gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

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棺姫のチャイカの感想レビュー(ライトノベル)

2010年12月18日 14時48分57秒 | ライトノベル・小説
富士見ファンタジア文庫のラノベ、『棺姫のチャイカI』(榊一郎先生原作、なまにくATK先生イラスト)が発売中です。
表紙はタイトルにもなっているメインヒロインのチャイカ。
ちっちゃい女の子が大きな得物を振り回す姿に萌え~!という属性は今までもありましたが、特大サイズの棺桶を背負った美少女がヒロイン、というのは更にインパクトが加わった感じですね。
棺の姫と書いてひつぎ(名付け親はあとがきにて判明w)というだけあって、ひょっとすると、この棺桶をぶんまわして攻撃するのかしら?と思ったら、中からデッカイ狙撃銃が出てくるという設定に2度びっくりでした。
読者の想像を引き出しつつ、少しずつその上を行くという演出の仕方は榊先生のお家芸だと思いますが、今回も棺桶を持つということに対する理由付け、必然性のある設定がうまく結びつけられており、スムーズに新しい世界観を受け入れられる様になっていて好印象ですね。

お話的には、義妹のアカリにご飯を食べさせてもらいながら食いつないでいるニートの主人公トールが、ある日山の中でチャイカと出会ったことで大きな事件に巻き込まれて…というボーイ・ミーツ・ガールもの展開です。
そこだけ聞くと、剣と魔法のファンタジー世界もので『働いたら負け』のセリフを聞かされることになるとは(苦笑)という感じに思えますが、トール自身が日々の生活に対して興味が持てなくなった要因については劇中で丁寧に明かされる展開になっており、大きな見所となっています。

主人公が何のために戦おうとするのか?というのは、物語の展開にも密接に関わってきますし、感情移入度の面でも非常に大きなウェイトを占める部分だと思います。
完全に無能無才なのではなく、とある理由から『何事にも本気になれない状態』で無気力に過ごしていたトールが、チャイカの生き様を見て何かを感じ取り、『今日から本気出す!』と更生する→実は只者じゃなかったでござるの巻!という流れは、少しベタな感じではありますがそれ故に王道であり、主人公とヒロインの関係性を端的に示す上でも有効だったと思います。

単純に外見に惹かれて、といったラブ成分よりな理由からではなく、諦めかけた自分の夢を、他の頑張っている人間の姿を見ることでもう一度志したことをキッカケにして、行動を共にすることに…という流れは自然で嫌味がなく、本気モードの無双っぷりもあいまって見ていて爽快でした。
トールもチャイカも、やれば出来る子なんだよ!

片言言葉がなんだか微笑ましいチャイカですが、実は自分の信念を行動で示すタイプだというのは、冒頭のバトルシーンを見るだけでも十分に伝わってきました。
いきなりの緊急事態とは言え、言葉は交わさずとも、背中を預けあう形になったふたりの関係が、今後どのように発展していくのか気になりますね。
1巻はまるまるお披露目に徹したイメージで、ラブコメ成分は少なめでしたが、義妹であるアカリとの三角関係は今後大きく描かれていきそうで楽しみです。
『今起こったことをありのままに話すぜ!朝起きたら義妹にマウントポジションを押さえられたり、美幼女が白くて粘性の高い半液状物質まみれで羞恥に頬を染めていた。良いぞ、もっと(ry』
…リア充だけじゃなくて、ニートも爆発すべき時が来たかw

さて、1巻のオチ的には、プロローグ部分が伏線、というより真実そのものとして描かれているため、最終的な持って行きどころは予想通り、という感じでした。
これはむしろ演出として捉えるべきところでしょうし、その分別の謎が新たに浮かび上がって…という部分もあるので、素直に読み進めてトールの心情の変化を楽しむのが吉、という感じですね。
むしろ、チャイカの正体よりも、トールの過去が上手く物語を掘り下げる役割を果たしていたかと。
また、敵役にもイケメン&萌え系少女が配置されており、キャラ的にも実力的にも良いライバルとしての役割を果たしてくれそうで楽しみです。
英雄と呼ばれる人物達のグループと、ライバルキャラ達のグループ、そしてトール達のグループの三つ巴展開になってくるのか、あるいは共闘もありなのか、選択肢は多そうですね。

ラブコメもありな王道ファンタジー作品(旅要素あり)の要素と、お題目の正義に捕らわれない反逆の心意気が持つ野性的な魅力とが上手い具合に溶け合った良作になりそうで楽しみ。
物語のスケール感は壮大で、コミック化プロジェクトもありと、今後大きく展開していくシリーズとなりそうなので、多くのラノベファンの方にオススメです。
中でも、双小剣、鉄槌、狙撃銃(魔法要素あり)、大剣、長剣といった得物を使った人間同士のチーム戦や、対魔法生物戦の熱いバトル描写が見たいという方は是非w


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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2 コメント

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Unknown (うつ)
2011-03-23 08:37:53
わたしはこの本を買って読んで見ました。
これは『生徒会の一存』や『H+Pひめぱら』
『これはゾンビですか?』にも劣らぬ
傑作になりそうで、
ポスト『スレイヤーズ』になりそうです。
返信する
>うつ様 (gurimoe)
2011-03-23 18:26:52
・コメントありがとうございます。
セレクトから見るに、なかなかのファンタジア文庫派でいらっしゃるご様子ですね。
ジャンル的にはラブ寄せの前三者よりもスレイヤーズに近そうなチャイカですが、それぐらい売れてくれると良いですねw
返信する

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