日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)




  別に暴動ニュースが好きな訳ではないのですが、最近多いですし、一報した件について続報が出れば、やはり黙っている訳にはいきません。

 あ、前回(※1)お伝えした広東省掲陽市の焼き打ち事件についてです。同市当局は公安・武警を総動員して厳戒態勢を敷いているようですが、広東省となれば香港紙の出番です。香港の記者といえばパパラッチに負けないエゲつなさがウリで、かつては江沢民をマジ切れさせたほどですから、何とかしてくれるのではないかと思っていました。

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 昨日は「大紀元」の後追いに終始した感じですが、今日(16日)の『明報』はどうも潜入に成功したようです。
 http://hk.news.yahoo.com/041115/12/16qhb.html

「料金所は村民らの焼き打ちによって無惨な姿となっていたが、通行料徴収は続けられていた」
 とのことです。記事としてみれば速報性と焼き打ち事件以外の事例にも詳しく触れて、問題の根が深いことを示した「大紀元」の報道(和訳したやつです)に軍配が上がりますが、この『明報』も新情報を提供してくれています。

 それによると、掲陽市と榕華大橋で結ばれている仙橋鎮、ここはもともと農産物と手工業でそれなりに頑張っていたようなのですが、市内に入るたびに通行料を徴収されるため、コストに響いたのか次第に振るわなくなってしまったとのこと。で、嫌気がさして村を離れて深センや広州にに出ていく者が相次ぎ、結構成功した人がいるようです。

 仙橋村はといえば元々人口20数万の村(※2)なのですが、たくさんあった手工業の作業所がいつの間にか姿を消していって、今では工場ひとつない有り様。これではジリ貧一方だということで、村民と外地で活躍する仙橋人が金を出し合って数百万元を集め、これを市政府に献じることで、今年10月末日を以て通行料徴収を取り止めにすることで話がつきました。

 ところがその期限を過ぎても通行料徴収が行われたほか、レシートすら出さないということで農民の不満は高まり、前回紹介したような暴動が発生したようです。ちなみに『明報』の記事によると、当局は鎮圧に際して武警と防暴警察(機動隊)を投入し、百発を超える催涙弾を放つことで騒ぎを鎮めたようです。

 で、この暴動を重くみた、というよりびっくり仰天した広東省党委員会が調査チームを現地に派遣、14日からあれこれ調べているようです。仙橋村民から出た数百万元は返還されるとのことです。

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 一方、同じ香港紙で四川省の漢源暴動ではなかなか活躍した『太陽報』ですが、こちらはどうも地元当局への電話取材でお茶を濁しているようです。
 http://the-sun.com.hk/channels/news/20041116/20041116012027_0001.html

 橋は警備が強化され、警察車両が常駐して半ば検問のようになっていること、五人が逮捕されたこと、榕華大橋の通行料徴収は広東省政府からも承認されている合法な行為であること……など、まあ一応仕事はこなしている訳ですが、もう少し働いてほしかったですね。
 どうでもいいことですが、この日の『太陽報』には知人が写真入りで出ていたので驚きました。

 あ、あとこの事件をスクープした「大紀元」ですが、簡単な続報が出ていました。それによると中央も事件にびっくり仰天したとのことで、やはり調査チームを現地に派遣したようです。広東省の調査チームと喧嘩にならなければいいですねえ。
 http://www.epochtimes.com/gb/4/11/15/n718709.htm

 中央も乗り出したのなら後刻何らかのお裁きが下るのでしょうが、このままだと農民の不満は蓄積される一方のように思います。
 調査チーム、暴動以前にいろいろあった事件(※1)についても気付いてくれるといいのですが。


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【※1】「広東省掲陽市で暴動、建物や消防車など全焼」(2004/11/14)参照。
【※2】村で20数万の人口を擁するとはすごいものです。行政単位が日本とは異なるのでしょうが。


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