河南省の民族衝突(漢族vs回族)については今月3日にもう書いているのですが(※1)、某巨大掲示板の某スレでこのテーマについて問われたとき、それを叩き台にしてレスをつけたんです。そしたら叩き台があったからなのか、そっちの方が何だか短切にまとまっていて良く思えるのです(ええ、もちろん私にとっては、ということです)。
という訳で、捨ててしまうのも勿体ないのでそのレスに一部加筆&改行修正を加えたものを置いておきます。
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回族というのは、確かウイグル族とは違いますよね?顔を見ただけでは漢族と見分けがつかない、と今回の報道のどこかで読みました。私には回族との接触経験がない(あったとしても気付いていない)ので、回族については特に何の印象も持っていませんでした。
今回の河南の事件、発端は諸説あるようで、私にもどれが正確なのかわかりません。ただ、死者7名・負傷者42名・逮捕者18名という事件が起きたことは当局も認めています(民族衝突説は断固否定中)。事件があったことを認めているなら、これほどの惨事、国内でも報道すればいいんですけどね(笑)。
まあ当局発表で死者7名なら、実際は倍か5倍か10倍か……というところでしょう。
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それにしても、今回の事件を通じて、漢族がどう思っているにせよ、回族の方にはマイノリティとしてのストレスが予想以上に蓄積されていたことがわかりました。
あとは、マイノリティとしての強固な団結力と非常によく機能する情報網・連絡網。――これには中国指導部も驚いているのではないでしょうか。私は冗談でなく「いざ鎌倉」(※2)という言葉を思い出しました。
しかもチベットとか新彊のような辺境ではなく、中原にそういう「戦闘的な組織」が即応態勢で存在しているというのは、中共にとってある種の脅威でしょう。
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事件が外電を通じて世界に報じられたことも中共にとって痛いでしょうけど、「とうとう事件が起きてしまった」という事実がより尾を引くことになるかも知れません。
とは、この事件によって回族は心をたぎらせ始めただろうということです。
河南、河北、山東、寧夏……あるいはそれ以外の地区も対象に含まれるかも知れませんが、それまで休火山として手当てしておけばよかった「回族問題」が、事件が起きてしまったことで、いつ噴火するとも知れぬ「活火山」に昇格を果たした、と言えるのではないでしょうか。
私にとっては、中国における深刻な対立軸がまたひとつ増えた、というのが率直な感想です。これでいよいよチナヲチが難しくなります……。
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【※1】「続・河南省の民族衝突事件(漢族vs回族)」(2004/11/03)
【※2】いやいや、別に私が御家人だからというオチではありません。鎌倉時代のそれではなく、私は内職に楊子削りをする下級幕臣の方ですので。
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