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ぼくのゆうしゃ1巻の感想レビュー(ライトノベル)

2013年07月21日 19時32分04秒 | ライトノベル・小説
富士見ファンタジア文庫のラノベ『ぼくのゆうしゃ』(葵せきな先生原作、Nino先生イラスト)が発売中です。
生徒会の一存シリーズが完結したばかりの葵先生ですが、早くも新シリーズ、しかも2ヶ月連続での刊行ということで話題ですね。
表紙は、主人公のトオルと愉快な仲間たちが勢揃い♪(いや、女騎士のセシリアは顔見せのみですがw)といった感じの1枚。
ラノベというよりは児童文学風で、とても健全な雰囲気が漂っていますね。

お話的には、小学4年生の主人公、トオルが兄の病院へ駆けつけようとしていた所でトラックにはねられてしまうという波乱のスタート。
しかし、トオルが気がつくと、そこは見知らぬ異世界で、自分が勇者として召喚されたことを知らされることに…という超王道ライトファンタジー展開です。

普通の学生が居世界に召喚されて活躍するタイプの作品は数多くありますが、小4という年齢設定は珍しい感じですね。
性格も良いし、周りの人々からも好かれそうな正統派の少年主人公であるトオルと、見た目は可愛いけれど少しお調子者な使い魔のルウ、自称・大魔導師でイケメンだけどしょぼい魔法しか使えないファルディオの凸凹トリオが巻き起こす珍道中は、ノリの良い会話のボケとツッコミが楽しく、生徒会シリーズが好きだった人ならすぐに馴染めると思います。
ルウが現代の生活やら習慣を知識として知っているという設定があるので、実名ネタも少し出て来たりするのは嬉しいところですね。

子どもらしく、感情がコロコロと移り変わるトオルの様子は微笑ましいものがありましたが、病気の兄をはじめとした複雑な家庭事情を持っていたりと、唐突にやたらシリアスな設定が追加説明されるあたりも生徒会シリーズを彷彿とさせますね。
急に召喚された割には順応性も高く、身体能力が強化されたことにも慢心せず、自分の能力を確かめながら戦闘を進めたりと、なかなか器が大きいことを感じさせてくれたのは良かったです。
変にひねくれたり、オトナぶっていたりするのではなく、あくまで純真に物事や人物に向きあおうとする姿には心洗われるものがありましたし、そういう性格が形成されるまでに兄や両親の影響があったのだと考えれば、色々と納得出来ました。

魔物は出てくるけどそれを倒すことが主目的ではないというのは意外でしたが、勇者が果たすべき別の役割が用意されていることで物語的な方向性は明確に示されていますし、トオル自身が勇者になって叶えたい願いについてもラストで描かれているので、あとはどうやってそれを実現していくかという問題だけですね。
教会の人間と連絡を取り合って堅実に進むのか、独自の判断で動いていくかは未知数ですが、水戸黄門よろしく旅先の人々と触れ合いつつ、そこで起こった問題を解決しながら最終的な目的地を目指すスタイルになりそうかしら。

まだまだキャラ紹介回ではありますが、起承転結はしっかりしていますし、単純なギャグかと思ったら実は伏線でした!という形で綺麗にクライマックスが盛り上がるように工夫されているのは葵先生らしい見事な職人技でしたね。
単純に感情論で大人たちを説得する的な流れになるのかと思っていましたが、状況を自分で整理した上で、自分の経験と照らしあわせた言葉で切々と訴えかける姿はとても真摯なもので感動的でした。
自分の能力云々よりも、他人を奮い立たせることが出来るかどうか?にこそ、勇者としての資質が問われるのではないかと思いますが、小さくても十分立派に勇者しているなぁ!と感じられて良かったです。

ラブコメ要素は小4ということもあって添え物程度なのは残念ですが、ゲストヒロインが毎巻出てくるのであればある意味紳士御用達になる可能性もあるかしらw
また、全体的にマイルド調整なので生徒会シリーズほど痛烈な場面やらエグい心理描写がないのは個人的に少し物足りないですが、この辺りはジャンルやターゲット層が今までと違うのである意味当然でしょうね。
旅は始まったばかりでまだまだ引き出しは多そうですし、次巻ではセシリアがどんなキャラ(お色気的な意味でもw)なのか、ファルディオが保護者役としてどこまで温かく描かれていくのか、あとがきはどこまで長く面白くなっていくのか(マテ といったあたりに注目していきたいです。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。



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