ロクでなし魔術講師と禁忌教典5巻の感想レビュー（ライトノベル）

富士見ファンタジア文庫のラノベ、『ロクでなし魔術講師と禁忌教典5』（羊太郎先生原作、三嶋くろね先生イラスト）が発売中です。

表紙は、グレンとウェディングドレス姿のシスティ。
清楚さの中にも匂い立つ色気にグッと来てしまいますね。
メインヒロインの面目躍如やでぇ！(;゜∀゜)=3ムッハー

お話的には、特別講師として赴任してきたイケメンエリート・レオスが、実はシスティの許婚者だと知ってざわめくクラスメイト達。
レオスのプロポーズをはぐらかそうとグレンを偽の恋人役に仕立てるシスティでしたが、突如逆玉の輿宣言でやる気を見せ始めたグレンに対してその胸中は複雑で……という、ヾ(*´∀｀*)ノキャッキャ(´∀｀*)ウフフな私のために争わないで！展開です。

結婚＆略奪といえばいわゆる“卒業”の超有名な花嫁強奪シーンを思い浮かべる人が多いと思いますが、愛情ではなくお金目当てで花嫁をかっさらうとか、そりゃシスティもブチ切れますわなぁｗ
見ている読者とすれば、後のことを考えてあえてグレンが道化を演じているんだろうなぁぐらいの感覚で微笑ましいわけですが、花も恥らう乙女、ましてグレンが好き（無自覚）な彼女にしてみれば、乙女心を弄ばれているとショックを受けてしまうのは自然な流れかと。
これでレオスが純粋にシスティの事が好き！という展開なら泥沼だったかもしれませんが、システィの気持ちや夢をガン無視+そこはかとなく不穏な雰囲気という状況だったので、安心してグレンを応援出来ました。
むしろ、グレンさん！ちゃんと異性としても見ておあげなさいよ！！ぐらいの気持ちだったわけですが、ここでまさかの“昔の女”ポジションの新キャラ・セラの話を絡めてくるとか胸熱(;゜∀゜)=3ムッハー
システィに似た雰囲気ながらも、世話焼きのやさしいお姉ちゃん属性とかなにそれうらやま！
やんちゃ時代の若グレンの初々しさもあいまってめっちゃお似合いですし、ガッツリとグレンの知られざる過去を掘り下げてくれたのが嬉しかったですね。
あま～いエピソードを描いてからのビター＆ドシリアスな悲劇描写に心揺さぶられまくりィ！

レオス＆黒幕の暗躍がわりと序盤から描かれていた分、このあと大変なことになるんだろうなぁとは思っていましたが、予想以上に救いの無い、狂気まみれな真実が浮かび上がってきて辛かったですね。
ルミア達を守るために自分を犠牲にするシスティと、そんなシスティを守るために昔の非情さをまとい直すグレンの追いつめられっぷりが切なかったですし、黒幕の未来視じみた予測能力の厄介さが際立っていて良かったかと。
この辺り、展開やオチが某人斬り抜刀斎を髣髴とさせるものだった（あくまで個人的な印象ですが）ことと、カラー口絵の情景がかなりネタバレヒントになっていたことで、若干意外性が薄まってしまったのはもったいなかったですが、伏線の張り方といい、グレン＆システィの心理描写といい、とても丁寧で説得力が高かったと思います。
いよいよ禁忌教典の謎にも本格的に迫っていってくれそうですし、ここでシスティを掘り下げてヒロインとしての魅力と相棒としての実力を大幅にアップ出来たのはとても意義深かったのではないかと。
普段は気が強いくせに、いざ本気で怖い思いをさせられるとメンタル激弱な部分とか、それはそれで等身大の女の子っぽくてかわいい部分だと思うのですが、今回そこから自力で、しかもグレンの教えに導かれて立ち上がる事ができたのは特に大きな成長だったと思います。
というか、物語のキーパーソン的な意味でも、非常に気が利く良き女房ぶりでも人気のルミアに、ヒロインとしてようやく並び立ったと言えるかも。
今後も、グレンを支えつつ、師弟としても夢の共有者としても絆を深め合っていって欲しいですね。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


富士見書房公式サイトはこちらから



にほんブログ村