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帰宅戦争 帰りたいんだけど戦争起こしてもいい?の感想レビュー(ライトノベル)

2016年01月21日 21時12分10秒 | ライトノベル・小説
富士見ファンタジア文庫のラノベ、『帰宅戦争 帰りたいんだけど戦争起こしてもいい?』(鬼火あられ先生原作、ちり先生イラスト)が発売中です。
第28回ファンタジア大賞・銀賞受賞作ということで話題ですね。

表紙は、主人公の太郎とメインヒロインの凜花。
同じ部活仲間らしい仲の良さが伝わってきますね。
リア充爆発し(ry

お話的には、とある事情で青春や仲間といったキラキラしたものが嫌いになった主人公の太郎が、全校挙げて部活動を奨励する学校の方針に反発。
ひょんな事から知り合いになった天才声楽家の少女・凜花も自分と同じく部活動に反対していたのを見て、ともに帰宅同好会を設立。
かくして同好会VS生徒全員の帰宅部創立をかけた激しい戦争の日々が始まったのである……という変則部活系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。

インドア派の学生にとって、帰宅部はある意味自由の象徴なわけですが、単にダラダラ過ごしたいというだけではなく、登場キャラそれぞれの過去のトラウマが関係しているあたりが本作のポイントかと。
凜花の抱えていた悩みに、自分の抱えていたトラウマと共通する部分を多く見た太郎が、彼女が取り返しの付かない失敗を犯さない間になんとか救い出そうと奮戦する姿はいかにも青春チックで良かったです。
凜花を救おうとする過程で太郎自身も自らの過去と向き合い、それを乗り越え新たなかけがえのない日常を手に入れる……というベタながら王道の展開なので、全体の作りとしては卒なくまとめられていたかと。
反青春派が1番青春っぽい事をしているという構造的ミスマッチに自分でツッコミを入れたり、自分たちの活動を無意味に感じて絶望する一幕があったりと、読者が真っ先にツッコミを入れるであろう点に触れる辺りはちょっとメタっぽい感じですが、校風や一般生徒各自も異様なほど部活動に入れ込んでいるという設定なので、今更ツッコむのは野暮かも知れませんね。

帰宅を阻むライバルとして四天王が登場したり、それぞれの部活に合わせた攻撃を仕掛けてくるモブ部員達がいたり、いかにも部活戦争というタイトルらしい設定になっているのでいわゆるテレビでよくやっている脱出ゲームを見ているような感覚で楽しめるかと。
やる気はないけど美人で陰ながらサポートしてくれる先生がいたりする辺りも嫌いじゃないぜ(;゜∀゜)=3ムッハー

ただ、設定にしろ、登場人物にしろ、良くも悪くも全体的に最近のラノベにありがちな要素を色んな所からかき集めてきた的な作り(個人的な印象ですが)なので、オリジナリティというか、本作でしか見られないような仕掛けなりキャラなりが居なかった(部活モノジャンル自体が飽和気味の昨今なので比較するのは酷ですが)のは残念。
部活仲間のイリスは確かに可愛いですし、男キャラである織田の体育会系ポテンシャルの高さも凄くはあったのですが、太郎&凜花ほどこの部活をやり遂げる必要性があったかというと微妙なところですし、それならキャラを絞ってたったふたりの帰宅戦争的な方向でまとめて、ふたりの絆を丁寧に描いたほうが盛り上がった気がします。
消化試合的に具体的な内容は描かれず敗北の結果だけが知らされるパターンが多かったので、活躍する機会自体が減らされていたのは大きいかと。
新人賞ですし、そこで本作ならではの面白みを見せてくれることに期待していたのですが(´・ω・`)

ラブコメ的にも、王道のラッキースケベや、ヤキモチといったイベントは押さえているものの、お互いに明言化しないのでまだまだ本格化していない印象でした。
折角幼なじみのひなぎくという好き好きオーラ出しまくりキャラがいるのに、軽い鞘当て止まりで終わってしまうのは勿体無かったかと。
ある意味では実生活っぽくてリアルなんですが、もうひと押し欲しかったです。

オチについては、オープニングからの予想通りの展開でしたし、イイハナシダナー系で綺麗にまとまっていたかと。
設定的に単巻完結っぽいですし、今時の気軽に賑やかでチョイエロなラノベが読みたいニーズにはぴったりハマっていると思うのでそういう方にオススメ。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


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