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紅炎のアシュカの感想レビュー(ライトノベル)

2012年12月16日 20時23分10秒 | ライトノベル・小説
このライトノベルがすごい!文庫のラノベ、『紅炎のアシュカ』(紫藤ケイ先生原作、Nardack先生イラスト)が発売中です。
3ヶ月連続刊行で話題の本作ですが、ダークでシリアスだった今までの2作品とはかなり方向性が違い、明るめのお話にまとめられているのが特徴かと。
いや、そう思っていたら実は…ごにょごにょだったりもするわけですが、それは読んでみてのお楽しみということでw

表紙はメインヒロインのアシュカ。
胸元や太ももに健康的なお色気があって、とても爽やかな雰囲気なのが良いですね。
顔つきが瓜二つで、ショートカットの美少女も登場するので、なんだか二倍お得な感じw

お話的には、“魔王アシュバルドの右手の小指の化身”を名乗る少女、アシュカと共に、彼女の仲間を探しながら旅を続ける駆神人の青年ラティスが、新たに訪れた街で謎の刺客に襲われて…という、ファンタジー冒険譚展開です。

登場キャラクターそれぞれが、物語的な役割を与えられており、世界観とともに作品として非常に小奇麗にまとめられた感じがあるので、とても読みやすかったです。
ちょっとおバカっぽいものの、前向きで純粋なアシュカが魅力的で、仲間である他の化身に会いたいという彼女の気持ちをきちんと理解したラティスの気遣いも妥当で、危なげない場面運びを楽しむことが出来るかと。

普通なら、男女ふたり(&お姉さんポジションの小妖精)の旅ということでラブイチャきゃっきゃうふふ♪という雰囲気になりそうなものですが、彼らの間にあるのはうわついた恋愛感情というよりも、もっと土台のしっかりした信頼関係であり、本当に必要なことであれば手を貸すのが当たり前、と、既にお互いが分かり合っている感じなのがポイントかと。
はじめから既に旅慣れている状態での物語なので、これはむしろ自然ですね。
思ったことを素直に言い、行動&騒動を起こすアシュカと、それに振り回されつつも、なんだかんだで面倒見よくそのカバー役をこなしていくラティスとの関係は、とても心温まるものがありました。

また、まだ歳若いながらも聡明で心優しい少年、セイルの存在と、その成長物語が、ある種の癒しとなっている部分もあるかと。
アシュカにしても、ラティスにしても、この度が初めての冒険というわけではなく、既に場数を踏んでいるので、急成長したりはしないわけですが、その要素を補完する意味合いでも、作品内での彼の存在は貴重だったと思います。
やっぱり、悩んだり傷ついたりしながらも、少しずつ壁を乗り越えていくという様子が、読者の心を打つことも多いと思いますし、ぶっちゃけた話、見た目以外はラティスよりもセイルのほうが普通のラノベの主人公っぽいなと思える部分もあったような気がw

さて、ライトファンタジーらしく進む起承部と比べて、転以降はかなり意外な展開になってしまったのには驚かされました。
前2作を読んでいれば、やっぱりこっち方面から行くのか(・∀・)ニヤニヤだったわけですが、本作が初めてという方はかなりショックを受けられるのではないかと。
正直、物語の大まかな展開自体はカラー口絵の情報からある程度深読みできていたのですが、転部分のあのイベントだけは全く読めませんでしたね。
このゾクゾク感を楽しめただけで、十分読んだ価値があったなとw

ただ、この演出自体は、ライトファンタジーよりもダークファンタジーでこそ映えるタイプのものだと思うので、新しい方向性を模索することが狙いだったのなら、あまり喜ばしい結果ではないとも言えるかも知れません。
イラストの雰囲気的には明らかにライトファンタジー向きですし、アシュカの目的と物語の方向性が明確になったことで、シリーズ化する土台は十分に出来たと思うのですが、やはり本質的にダークファンタジーをメインに描かれた方が、他作品との差別化によるオリジナリティが出せると思いますし、紫藤先生の作風を直接出していけるのではないかと、個人的には思います。
本編に比べると全然短いのですが、巻末番外編のラティスとアシュカの出会いのエピソードの方が、胸に深々と迫ってくるものがあったのも、その理由のひとつだったり。
もっともこの辺りは、前2作から続けて読んだからそう感じてしまう部分が多いですし、あまり決め付けるものではないと思いますのであしからず。

3ヶ月連続刊行を実現なさるほどの量産ペースは、今後も維持出来るようなら、小説家としてとても大きな強みになるかと思います。
もっとも、毎作品ごとに新たな設定を構築するのはとても労力がいることでしょうし、個人的には早めに本命を絞って続刊&掘り下げをするか、作品の舞台と世界観を共通化して毎回主人公とヒロインが変わるシェアードワールド風の展開で様々なタイプの物語を紡いでいくか、といった方向で執筆なさるのが良いんじゃないかなと、素人ながら思ったり。
とにもかくにも、第3回大賞受賞者として、このラノ文庫を益々盛り上げていってくださるよう、期待しております(`・ω・´)ゞ


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


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