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俺の妹がこんなに可愛いわけがない12巻の感想レビュー(ライトノベル完結巻)

2013年06月07日 13時41分58秒 | ライトノベル・小説
電撃文庫のラノベ、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(12)』(伏見つかさ先生原作、かんざきひろ先生イラスト)が発売中です。
アニメ2期も大人気の本シリーズですが、遂に原作が最終巻ということで話題ですね。
表紙は、本シリーズの顔役である桐乃と京介のふたり。
背を向けて去っていく構図になっているのがラストらしく、ちょっぴり切なさを感じてしまいますが、楽しそうに話している様子を見ると、兄妹の絆がしっかりと繋がっていることが感じられてほっこりしますね。

※毎巻、フラゲとネタバレが話題になっている印象の俺妹なので、なるべくボカした表現にしようとは思いますが、気になる方は先に本編をお読み頂くのがオススメ。

お話的には、高校生活最後のクリスマス、今まで多数の女の子達から好意を寄せられてきた京介にいよいよ決断の時が!という、ド直球の告白本音受け答え&ケジメつけちゃいます展開です。

正直、読み始めるまでは本命を1人に絞るのか、なんだかんだでこのままハーレム状態が続くのかということさえ予測が付かなかったのですが、最初のデートイベントの顛末を見た時点で『ああ、今回ガチで全員に白黒つけていくのね…!!』という本気具合が伝わってきて鳥肌が立ちました。

もっと読み続けていきたいという気持ちと、どのような答えを出すにしてもきっちりとヒロインを納得させてあげて欲しいという気持ちの両方を感じながら読み進めて行ったわけですが、京介が個別に返事をする前に、回想の形でそのキャラとの楽しい思い出を振り返るシーンが挿入されるという演出になっているのが心憎かったですね。
そのまま付き合っていても何も問題ないぐらいに仲睦まじい光景が描かれた後、彼女を受け入れるのか、それとも?という選択にどう判断するのか、京介の答えを固唾を飲んで見守る事になるので、否応無しにドキドキさせられっぱなしでした。
イチャラブ(・∀・)ニヤニヤからのドキドキと、この娘とくっついちゃうの?それとも振っちゃうの?というドキドキの両方が立て続けに襲ってくるので、良い意味で心臓に負担が掛かり過ぎるw
やっぱり本命の娘は最後に来るのかしら?と思っていたので、自分の個人的本命キャラが思ったより早く登場してきた時の絶望感は異常でした。
まだあの娘が出て来てないから、このタイミングはマズいんじゃないの?それとも、そう見せかけて先にワンチャン来るー?みたいな感じで、良いように手のひらで踊らされましたねw

PSPのゲーム版では様々なヒロインとのハッピーエンドが描かれていたわけで、色々な可能性があったと思いますし、原作で語られていなかったものすごい設定が飛び出した事も印象的でしたが、原作でもそういう方向でまとめるのか、全く違った展開になるのかヤキモキさせられていたのは自分だけではないはず。
そんな読者の期待に対して、どんな落とし所を作ってくるのかが見どころだったわけですが、京介自身の本心や決意を明確に描いた上で、本作独自の結末を描ききったことを評価したいですね。
男性読者が喜ぶような都合のいいシチュエーションやヒロイン像も多数盛り込まれていた本シリーズですが、兄妹同士の恋愛についての倫理的な問題も含め、読者自身にも色々と考えさせる終わり方でまとめたのは感慨深かったです。
『人生相談』という単語をこういう形で最後に持ってくるとはお見事でした。

きりりんのタンスの奥の秘密や、やたらと麻奈実を敵視していた件の真相についても過不足なく描かれ、伏線はばっちり回収、ほとんどオールスター状態で各キャラクターが登場&名シーンを振り返る様子が描かれと、最終巻らしいまとめ方になっていたのでとても良かったと思います。
見開きを使ったセリフ付きイラスト演出も秀逸で、今巻最大のイベントをこれ以上ないくらい感動的に描いていてGJでした。
読者それぞれにマイ本命キャラがいるとは思いますが、あの瞬間の彼女は間違いなく可愛いかったと断言出来るかと♪

ラストで予想外のオチがあるので、最後まで気を抜けなかったなぁというのが読み終えた直後の心境でしたが、そこで描かれた結末と、エピローグで描かれた二人の関係をどう解釈するのかについては、読者に委ねられていると考えても良いのではないかと。
ブルーレイの特典に物語の10年後が描かれた小説が付くそうなので、かなり興味深いところですね。
京介が得たものに比べ、失ったものも多かった気がしますが、本命キャラへの想いが深かったからこそけじめを付ける必要はあったでしょうし、彼女への想いを抱えたまま他のヒロインズと付き合う選択肢を選ばなかったことは、彼なりの誠意の表れであり、ヒロインズを大切な仲間だと思っている証拠だと言って良いかと。
今後の京介の身の振り方を考えると、なかなか一筋縄では行かないものを感じてしまいますが、彼自身が自分の選択を後悔していない以上、多少ほろ苦さはあるものの、現状取り得る選択肢の中で最高の大団円を迎えられたのではないかと思います。
愛すべきシスコン兄貴に幸あれ(`・ω・´)ゞ

とにもかくにも、両先生とも無事のシリーズ完結おめでとうございます&素晴らしい作品をありがとうございました。
あとがきによれば、冬には伏見先生の新作が出そうとのことですし、原作を最後まで描くという噂のアニメ版俺妹を見ながら楽しみに待ちたいと思います。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE公式サイトはこちらから

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』β版公式サイトはこちらから

俺の妹がこんなに可愛いわけがない
アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』公式サイトはこちらから

俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル
PSP用ゲームソフト『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル』公式サイトはこちらから

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11 コメント

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おはつです。 (あたはる。)
2013-06-10 02:18:42
俺妹終わりましたね~(^^)
やっぱりというか、タイトル通りの結末でしたね。

私はアニメから入ったので、桐乃はあまり好きになれませんでしたけど、ラノベを読むとまるで別人ですよね(^^;;

完結したものの、近親相姦がテーマになだけに、今後の二人の行く末が気になりますよね。。十年後、結婚してたらどうしよう(^^;;
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>あたはる。様 (gurimoe)
2013-06-10 11:41:12
・コメントありがとうございます。
作品の落とし所は明確に提示されましたが、そこから絶対に状況が変化しないとは言い切れない!と、読者自身が深読みしてそれぞれのエンディングを妄想する事は出来ると思います。
ある意味、悪あがきでしか無いかもしれませんが、そうそうすっぱり諦めきれるようなヒロインズ達では無いような気がしますし、2番めでも良いの…!!的に常識やらを度外視してしまえば、当人たちにとっては幸せな関係を続けることは出来る可能性はあるでしょう。
ただ、そうなってしまうと今回の京介の苦悩や選択が価値の無いものになってしまいますし、それを聞いて身を引くことを決めたヒロインズの気持ちが蔑ろになってしまいますから、その辺りは読者自身が補完する形でフォローしたい人はフォローする、受け止めたい人は受け止めると、人それぞれで良いんじゃないかと。
ホテルでの一幕も、京介のセリフ通りなのか、実は語られなかった何かがあったのか、色々想像してみたりすると面白いかなとは思います。
国語的には、書かれていない事実を元にあれこれ解答する=誤答ですが、今回は完結巻ですし、結末が気に入らなかったから駄作!みたいに決めつけてしまうよりは、ラノベの楽しみ方の一環として想像の翼を広げるのも悪く無いかなと(あくまで自己責任になりますがw)。
その辺りの諸々の一例が、後日発売されるゲーム版のハッピーエンドということなのかなとも思ったりしているわけですが、それを踏まえても、今巻のまとめかたがアンハッピーエンドだったかといえば、考えぬいた末にそうしようと決めた当人たちにとっては違うはず…みたいなことも考えていましたが、当記事のスタイル上、言及してはいなかったりw
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はじめまして (Woden)
2013-06-12 22:51:30
何か各所が大荒れみたいですけど、個人的にはこのエンドは俺妹らしい悪くないエンドだったと思うんですよね。

荒れている人たちは京介が黒猫や麻奈美の告白を受け入なかったことを怒っているみたいですけど、それだと桐乃は傷心のまま海外へ行ってしまって、救済されないままになってしまいますからね。

散々体を張って妹を守ってきた京介が、最後の最後に妹を見捨てるのは京介らしくないし、温泉街で桐乃の想いを知った京介があのような選択をするのは、寧ろ当然じゃないかな…と。

あと、近親相姦云々という批判が何故か多いみたいですけど、桐乃も京介も精神的な繋がりを求めていただけで肉体的な関係を求めていた訳ではないので、この批判は的外れだと思います。

という訳で、アニメ版のエンドがどうなるかわからないですけど、個人的にはこの小説のエンドを踏襲してほしいと思っています。

では、長々と失礼しました。
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こんにちは (忍猫)
2013-06-12 22:52:33
まさか実妹ルートとは意表を突かれました。個人的には黒猫とあやせの方が好きですが、無難に桐乃と昔のように仲良くなって他のヒロインと結ばれるENDではこの盛り上がりと深みは出なかったと思うのでこれはこれで良かったと思います。
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>Woden様 (gurimoe)
2013-06-14 18:30:15
・コメントありがとうございます。
ヒロインみんなを幸せにしてあげたいけど、現実的にはそういうわけにも行かないよね、というわけで。
でも、血縁のことを考えれば正式かつおおっぴらに…というわけにも行かず、じゃあどうやって気持ちを表現すれば良いのかと考えた結果がアレだったのかなと思う次第です。

きちんと振ることでケジメをつけたのは振られた相手への誠意でもあり、一緒に居たいと想う相手に(きちんとした書類等では無理だけど)お前が一番だと証明する行為でもあった、と解釈する方法はあるかもしれません。

あと、個人的には、H自体が目的ではないでしょうが、肉体的に結ばれたいという気持ちが無かったわけではないと思っています。
相手が好きで好きでたまらない!というぐらい本気になったのなら、肉体的にも繋がりたいと思うのは不自然なことではないと思いますし。
ただ、倫理的に(というか、年齢的にもですがw)それが認められていない現実を前に、この線を踏み越えることは出来ないと結論づけたからこそのあの結末なんだろうなと。

流石にネタバレ過ぎてアレなコメレスになってきましたが、これが結論だからこう考えるのが正しい!と言いたいのではなくて、こうも考えられるんじゃないの?という一例を挙げてみた、という感じでお読み頂けると幸いです。

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>忍猫様 (gurimoe)
2013-06-14 18:37:30
・コメントありがとうございます。
自分も黒・白・神・闇なんでも来い猫&マイラブリーエンジェルあやせたん(*´Д`)ハァハァ派なわけですが、ここまで読者に再三夢を楽しく見せてきたあとで、最後は現実を直視させる&考えさせる、という手法自体に唸らされた感じですね。
どのヒロインとでも、というと少し語弊がありますが、今回振られた内の何人かとは、それぞれ違った切り口からハッピーエンドに繋いで読者を満足させることは出来たと思います。
だが、そうはせずにこういう結末で〆た、というところに伏見先生の伝えたいメッセージが込められているのだろうなと思う次第です。
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>山田与作様 (gurimoe)
2013-06-14 18:48:56
・いや、ひょっとしたらその作品なりミュージアムなりになんらかの逸話があったりするのかも知れませんが、普通に初耳なのでそれがどうした?ともツッコめないでござる(´・ω・`)
ただ、ネットに感想を書くことよりも、編集部にファンレター等を送ることのほうが、より真摯に作家さんと作品を応援する気持ちを伝えられると思うので、単純な好意であればそうされるのが良いかと。
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Unknown (Unknown)
2013-06-15 02:01:12
山田与作はあちこちに関係ない宣伝を繰り返しているだけの人物なのでまともに相手してもしょうがないですよ。
返信する
Unknown (gurimoe)
2013-06-15 11:46:45
ああ、そうでしたか。
ご連絡ありがとうございます。
コピーコメントは基本的にコメレスするつもりが無いのですが、確認してなかったです。
変なリンクが付いている系なら即スパム報告なのですが、なにかあったのかなと。
個人的にはその作品に特に興味がないのでぶっちゃけどうでもいいのですが、評判上げるどころか却って下げる結果になってしまってもなんだかなぁという感じですし、折角ご連絡頂いたのでコメごと削除しておきます(`・ω・´)ゞ
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Unknown (yuki)
2013-06-15 22:14:02
共感する部分が多々ありとても楽しく読ませて頂きました。
ちゃんとネタバレにも配慮されていていいですね。
アマゾンはレビューという名のネタバレが氾濫していて閉口しました(苦笑)。

私の場合、正直12巻を読んで読後感は気持ちいいとは言えませんでした。
純文学的な重さが残ったというか。
でもこの感じが桐乃がずっと悩んできた感覚なんでしょうね。
そういう意味では12巻はヒロインと読者をシンクロさせるには一番成功したのかもしれません。
見開きの演出は衝撃的で、「僕は友達が少ない」の3巻を思い出しました。お見事。

私も、内容が気に入るかはともかく完成度は十分なラストだと思います。
ただ、最後のキスがちょっと京介の真意を図りかねる感じで、んん?とは思いましたが。

しかし、彼らが幸せになったかどうか確認するためブルーレイを買おうと思ったら特典はそういう内容じゃない様子。
しかも伏見さんがアキバブログでその後京介と桐乃が結ばれたようなインタビューをされているという(笑)。
結局二人は内縁関係として夫婦になったのかも。
だとすると京介の戦いはこれからだ!という感じですね。
そのときは成長した桐乃がしっかり助けてくれたのかな、とか想像してしまいます。
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