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小さな魔女と空飛ぶ狐の感想レビュー(ライトノベル)

2010年09月10日 01時00分47秒 | ライトノベル・小説
電撃文庫のラノベ、『小さな魔女と空飛ぶ狐』(南井大介先生原作、大槍葦人先生イラスト)が発売中です。

表紙はメインヒロインの“小さな魔女”ことアンナリーサ。
白金色の髪と碧眼、真っ白な学生服と、清楚で華奢っぽい見た目とは裏腹に、その本性はかなりのワガママ娘というギャップが魅力的なキャラに仕上がっています。
16歳にして国家でも最高クラスの科学者という設定もあいまって、なかなかプライドの高い彼女ですが、主人公である戦闘機のエースパイロットクラウゼに、どの様に惹かれていくのか?は大きな見どころかと。

お話的には、東西国家間の戦争の長期化に嫌気がさしつつも、夜間飛行戦での有能さを買われて戦い続けていたクラウゼの元に、軍の上層部から特別な任務が下されることに。
内戦解放の切り札となる人物の補佐をせよという命令の元、クラウゼが引き合わされたのが、小娘にしか見えないけれども天才科学者のアンナリーサだった…という展開です。

自国にはアンナリーサ、敵国にはアジャンクール博士というふたりの超天才が存在&兵器開発に携わることで、多数の開発が停滞していた新兵器にブレイクスルーが起こり、一足飛びに技術が進歩していって…という開発合戦が本作のメインストーリーです。
美少女=ラブコメと連想してしまいがちですが、それよりも、戦争に関わった二人の天才科学者を対称的に描くことで、戦争に翻弄されて失ったものを大切に思いやる気持ちや、国や人々に対して彼らが実現することの出来る可能性とは?といったテーマを描き出しているところが興味深かったです。

どちらが善でどちらが悪といった判断とは関係無く、それぞれの事情で自分の才能をいかんなく発揮するアンナリーサ達天才組と、それに翻弄されるクラウゼ達とのやりとりは滑稽でした。
冒頭の空戦シーンを抜けると意外に牧歌的な展開が続くのですが、中盤のある事件を発端としてふたりの天才に転機が訪れてからは、世界を巻き込んだ血で血を洗う戦いへと突き進んでいくのが、倫理的にはともかく、戦争モノらしくて良かったと思います。
戦争という極限状況の中、研ぎ澄まされていく狂気や、それに慄きつつも目を背けずに前に進む潔さなど、才能と感情とがせめぎ合い、混じり合っていく中で、どんな決着が待ち受けるのか、最後まで目が離せませんでした。

同じ狐という通り名も、陣営によってフクスというルビとルナールというルビが振り分けられていたり、各種航空用語にもそれっぽいものが使われていたりと、航空兵器好きが喜びそうな要素が散りばめられているのもニヤニヤでした。
クラウゼが実際に空戦をするシーンは予想より少なかったのですが、クライマックスではきっちりと魅せるドッグファイトが描かれており、スリリングな戦いが楽しめます。

クラウゼが年上ということもあり、異性としての意味でアンナリーサにがっつきに行ったりはしないものの、彼女との交流によって彼が得たものはしっかりと存在していますし、はじめは彼を単なる便利な助手としてしか見ていなかったアンナリーサが、初恋にも似た感覚で心惹かれていく様子が初々しくて、爽やかなラブストーリーが楽しめます。
といっても、サービスシーン的な意味合いのやりとりでは、出会ってすぐに非○○宣言とか、男性ファンのニーズもしっかりと狙ってきてニヤニヤだったりw

大槍先生による、背景まで緻密に書き込まれたイラストの数々が、物語のイメージを作り上げるのを大きく手助けしてくれているのも好印象です。
西欧風の世界観にマッチしていますし、カラーのサービスショットも美味しすぎでした(正座)

ラノベ読みの方の間で評価の高かった前作、ピクシー・ワークスとはまた違った切り口で空と航空兵器のロマンを感じさせてくれる良作です。
割と綺麗に完結している印象でしたが、続編があってもよさげな感じですね。
次の作品にも期待したいと思います。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


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