有料になります)
こんな感じです。
シワシワなのをアイロンでキッチリ伸ばしてから
こちらも右ヒザと同じ生地で移植リペアをします。
出来上がりがこちら
うん、、、
以前よりも良くなったと思います。
※今回はアウトシームを開かずにリペアしています。
アウトシームのアタリがずれているのは
以前のリペア時になった事だと思います。
リペア前の画像で確認してみて下さい。
これで左右のバランスが取れました!
左右の太ももが弱っていたので
全面補強をしています。
これでガンガン穿いて、ガンガン洗う事ができます。
スソの擦り切れた部分のリペア後です。
チェーンステッチ仕上げです。
元のアタリがずれないように気をつけています。
(ビンテージ物の縫いは微妙に曲がったりしているので特に難しいです)
もう片方の足もチェーンステッチに入れ直ししています。
片足だけチェーンステッチだとバランス悪いですからね、、、
(画像が無くて、スミマセン)
ボタンホールはそのままリペアです。
硬い金属ボタンで擦り切れる部分なので
ここはガッチリ叩き縫いをします。
最初は硬くても問題ありません。
使っているうちに馴染んできますので、、、
フロントベルトループは解体リペアをしました。
カンヌキ部分は下地補強もしています。
(破れていなかったので、あて布無しで軽めの補強です)
バックヨークのベルトループ付け根の補強リペア後です。
カンヌキは専用ミシンで縫い直しています。
こちらは穴が空いていたので、
あて布を貼っています。
以上です。
こちらの工賃が
左ヒザの叩きリペアステッチ外し 3000円
左右ヒザ大穴のデニム移植リペア 6000円
左右太ももの全面補強 8000円
片足スソの解体標準リペア 2000円
左右スソ、シングルをチェーンステッチにやり直し 2000円
ベルトループ2箇所の解体リペアと下地補強 3000円
ボタンホールのそのままリペア 500円
合計24500円(別途送料)
お客さまから喜びの声を頂きました、、、(ほっとひと安心です)
あまりにも大きな穴を目立たないようにリペアする時は
このような生地の移植も行なっています。
リペア跡が周囲に馴染むかは、移植する生地次第になりますが、、、
(クオリティーが不安定なリペア方法です、ご理解下さい)
オーダーお待ちしております。
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