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最適化と均質化

入学試験というのは、一応出題範囲というのは決まっています。

中学入試の出題範囲は結構広いけれど、世界史は出ないし、二次関数も出題されません。つまりある程度出題範囲というものは決まっている。

そして各校が作る入試問題もその学校のスクールカラーや育てたい人物像があるから、ランダムにはならない。それが学校別傾向というものなので、これを中心に入試対策が行われています。

で、このように対策が最も合理的に、そして有効な方法として確立すると、学習方法の最適化が行われたことになります。

だから、あちら、こちらの方法を試すよりも、その方法で勉強する人数が増加します。

例えば、ある学校の合格実績の多い塾に、その学校を志望する生徒は多く集まるわけです。

で、こういう最適化が長年行われるとどうなるか?

合格する生徒の均質化が起こるのです。

以前から、この危険性は感じていました。つまり、合格者の半数以上が同じ塾出身者で占められたとき、その学校への対策は多分最適化されたのだと思うのですが、その結果として学校の生徒には均質化が起こるわけです。

ただ、出口となる大学受験も現在はどんどん最適化されているので、別に中高一貫校の生徒が均質化されても、大学受験には良い結果が出るのです。

ところが、いったん社会に出ると国際化やIT化の中で、単に偏差値が高い、というだけではどうにもならなくなる部分があるわけで、東大や京大が悩んでいるのはそこに原因があります。

ただ入試制度とその対策がここまで最適化が進んでしまうと、それぞれの立場がある程度できあがってしまうので、それをぶっ壊すことはなかなか難しいのも事実。

大学教育は今、それを何とか取り戻したいと思っているのですが、ここまで均質化が進むと相当しんどい道筋になってしまったように思います。

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女子学院、2月2日入試をホームページ上に掲載
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