ケイの読書日記

個人が書く書評

益田ミリ 「僕の姉ちゃん」

2017-01-16 09:56:08 | 益田ミリ
 すっごく面白い!! 益田ミリさんは『すーちゃん』シリーズで有名だが、この『僕の姉ちゃん』も、それ以上に面白いと思う。

 新社会人らしい僕と姉ちゃん(30歳)の二人暮らしなので、先に就職して東京に出てきていた姉ちゃんのアパートに、新しく社会人となった弟が、次の住居を見つけるまで居候しているという設定かな?と思っていたが、どうやら二人は自宅住まい。両親は海外赴任していたようです。マンガの最後に戻ってきます。

 つかの間の二人暮らしの間、2人は会社や仕事、上司や同僚、恋愛や結婚や友情、ファッションなどなどについて、おしゃべりします。それが掛け合い漫才みたいで面白い!!
 なんとなく、群ようこさんと弟さんの事を思い出しちゃったなぁ。群さんが家を出たのは24歳の時(弟さんは4歳年下)それからずっと離れて暮らしているけど、もし同居していたら…こんなおしゃべりしていたのかも。

 それにしても益田さんは売れっ子だけあって、本当に女の心情を掬い取るのが上手。例えば…姉ちゃんのセリフ「女って、かわいいが正解みたいな中で大きくなっていくでしょ」「けど、正解なんて誰もが出せるわけじゃない」「だからせめて持っていたいんじゃない?」「簡単に手に入るかわいいいを」と、きれいにネイルした爪を見て言う。
 結構、シビアな事も言ってる。「人に見下されたことって」「あとからジワジワくるのよねーーー」「自分の心の中だけでやってりゃいいのに」「わざわざ、今、見下しているぞって光線送ってくるヤツっているよね」「手に取って捨てたいよ、こういう気持ち」「捨てたところを確認できないから」「人は苦悩するわけよ」

 同じように見下された人にも2種類いる。反撃した人は、恨みを後にさほど残さない。でも、見下されたと感じても、穏便に済まそうとへらへらして反撃できなかった人は、何年たっても悔しさがぶり返す。フラッシュバックのように。嫌な思い出が蘇り、ムカムカする。周囲の人が何年前の話なの?ってあきれるくらい。
 自分自身、その負の感情を持てあましている。捨てられるものなら捨てたいよ。
コメント
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