日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

多分、春霞。そして胸に立ち込めるものは。

2006年03月11日 | 引っ越しな日々
朝起きて、家の前を見てみると、ものすごい霧(写真参照)。
昨日が雨で、今日がとても温かいからなんだろうけど。

はて。大阪でこんな、朝霧見たことあったっけ?

そう言えば、明石市内には、
「朝霧」という駅名もあった。

霧が出やすい場所なんだろうか。

      ★

お昼、遠い大型量販店まで、
お散歩がてら買い物に行った。

その時、家の前は、朝よりも澄んでいた。
曇っているとは思ったけれど、
朝ほど、全く家の前が見えないという状態ではなかった。

が、しかし。

4時過ぎたあたりに帰路についたのだが、
びっくりするほど濃霧。
冷気が漂う。

お気に入りの田んぼの真ん中まで行って、
写真を撮りまくる。


          蜃気楼に浮ぶ木々っぽい。

              
                    光で新幹線の線路を割いてみました。

 くっきり見えないと新幹線もいも虫くんのような鈍な感じ。

               火のないところにみずけむり風マンション

     ★

家に帰ってから、
「はて。これは、『霧』でいいんだろうか。
ひょっとして『霞』なんだろうか」
という、疑問がわく。

で、ネットで調べた結果、
同じ状態
(地表や水面の近くで水蒸気が凝結して無数の微小な水滴となり、浮遊している現象)でも、

秋の場合は、『霧(きり)』で、春の場合は『霞(かすみ)』というらしい。

知ってました?

俳句をしている人なら、知っていそうな気がするけれど。

さらに調べると、
『靄(もや)』というのもあって、

「空気中に小さい水滴や吸湿性の粒子などが浮遊し、遠方のものが灰色にかすんで見える状態。視程は1キロメートルを超え、霧よりは見通しがよい」

とあった。

ここまで書いて、気がつく。

これ、だいぶ前に『トリビアの泉』で、言ってたわ……。
面白がって見てたのに、忘れてる。

でも、今日見たのは『靄(もや)』ではないな。
もちろん『霧(きり)』でもない。

『霞(かすみ)』だ。

もう三月だし、『春霞』って呼んでもいい、
シロモノだよな。

すごい使い分けをしている。恐るべし、日本語。

     ★

「恐るべし、日本語」と書いた瞬間、
さらにさらに、芋づる式に記憶が引き出されていく。

これらの使い分けについて、
私は、村上春樹氏の文章を読んだことがある。

確か、アメリカの方に住んでいた頃、
大学の日本文学の講義を受け持っていたことがあり、
その時のテーマが『第三の新人』とか呼ばれた人々の
作品の講読で、
その授業で語られてたことを本にまとめたものだった。
(勉強不足で、なんで『第三の新人』と呼ばれているのか、私は知らないが)

確か、吉行淳之介氏の『夕霧にて(いや、夕景にて??)』
って本の講読の授業で、
「霧・霞・靄」についてその英訳の難しさについて、
語られているところがあったと記憶している。

無性に知りたくなって、
夫の本棚の「村上春樹コレクション」を探してみる。

が、ない!!っていうか、
村上氏の本がかなり減っていることに気づく。

おかしい……。

引越の際、
夫がどさくさに紛れて売ったんだろうか。えー!?

家にないと思うと、
無性に知りたくなってきた。

知りたい。知りたい。知りたい。知りた~ぁぁぁぁぁぁああああい!!

とりあえず、ネットで調べた結果、
多分、本のタイトルは、
『若い読者のための短編小説案内』(文藝春秋)
だと思うのだが。

本に興味を持たせるいい本でした。しみじみ。

……なんて、
言っている場合じゃない!!

一気に胸に立ち込めてくるものは、
霧か、霞か、靄なのか。

フロッグ?ミスト?はたまたはたまた。
どうして我が家にその本がない?

すっきりしない一日が寝る直前まで続くのでした(明日も続くかもしれない)。

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