日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 また、大雪の話をしなければなりません。

 ●武漢が大雪で大停電,物価高にも拍車か。(2008/01/23)
 ●大雪で電力不足・上:13省市がレッドゾーン突入!(2008/01/25)
 ●大雪で電力不足・下:これって「胡錦涛政権 vs 既得権益層」?(2008/01/25)

 ……と、お雪さんの話は3回も書いているので私自身が食傷気味なのですが、
「電力不足さらに深刻に」「流通ルート寸断」「早くも物価上昇」などと事態が拡大・深刻化へと動いているのでスルーする訳にもいかないのです。

 中国の大雪はもう峠を越えたものと私は勝手に思い込んでいて、それでも「家に帰るまでが遠足」だからと関連記事を一応片手間に拾っていたのですが、何と昨日(1月27日)あたりから
最高レベルの大雪警報が出て文字通り「レッドゾーン突入」な地域が続出し始めました。

 いまがピークなのかこれからが本番なのか、とにかく「常ならぬ大雪」などと形容して3回も書いた時期は前座に過ぎなかったようです。

 こうなると書かなければいけない話が色々出てくるのですが、どこから手をつけたらよいのやら。……まあ気象概況から入りますか。

 北京の中央気象台が27日昼近くに出した予報によると、29日までの間に大雪なり豪雨に見舞われる可能性のある地域は湖北、安徽、湖北、湖南、江西、貴州、雲南、青海、山西、河南、浙江、上海、広西、チベット、新疆など……要するに
中国東北部などを除いたほぼ全域にまたがる広範囲の悪天候ということです。

 27日夜には湖南、湖北,河南、安徽、江蘇、浙江、貴州、江西、広西といった各地区の一部または全域を対象に最高レベルの豪雪紅色警報が発令されています。このうち安徽省、湖北省、湖南省、貴州省あたりが今回の大雪で最も被害の出ている地域です。

 ●「中国新聞網」(新華網 2008/01/27/1:23)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2008-01/27/content_7501866.htm

 ●「中国気象局HP」(新華網 2008/01/27/23:58)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-01/27/content_7508258.htm

 ――――

 かくも広範囲が大雪に見舞われていますから、交通機関はあちこちでマヒしています。北京から南部~西部方面へと伸びている鉄道や高速道路が雪害で寸断されており、大袈裟にいえば鉄道と幹線道路は半身不随状態。何といっても旧正月(旧暦の元日は2月7日)を控えた帰省ラッシュのピーク時という最悪のタイミングで、地域によっては「半世紀ぶりの降雪量」となる豪雪です。

 とりあえず本日(1月28日)未明の段階では広州・深セン方面から上海・北京に北上するルートも内陸の湖南・湖北・貴州・四川といった各省に至るコースも、空の足を含めてほぼ全面ストップ。帰省列車に乗り継ぐべく広州駅までたどり着いた出稼ぎ農民など帰省組がそこで足止めを余儀なくされ、昨日時点で実に60万人が広州駅周辺に座り込み→野宿状態となっています。

 地元当局では駅前の一角を区切って野宿組のためのスペースを定めるとともに帰省を諦めるよう旅客に呼びかけ、広州近在であろう出発地までの無料便を準備する一方、帰省用の乗車券の払い戻し作業をスタートさせています。……この意外な手際よさは、帰省ラッシュ期に事故などが発生して混乱した場合を想定した最悪レベルの対応策を発動させたためだそうで、最悪のタイミングのおかげ、ともいえる皮肉な結果となっています。

 大雪で旅客機が飛べないのは当然として、高速道路もあちこちで通行不能となっており、ようやく開通作業が終わったと思ったら今度は別の場所が不通に、といった事態が各地で発生しています。幹線道路は湖北、江蘇、浙江の各省あたりでの被害が大きく、安徽省のように省内の高速道路が全面閉鎖となっている深刻なケースも。当然ながらマイカーや長距離バスはもちろん、貨物輸送面でも大きな影響が出ています。

 ●「新華網」(新華網 2008/01/27/23:52)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-01/27/content_7508259.htm

 ●『明報』(2008/01/28)
 http://hk.news.yahoo.com/080127/12/2nwtz.html

 ●『香港文匯報』(2008/01/28)
 http://paper.wenweipo.com/2008/01/28/CH0801280001.htm

 ――――

 で、当ブログでは今回の大雪から発電用石炭不足→電力不足→停電など電力供給規制へとつなげる切り込み方をした訳ですが、雪害の深刻化で石炭輸送が滞っているため電力供給への影響もいよいよ深刻化。石炭火力発電所の備蓄石炭が底を尽いたことにより27日午後の時点で、中国全土で全力発揮時の5.6%にあたる3990万kw分の石炭火力発電施設が稼働停止に追い込まれているそうです。

 石炭不足の一方で、大雪による送電線や高圧鉄塔、送電・変電施設への被害も出ており、時限停電や全面停電といった給電規制を敷いた地区は17省(自治区・直轄市)に拡大しています。

「22日午後から23日かけて、一時は省内17県が停電するという大変な状況だったようですが、24日10時の時点で電力供給が回復していない県を10県にまで減らすことができたとのこと」

 と以前のエントリーにて紹介した貴州省などは逆に被害が急増して、省内41市・県が停電状態。これは給電規制ではなく雪害による送電不能が原因です。

 その石炭不足を解消するため国務院(中央政府)の温家宝・首相を筆頭とした各部門、例えば経済運営を司る国家発展改革委員会や輸送担当の鉄道部・交通部から電力部門の元締めである国家電監会、そして闇炭坑や余分な炭坑の閉鎖を督励して回った国家安監局に至るまでが声を揃えて「石炭を掘れ」「石炭を運べ」の大合唱。

 とはいえ輸送路が確保できないため石炭供給は思うにまかせず、全国の石炭火力発電所における石炭の総備蓄量は25日時点で2142万トンと、正常時の半分にも満たないレベルです。

 石炭備蓄量が3日分にも達していない発電所は89カ所・7795万kwに及び、これは全国の発電施設をフル稼働させた場合の1割を超える数字というのですから尋常ではありません。地区でいうと上海市の備蓄量が3~4日分、江蘇省が4日半、山東省は8日前後とカウントダウン状態。さらに水不足と渇水期の影響で水力発電所の一部が稼働できなくなっていることも電力事情の悪化に拍車をかけています。

 このほか、高速道路が全面閉鎖状態である安徽省の省都・合肥市で補充が続かなくなったためにガソリンスタンドの大半が閉鎖状態。湖北省・武漢市では凍結した水道管が破裂して市内の大半が断水状態に陥り、とかした雪で渇を癒す市民が出る有様(赤痢が心配)。また湖南省・長沙市では雪害で地元テレビ局の放映が一時中断するといった事故が発生しています。

 ●「中国新聞網」(新華網 2008/01/27/23:59)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-01/27/content_7508260.htm

 ●『香港文匯報』(2008/01/28)
 http://paper.wenweipo.com/2008/01/28/CH0801280016.htm

 ●『明報』(2008/01/28)
 http://hk.news.yahoo.com/080127/12/2nwu2.html

 ――――

 もちろん雪害による家屋倒壊など住民への被害もあり死者も出ていますが、それらは瑣事としてスルー。それよりも流通の混乱による物価高が早くも顕在化しています。

 北京市では広東省など南方からの野菜供給が滞っているため、キュウリや柿などがこの1週間近くの間に30%前後も値上がり。豪雪は暫く続くとの予報から、旧正月期間中も高値が続くものとみられています。

 南京市では卸売市場における野菜の取引量が供給不足により通常の一日600余トンから26日には200トン近くへと急減。パクチョイ、ホウレンソウ、ニンニクなどの野菜は軒並み高値をつけており、25日には500g0.3元だったパクチョイの卸値が26日に同1~1.1元へと暴騰しています。昨年から値上がりが続いている豚肉は地元の備蓄分から1500トンを適宜投入することで当分しのぐ構えですが、ホウレンソウなどの生鮮野菜や淡水魚、生卵などは外地からの供給に頼っている部分が多いため関係者は頭を痛めているとのこと。

 広東省の広州市でも豚肉やコメなど近隣各省からの供給が大幅減となっているためこちらも高値基調。野菜・肉類とも通常の3~4倍に急騰しています。湖南省や湖北省からの豚肉やホウレンソウ、白菜の入荷が交通マヒの影響で大幅に減少しており、このうち湖南ブタは3日連続の入荷ゼロ。白菜の取引量は26日が27kgと通常より20kg減。このために白菜は1kg0.4元だったのが1.5元にまで値上がりしています。

 ●「新京報」(新華網 2008/01/27/08:18)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2008-01/27/content_7501082.htm

 ●「東方網」(新華網 2008/01/27/11:51)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2008-01/27/content_7501935.htm

 ●『東方日報』(2008/01/28)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c03cnt.html?pubdate=20080128

 ――――

 広東省が「大雪物価」になると、生鮮食料品は主として同省からの輸入に頼っている香港にもそれが飛び火することとなります。このうち豚肉は輸入元の6割を占めていた湖南、湖北,河南、浙江の各省がいずれも雪害で大きな被害を受けた地区ばかりのため、ここ3日間供給がストップしており、価格はふだんより20~40%高。小売値(街市)だと500gで32~40香港ドルとのこと。

 業界関係者によると、旧正月を控えた歳末商戦のこの時期、香港では例年、1日平均で最低でも4500頭分の豚肉が必要とされるところ、ここ数日は他の輸入分や自給分を含めても3300~3900頭しかないと指摘し、この状態が続くようだと値上がりはさらに続くとの見方を示しています。

 一方、江西省、湖南省から広東省を経由して入荷される野菜も雪害で農家の出荷量が大きく減っており、香港への輸出量も16%減。このため品目により多少バラつきはあるものの、概ね普段より3割から5割高い値段になっています。鶏卵は1個0.7~0.8香港ドルだったのが、27日には1個1香港ドルへとこれも値上がりしています。

 さらにこの鶏卵、そして中国からの輸入総量規制が行われている小麦粉の高騰は製麺業の生産コストを押し上げており、生麺・乾麺とも小売値は20~25%値上がりしているとのこと。

 ●『大公報』(2008/01/28)
 http://www.takungpao.com/news/08/01/28/ZM-856899.htm

 ●『明報』(2008/01/28)
 http://hk.news.yahoo.com/080127/12/2nwtz.html

 ●『東方日報』(2008/01/28)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_a07cnt.html?pubdate=20080128
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_a15cnt.html?pubdate=20080128

 ――――

 ところで、「石炭確保を急げ」という中央から電力業界に出された指令(27日)には、



 ●電力企業は党中央および国務院の指令を真剣に貫徹し、社会的責任感と大局意識を高めること。
 ●各発電企業は安全かつ安定した操業を維持し、大局に従って、指導・規律を厳格に守ること。

 ●「中国新聞網」(新華網 2008/01/27/23:59)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-01/27/content_7508260.htm




 という文言が盛り込まれています。「大局」とは全国的視点での判断を優先させろ、という地元優先意識を戒める言葉です。「社会的責任感」というのは業界エゴに走るな、ということでしょう。要するに、

 ●何事も地元優先で事を運ぶ。
 ●業界の利益を優先して社会への影響に顧慮しない。
 ●操業に際しては中央からの指示に必ずしも従順ではない。

 といったことが電力業界では現実に行われているということでしょう。これは先日のエントリーで紹介したように、

「寡占・独占体制に甘えてやりたい放題だった既得権益層」

 という体質が電力業界にあることを中央が指弾したものとみていいかと思います。胡錦涛・温家宝がガツンと浴びせたことになるのですが、これに対し電力業界がいつもの面従腹背を行わずにちゃんと帰順するかどうかは興味深いところです。

 ――――

 これまた先日のエントリーとやや似た内容になりますが、
「電力不足は独占体質が生み出したもの」という論評記事も登場しています。

 ●「中国経営報」(新華網 2008/01/27/15:41)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2008-01/27/content_7502558.htm

 今回の電力不足問題は決して常ならぬ大雪だけが原因ではない、とするもので、より大きな要因として「独占体制」を指摘しています。

「競争にさらされることのない環境(独占体制)で自らに甘く臨んできた体質(独占体質)が、石炭火力発電に関わる業界に染み付いている。それが最大の原因だ。今回は記録的な豪雪がたまたまそれをあぶり出してくれた。この独占体制と独占体質を改めない限り、同じことはまた起きるだろう」

 という趣旨です。「石炭火力発電に関わる業界」とは発電業界、電力業界だけでなく、炭坑業界とその地元当局、そして石炭を輸送する鉄道部なども含まれ、いずれも業界エゴを通すことで石炭火力発電の歯車がうまく回らなくなったとし、その実例として不合理な運営体制を挙げています。……とは、

 ●石炭価格決定メカニズム
 ●石炭輸送体制
 ●石炭火力発電所の稼働量と石炭備蓄量
 ●電力供給体制

 などであり、各業界がそれぞれ我を通したことで石炭火力発電体制が歪んだものとなり、そのため豪雪に対し予想以上に脆かった、と分析しています。特に今回の雪害の被害地区が主として石炭生産地でなかったことで、その歪みがより明確に現れたとのこと。

 炭坑業界とその地元当局の「エゴ」と電力業界の「思惑」については先日のエントリーでふれた通りですが、鉄道部の「独占体質」についてこの記事は、

「旧正月の帰省とUターン期の大混雑は毎年指摘されているのに、一向に改善される気配がない」

 として、競争相手がいないのをいいことに鉄道部が事実上聞く耳を持とうとしないのだ、と鋭い一撃を浴びせています。もし今回の事態に際して「胡錦涛政権 vs 既得権益層(電力業界)」という一面があるとすれば、この記事は胡錦涛側の言い分を代弁しているかのような内容といっていいでしょう。

 ――――

 それにしても今回の混乱は、肝心の豪雪がもうしばらく続きそうな見込みだけに、電力事情はもちろん、貨物輸送ルートの復旧といった問題がいつごろ解決するのか未だ不透明です。農家の受けた打撃、生産・輸送コストの増大、商品供給量の大幅減などによって、この雪害が短期的にも長期的にも物価を押し上げる強力な要因となることは間違いないでしょう。

 そして社会不安を呼び大暴動発生。……てなことにはならないと思いますけど、地方当局自らが「石炭強盗」になる可能性は決して低くないかも知れません。

 石炭産出地区から目的地へと向かう貨物列車が、途中で通過する地域に設けられた「検問」で停車させられ、番をしている地元の武装警察が、

「貨車一両分の石炭を置いていけ。さもなくば通さない」

 と脅し上げて石炭を強奪するというものです(笑)。

 ……いや、これは冗談ではなく、1980年代末の経済過熱期には実際に各地で発生していたことです。私がチナヲチ(素人の中国観察)から離れていた1990年代の過熱期にもたぶん起きていたのではないでしょうか。

 駐在経験のある方なら御存知でしょうが、現地では外資企業に対して地元当局が違法な賦課金を徴収する
「灘派」(tan1pai4)という行為が日常的に横行しています。資源争奪戦が苛烈な段階に入るとあれが大がかりになる。……ただそれだけのことです。




コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )



« あーあ開き直... 【昔07】「激... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (sdi)
2008-01-28 16:45:18
積もった雪は、禿山で保水力がないから融けたら一気に川に流れ込むことになる。まあ、豪雨のように急激な濁流とならないから、下流にすむ人々にはありがたいだろう。河川の流量が増えるから春から夏にかけて水質が多少とも改善されるのではないだろうか。
 
 
 
やばいっすね (古雑巾)
2008-01-28 16:49:05
いつも楽しくは意見させて頂いております。
じつは私、海運業界のある一角を占める外資系に勤めておりますが、本日来ました上海事務所からの告知。

「Heavy Snowstormのせいで、主要港湾へ通じる道路が不通、または閉鎖されているので云々」

ですって。

不足する石炭を手当するために輸送船を手配しても、既に輸送ルートがないってことですね。
 
 
 
ついでに (古雑巾)
2008-01-28 17:08:47
( ;`ハ´) こら小日本、助けさせてやる。

( ´∀`)いままでよく我慢したね。



と、なるのはいつでしょうか。
 
 
 
雪が降らねえかな (五香粉)
2008-01-28 20:53:34
広東省、半端じゃなく寒いです。生暖かい気候に慣れてしまった私には、骨身に凍みる寒さです。本日広州に言って来たのですが、広州東駅の駅頭は、寒さのせいもあるでしょうけど、例年の人の波が少なかったです。寒さと霧雨で、高層ビルの上が雲の中に入っていました。いつもこのぐらい寒いと、空気が綺麗になったような気がしていいかも。
 
 
 
回りきれない (海底ロンメル)
2008-01-28 22:53:16
すごいですね。
大雪もなんですが、その報道。
紹介されているサイトからリンクをたどったのですが途中であきらめました。多すぎます。
sdiさんもコメントしてますけど、今後の降雪量が増加したら、春になって暖かくなった時、大変なことになるんじゃないですか。
どうも普段雪が降ってない地域にも降ってるみたいだし、それが一気に溶けると洪水になる可能性はありますよ。雨が降ると融雪と合算された降水量になるんです。雪ダムの発生も考えられる。
お、報道ステーション12人死亡、交通に大きな障害、ありゃもう終わった。(20:46ごろ1分あったかどうか)
ほんと、日本の大手メディアはほとんど報道しませんね。
 
 
 
予想というより妄想ですね (sdi)
2008-01-29 11:47:06
あれからしばらく考えてみました。
今回の豪雪、ひょっとしたら後に北京五輪(辛うじて)成功の原因の一つに数えられるんじゃないか、と妄想してみました。

・黄河、長江などの主要河川の流量増による水質の改善と水不足の緩和
・大気中の有害物質(特に石炭由来の煤煙)のかなりの量が地面に降下し、大気の状態が改善。
・採炭、電力業界の諸侯ぶりが満天下にさらされた。
・一時的にせよ、石炭消費量が激減して有害物質の新規発生も減退

ただ、海底ロンメルさんのコメントのとおり雪解水が原因での大洪水が発生したら上記の利点は全て消し飛び北京政府は治水の責任を問われますね。地域によっては「春窮」の事態になりかねません。



 
 
 
sdiさんへ (御家人)
2008-01-29 19:51:59
 雪が融けてどうなるかといったことは残念ながら私にはわかりません。雪解けのころに特大豪雨があれば洪水ということも考えられるのでしょうけど、華東水害くらいの規模であれば中国指導部は北京五輪を強行開催すると思います。まあ今回の被災地区は北京から遠いところなので、水害になっても「遠いところの話」で片付けてしまうでしょう。……あ、重慶とか武漢とか長沙とかでも競技をやるのならちょっとわかりませんけど。

 私はむしろ豪雪の影響が経済・社会の両面に出て、それが政情に反映されてどんな化学変化を起こしていくかに興味があります。まずはインフラの復旧と「豪雪物価」の抑制、これだけでも今年の中国経済にとっては大きな負荷になるでしょう。石炭増産を慌てて再開して死者3ケタの炭鉱事故続発、なんて可能性もあるかも。まあこれは散発的に火花が散る程度のものですが。でも、もしここで山西省にも深刻な自然災害が発生したらこれはもう天意ですね(笑)。

 それから責任問題はどうなるんでしょうね。呉儀なんかは「これは天災であって人為的なものじゃないから」とか早々と決めつけちゃっていますけど、これでは胡錦涛の構造改革(既得権益層退治)は難しいと思います。早々と決めつけてみせなきゃならないほど社会不安の気配を感じているなら、それはそれで胡錦涛政権にとってはマズい状況ですね。趙紫陽を失墜させたスーパーインフレ20周年記念で何か仕掛け花火でも準備されてたりして。
 
 
 
古雑巾さんへ (御家人)
2008-01-29 19:52:57
>不足する石炭を手当するために輸送船を手配しても、既に輸送ルートがないってことですね。
 目下のところそういう状況のようです。これが旧正月まで続きそうな気配が強まっているので相当難渋しそうですね。あと交通部が外洋船を国内の石炭輸送に転用しているみたいですけど、一体どういった航路で働かせているのか興味があります。記録的低水位の長江を遡らせるつもりなんでしょうか?
 
 
 
五香粉さんへ (御家人)
2008-01-29 19:53:44
 いつも現地レポートありがとうございます。m(__)m

 広州はいま10度以下だそうですから相当寒いでしょうね。私はもう10年近く広州に行っていないのでわかりませんけど、50万だか60万だかの出稼ぎ農民が足止めを喰らって野宿しているのは広州駅ではないでしょうか?あそこは駅前広場に地元のエスペラント語協会が案内所のような小屋を設けていたのですけど、いまもあるのでしょうか……。

>いつもこのぐらい寒いと、空気が綺麗になったような気がしていいかも。
 ああそれはいけません!香港人が「空気をきれいにする」と言って夏場にクーラーをギンギンにしているのは正にその迷信のせいなのです。絶対に入信しちゃいけませんよ(笑)。
 
 
 
海底ロンメルさんへ (御家人)
2008-01-29 19:54:18
>すごいですね。
>大雪もなんですが、その報道。
>紹介されているサイトからリンクをたどったのですが途中であきらめました。多すぎます。
 私が毎日泣きながら記事漁りをしているのが御理解頂けたかと思います(笑)。でも当ブログの素材になるのは集めた記事の1割あるかないかくらいです。「一応後々ために押さえておくか」「これはひょっとすると」「家に帰るまでが遠足」といった取り越し苦労を繰り返していることになるのですが、これは性分ですから仕方がありません。

 いまは特派員が現地入りするのも大変でしょうけど、日本のマスコミは豪雪を香港を含めた物価上昇に結びつけて報じてほしいものです。いや、何だかんだ言いながら色々輸入しているのでたぶん日本にも影響が出ると思うんですけどねえ。
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。