日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

調子に乗りすぎた(お財布編)

2009年12月05日 | お仕事な日々
月2回ほど、
指名をもらって仕事に行っているところがある。

とはいえ、所詮よそ者。

挨拶は交わすものの、
普段から、取り立てて、誰とも会話をすることはない。

が、ただひとつ、
「あ、これ言いてぇ~」と
密かに思ってる事があった。

お昼ごはんの時、同じ時間に
休憩室でごはんを食べるあるパートさんの
お財布が、
私のお財布と同じ柄ではないかいな。

「同じですね」とたった一言いいたいのだが、
なんだか。どうも。

グループ(?)の中で、和気藹々とおしゃべりしている人に、
たったこれだけのネタをしゃべるがために、
割ってはいるほどの大胆さも、
そこまでの意欲も、ない。

ずるずると日々は過ぎていっていた。

が、ある11月の金曜日。
チャンスがとうとう訪れた。

帰り支度をしているところへ、
同じように帰り支度をしに、
同じ財布柄のパートさんが更衣室に入ってきたのだ。

1対1なら、頑張れる。

「おつかれさまです」と挨拶を交わし、そして沈黙。

だが私は密かに狙っていた。

ナチュラルに、財布の柄を、
あたかもたった今、初めて見たかのごとく、
気がつく小芝居をして、
「同じ柄です!」と、そのことだけを言うタイミングを。

そして、その瞬間は訪れて、
「いやっ!ほんまやわ~!」と、
そのパートさんに言わしめた。

そうよ。そうよ。そのリアクションが欲しかったのよ!!

やっぱり、女子にとって、
共感性は幸福感を呼ぶ鍵だわ!

厳密に見ると、
柄は同じ財布でも、
私のは、小銭部分ががま口で、
パートさんのはチャックになってたりしたけれど、
その差異が知れたことも、何故か嬉しく。

「この財布ね、娘がプレゼントしてくれたの」
と、教えてもらえたことに対しても、
「あぁ、神さま、いいんでしょうか。ワタクシがこんなことを知ってしまうなんて」
と、謙虚さを通り越して、天を仰いでいる始末。

だが天まで昇れば、反動で、
地に戻るというのが、常。

「その娘さん、なかなかセンスがいいっすよ!!」

と、あたかも、馴れ馴れしく、
親しいクラブの先輩に話しかけるかのごとく、
言ったら、

「……」

沈黙された。

わーん!わーん!わーん!
どう返事していいかわからないこと言って(言い方をして)、ごめんなさーい!!

そそくさと「おつかれさまです」を言って、
私は逃げるようにして、更衣室を出た。

でも、
伝えたいことは伝えられたのだ。すっきり。

それからも、私は、
月二回ほど、そのスーパーで仕事をし、
休憩室でお弁当を食べ、
パートさん達の雑談を聞いたり聞かなかったりしている。

でも、今は、
つい、言いたくなることに、
気がついたら、(私の中でいろいろ)大変なので、
ケータイのゲームに集中するよう、努力している。

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