「風の時代」を生きる

人生に必要なのは、勇気と想像力、そしてsome moneyだ。

チャールズ・チャップリン

何故、株式投資に失敗するのか

2020-05-24 10:52:53 | 株トレード
私はこれまで、株式投資で生活することの困難さ、いびつさを繰り返し述べてはきましたが、決して否定したことはありません。

いやむしろ、極く少数のそうした意欲ある方々に向けて、心からのメッセージを送らせていただいたつもりです。

私が繰り返し書いてきたのは、何故、株式投資に失敗するのか、それは、考え方が間違っているからだ、という、ことでした。

今再度、繰り返していってしまうならば、
株式投資は、経済とは何の関係も無い、ということであり、
いや、もしかしたら関係があるのかもしれませんが、少なくとも、
株式投資で利益を上げるには、経済とは何の関係も無い、ということであり、 もっといってしまえば、最近の株式テーブルにかかれれているようなことは、全く関係がない、という事なのです。

経済を語ることで、相場を語ったつもりになる、
経済を知ることで、相場を知ったつもりになる、
その、最初の間違いから、直していかなければ何も始まらない、という事なのです。

私の拠って立つ立場は、つまるところ相場とは、海を見てしまった人間の、叫び声を聞いてしまった人間の営為なのだ、という事であり、それは善し悪しや良否や往来を越えたものであり、そうでない人間(社会的に上手くやっている人間)に、とやかく言われることには、ましてや私の原稿を、まるで異なった方向に引用されることには、非常に不愉快な思いを禁じ得ません。

実は、相場で利益が上がらないのは、趣味で楽しみで呆け防止でやっているからなのです。 逃げ場を用意し、言い訳を用意して、何の勝つことが出来るでしょうか。

このクラブでも再三話題になる、立花義正氏の「あなたも株のプロになれる」という本の(いまだ読んでいない方は、全くの問題外ですが)すごさは、実は今まで多くの方が語ってきたような、 波乗りのやり方、などにあるのではありません。

本の前半部分で、氏は信じられないような失敗を繰り返し繰り返し、犯しています。
少しも利益を上げていないのです。

ところが片足切断という不慮の事故にあい、会社を辞めざるを得なくなります。 そこで氏は、全然儲けてもいない株式投資で、生活せざるを得なくなってしまうのです。

そしてそのとたん、氏は利益を上げられるようになるのです。
この本のすごさは、正に前代未聞のその変貌振りにあるのです。

遊びを拒絶した、楽しみを拒絶した株式投資。
その覚悟あらばこそ、相場の方もその様々な意匠を剥ぎ取った、真実の姿を赤裸々に露呈してくれるのです。
そうした人間は、〇〇ごときで、おおはしゃぎするわけにはいかないのです。

勿論私は、株式投資で生活することを勧める立場には、立ちません。
しかし決して、それを否定する立場にも立っていないと言うことを、ご理解下さい。

私如きが、あえて一言言わしていただけるとするなら、 夢というのは、叶ってしまえば以外とつまらないものであり、しかもその瞬間から、新たなる苦 しみが始まる、とでもいったことでしょうか。

最低限の誤解だけは、解かしていただきたいと思います。

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そこにある門(下)

2020-05-16 10:27:24 | 株トレード
(つづき)

それでは、「精神の平衡感覚」を身につけるには、どうすればよいのか、そして投資にとっての「安全」とは、いったい何を意味するのか。それには勿論、幾通りもの方法があるわけですが、それは極めて個人的なメッセージの領域になりますので、不特定多数が読むこのような掲示板では、物理的な側面から言ってもとても書けることではないでしょう。

ただほんの少し、ヒントめいたものを書くとするならば、まず、秘法なるものも、華麗なるテクニックも存在しない、ということ。

秘法なるものが完成したと確信した瞬間から、その秘法如きものは崩壊を開始し、華麗なる空中ブランコ は、いつか必ず地に墜ちる、ということ。

だからこそ何よりも、安くなったら買う、ための基準、高くなったら売る、ための基準、をはっきりさせてお く、ということ。

その基準は、自らの失敗にしたがって、実はどんどん増えていき詳細になり、増えれば増えるほど詳細になればなるほど、かえって精神の平衡感覚はなくなっていき、その不安が売買の短期化に結びついていってしまう、ということ。(デイトレの人は逆に、売買の長期化になっていってしまうのですが)

だから、ある時点から逆に、基準なるものの簡素化、単純化が必要になってくる、ということ。つまり、努力すればするほど成績が悪くなるという、努力逆転の法則が起きはじめた時点で、努力しないように努力する、ということ。

そして誰も言わないことをひとつだけ、

株式投資においてやってはいけないことを10項目並べあげ、自らの性格、資金、その他もろもろを熟考した後に、そのうちの9項目はこれを厳守し、されど1項目は、敢えてそのタブーを犯す決意をする、ということ。
その犯したタブーこそが、恐らくあなたの突破口になるだろう、ということ。

最終の目標は、株を持っていないと何か落ちつかず、株を持っていることでかえって精神が平衡状態に保たれる、ということなのですが、この言い方は、あるいは年中売買していなければ落ちつかない、ということと、同じだと誤解されてしまうかもしれません。

実際は、全く対極にある概念なのですが。

必要なのはただひとつ、勇気であり、勇気は、覚悟、から簡単に湧いてくるのではありますが、社会的な成功者めいた方ほど、あるいは困難なのかもしれません。



おわり
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そこにある門(中)

2020-05-09 20:21:36 | 株トレード
(つづき)

1、勤め人=安全
2、自営業者=信用
3、経営者=忍耐
4、投資家=精神の平衡感覚

この表をじっと見つめて、私に浮かんできた仮説が2つありました。

ひとつはどうでもいいことではあるのですが、それぞれにふさわしい資質を持っている人の割合は、これまで繰り返し述べてきた80対20の法則をこんな突拍子も無いところにまで適用して、100人中、

勤め人=80人
自営業者=16人
経営者=3.2人
投資家=0.8人

になるのではないか、ということです。

これは勿論何の根拠も無い数字ではあるのですが、ただかなりはっきりしていることは、本物の投資家としての資質を備えている人は極めて少数である、また極めて少数であるが故に、あなたがそうでないだけではなく、あなたの周りにもまずほとんど存在しない、という現実なのです。似非投資家はうじょうじょいますがね。

ですからあなたはまず、本物と偽者を見分ける目を育てなければならないのですが、しかしそんな努力は実際のところしても空しいのであって、あなたに本物の投資の実力がついてくるに従い、瞬間的にわかるようになってきます。

そういった点から言うと、この掲示板などは正に最高の教材であるといえるでしょう。初心のうちは、お、この人いいこと言ってる、この人、すごいなあ、と思う事が多いと思いますが、あなたの成長にしたがって、これもダメ、あれもダメ、みんなダメ、という風になってくることと思います。

はっきりしているのは、最初に否定されるのが「秘密の小部屋」なる食わせ者だということでしょうか。 目標は、この掲示板の100人中98人を否定することです。

次に気がついた仮説は、以下のようなことです。
例えば、勤め人にとって安全感覚が1番大切だとして、2番目に大切なのは何なのだろうか、ということです。
そしてそれはもしかして、「信用」なのではないのか、と私は思ったのです。

もう一度、例の表を眺めてみてください。

1、勤め人=安全
2、自営業者=信用
3、経営者=忍耐
4、投資家=精神の平衡感覚

勤め人にとって、大切なのはまず「安全」、そして次に2の個人的な「信用」を大切にすることによって、会社という組織のわくに頼り切らなくてもよいスーパーサラリーマンになれるのではないのか、ということです。
当然、自営業者の場合は、「信用」の次に、3の「忍耐」の力を養うことによって、余裕を持った自営業者になれるのではないか(特に自営の場合、皆それなりに自分の技術や能力に自信やこだわりを持っていますので、なかなか他人に仕事の一部を任せることができない人が多いようです。他人に仕事を任せた時 必要とされるのは、まさしく忍耐です)
そして経営者の場合、「忍耐」の次に、4の「精神の平衡感覚」をもつならば、様々な決断の局面に立ち至った時、冷静に、最良の決断が可能になり、優秀な経営者と呼ばれるようになるのではないでしょうか。

さて、話は当然投資家になります。
投資家にとって最も大切なのは勿論「精神の平衡感覚」、そして次に、1の「安全」を身につけることによ って、スーパー投資家への道は開けるのではないのか。

以上が私が考えた、第2の仮説です。

(つづく)



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そこにある門(上)

2020-05-02 09:00:13 | 株トレード
一時、「金持ち父さん、貧乏父さん」なる本が、ベストセラーになったことを、ご記憶の方も多いと思います。

この本は、部分的にはキラリと光る箇所も多少あったのですが、内容的には大した本ではなかったので、読まれた方もほとんどは今、何が書いてあったのか覚えていられないと思います。

ところが、その続編には、なかなかどうして人生の根幹に関わることが書かれてあり、かなり有意義な本だったと思います。その続編は、正編に比べると半分も売れなかったらしく、ほとんど話題になることも無く、消えていきました。無駄なことほどよく知られ、大切なことは無視されるという、正に定石通りの人生の皮肉そのままの結果でした。

さらにその後、第三篇、第四編と発刊されましたが、三篇も少し面白く、四篇は余りに内容が高尚すぎて、私のような「東京」に繋がるもろもろに背を向けた場末のしがない相場師には、何の興味のない話の羅列でしかありませんでした。

さて、続編の何処が面白かったかというと、人生におけるお金との関わり方を、4つのセクションに明確に分類していたことです。
その4つとは、以下の通りです。(少し解りやすく書きます)

1、勤め人
2、自営業者(自由業者)
3、経営者(資本家)
4、投資家

そして最も大切なこととして、この4つのセクションは、それぞれ全く異なったルールによって動いていると言うことを理解せよ、という事でした。
この部分、必ず線を引いておいてください。
セクションが変われば、ルールも全く異なる、ということです。

一例を挙げれば、勤め人は原則として時間を切り売りして収入を得ていますので、仕事が忙しい場合、 残業手当が出ますが、自営業者にはそのようなものは出ません。仕事が余りにも忙しくなった場合、勤め人はつい愚痴のひとつも言いたくなりますが、自営業者にとって は、暇であるよりもむしろ望ましいことなので、嬉々として(?)働きます。そんな例は枚挙にいとまが無いので、いちいちあげませんが、皆さんにもそれとなく察知できるのではないかと思われます。

なによりもまずはっきりと確認しておきたいことはただひとつ、いったん株式投資家になったならば、勤め人であれ、自営業者であれ、経営者であれ、あなたのこれまでの経験は一切、そう本当に一切、何の役にも立たない、ということです。それどころか、そうした経験はむしろ投資家にとって邪魔でさえある、ということです。投資家は、全く異なったルールで動かなければならないのですから。

これは言葉で言うのは簡単ですが、禁煙やダイエットにも似て、なかなか出来ることではありません。しかし、投資家になる決意というものは、この完全なる自己否定、という、孤独な荒野にまずその身を晒す決意であり、その荒野をたったひとり、遥かおぼろなる地平線に向かって第一歩を歩み始める、という決意なのです。

三篇目で興味深かったのは、それぞれのセクションにおいて、最も大事な資質を、挙げていたことです。
それは以下のようです。

1、勤め人=安全
2、自営業者=信用
3、経営者=忍耐
4、投資家=精神の平衡感覚

投資家の箇所は、株式投資に関していえば、株価の上げ下げに必要以上に過敏に反応し、感情線をかき乱してはいけない、ということでしょう。

さて、以上のことを踏まえた上で、私の考えを少しだけ書かせていただきます。

(つづく)


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