ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「眩暈」

2010-09-03 17:16:19 | Weblog
 御手洗の恩師が偶然手に入れた手記。そこには驚愕の文章が記されていた。


切断した男女の死体が合成され、両性具有者となって蘇る。窓の外には、核戦争後の荒涼とした世界の終焉の光景が広がっている。
太陽がやけに小さい。まるで別の惑星に来てしまったようだ。人や車も見えない。いるのは人の姿をしたウサギやブタばかりだ。

「占星術殺人事件」を愛読する青年が書き残した、この手記の意味するものは何か?


 恩師はこれを精神異常者の書いた文章だとし、御手洗はこれを、きわめて正常な人間が書いたロジカルな文章だとする。


 トリックはなるほど、大掛かりなもので魅力的。こうすれば確かに、不可能だと思われていた事の説明はつく。…が、さすがに細かい所にムリがたくさん出てくる。

 例えば、幽霊マンションの秘密なんて、秘密でもなんでもない。転落事故があったのに、警察がその謎を突き止められないなんてありえないよ。
 子どもでも1日で見破る事ができるよ。

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6 コメント

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Unknown ()
2010-09-03 20:27:43
こんにちは。
本書は、やたら長く、“冗長”という感じがしましたよー。
URLは、私の感想ブログです。
Unknown (たか@ヒゲ眼鏡)
2010-09-04 03:46:39
TBさせて頂きました!
改めて自分の感想を読むと、結構面白く読んだのかなあ、と思います。が、既に全く内容を忘れています(笑)。
お月様へ (kei)
2010-09-04 22:46:26
 確かに冗長ですよね。とくに、最初と最後の手記の大部分が重複している。
 これで、ページ分の原稿料をもらっていいものだろうか?商道徳に反さないか?と、思っちゃいますよね。
 TBさせて下さい。
たかさんへ (kei)
2010-09-04 22:57:33
 長くて中だるみしますが、結構面白いと思いますよ。トリックが大掛かり。どこで思いつくんだろう? もともとはデザイナーなのに。
 TBさせて下さい。
Unknown (月)
2010-09-05 10:15:41
たしかに原稿料どうしてるんでしょ・・・ちょっと詐欺的というか・・・^^;
再びお月様へ (kei)
2010-09-06 12:29:37
 島田荘司が大長編が多いのは、やっぱり原稿料の事も影響しているのでは?
 ハイレベルな私生活を送っているんじゃないですか?
 島田荘司って、結婚してませんよね?

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