今日も今日とて仕事に追われています。御家人(二四型甲)です。きのう息抜きに散歩した際ふと老舗の呉服店に立ち寄ったら掘り出し物があって喜々として購入。零戦でいえば機体はそのままですが武装のバリエーションが増えたので「甲」をつけておきます。
仕事は前後半90分が終了して延長戦突入前、つりかけた足をトレーナーにほぐしてもらっているところです。忙しいといっても旧正月手前の年末進行よりは楽ですし、馴れ合いで仕事をしているような取引先なのでそのくらい気を抜くことは許されます(と私は勝手に考えていますw)。
年末進行は副業が特に苛酷でコラム原稿を落とすと雑誌全体の制作作業に支障をきたすのでマジで必死です。落としても自社広告でカバーしてくれるでしょうけど、正月号という縁起物ですから顔見世興行に穴をあける訳にはいかないのです。
そういうプレッシャーがない分、また心安い相手でもあるので日本の仕事は忙しくてもまだ楽です。もちろんゲームクリエイターと違って締め切り厳守はお約束。もうすぐマスターアップです。
李登輝さんのオーラを間近で浴びてから日課になった墨堤散歩、墨堤とはいえ狭義でいうとずっと川下の方ですし、散歩といってもありていはウォーキングもどきで海坊主がヘルシアウォーター片手に必死の形相&汗だくで歩いているのですが、これも当然のように休んでいません。
歩くと嘘のように体重が落ちていくので、自分はよほど余計なものを体内にため込んでいるのだなと思います。いやこれは死にかけている予兆ではないか、などといったことは考えないようにしています(笑)。一応医者の許可をとって歩いているので大丈夫でしょう。たぶん。
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さて、中共系メディアがタイトルの通り空母空母の大連呼と相成りました。きのう(8月21日)のことです。これは人民解放軍の海軍史の転換点ともいえるのではないかと思い、簡単に関連記事だけをピックアップしておきます。
●海洋経略の新趨勢に注目し、海軍変革の推進を(新華網 2007/08/21/10:23)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-08/21/content_6574579.htm
人民解放軍の機関紙『解放軍報』に掲載された論文ですが、ある意味記念碑的な価値を持つものではないかと思います。
「経済のグローバル化は海洋を世界的な物流・輸送の場としてだけではなく、人類が今後も発展していく上で資源やエネルギーを提供してくれる広闊な領域にした」
という一節が冒頭にありますが、そういう能書きはともかく、国際社会における「極」のひとつとして覇を称えるには制海権・制空権が必要不可欠、という当たり前のことに中国がようやく気付いた(笑)、あるいは制海権・制空権確保に動けるだけの余裕が生まれたことを示したものとして画期的です。
むろん似たようなことは以前からたびたび言及されてはいましたが、今回の論文は「制海権・制空権とるぞ宣言」といった色を帯びているところに新しさを感じます。専門家ではなく一般国民に向けて書かれたかのような内容です。そのために噛んで含めるような部分もあり、至れり尽くせりとなっています。
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そして航空母艦の話になります。
短期間に似たような話題の記事を集中豪雨的に流して一種のキャンペーンを張るというのは中共の常套手段。7月には党大会に向けた意思統一・異論排除を目的に胡錦涛礼賛報道が一定期間続けられました。
今回は空母です。1日だけの大洪水となるのかどうかはわかりませんが、集中豪雨であることは確かです。大雨を降らせているのは国営通信社である新華社(その電子版が新華網)。要するに当局の意思を感じます。ただし使われている記事は全て『北京日報』から引っ張ってきたものです。
●航空母艦の道(新華網 2007/08/21/16:52)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-08/21/content_6576921.htm
空母の歴史を紹介する豆知識的な内容です。空母ことはじめ、ということで日本海軍の『鳳翔』も登場しますし、航空主兵を全世界に知らしめた真珠湾攻撃やミッドウェー海戦も出てきます。
「第二次大戦中の改装空母(特設空母)は米軍が122隻、英軍が69隻、日本軍が28隻」
なんて記述もあります。そのあとは現代の話となり、米海軍の空母戦闘群の編成とか空母の名前などに言及しています。
「大国たるには空母を持たなきゃ」
と言いたいのかも知れません。
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●米英仏が新空母建設(新華網 2007/08/21/16:51)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-08/21/content_6576918.htm
これは空母のハイテク化が進んでいる、米英仏がその先頭を走っている、という記事です。
「中国もうかうかしちゃいられないよ」
との読後感を与えるためのものかと思います。文末に「世界各国現役空母一覧表」なるものが付されており、保有国、保有数、排水量、種別(大中小)、搭載機数が並んでいます。米国12隻、ロシア1隻、英国2隻、フランス1隻、ブラジル2隻、イタリア1隻、スペイン1隻、インド1隻、タイ1隻とのこと。
「海洋大国を目指すなら中国も空母を持たなくちゃ」
と言いたいようです。
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●今後10年で中国周辺海域の空母は18隻に(新華網 2007/08/21/16:45)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-08/21/content_6576879.htm
最後はお約束の内容です。
「日本が『準空母』5隻で遠洋艦隊再編を目論んでいる」
「ロシアが6コ空母戦闘群の編成を目指す」
「インドは3コ空母戦闘群編成を計画」
「韓国が軽空母3隻の建造を計画」
「小型だがタイも空母を持っている」
ということで、「中国も空母を持たないと出し抜かれる」「周辺国の状況から空母は絶対必要」という陰の結論に落ち着きます。
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……とまあ、かような詰め合わせセット。その先触れとして前回紹介した、
●中国の空母プロジェクト始動、まずは2隻建造……『漢和』報じる(人民網 2007/08/20/10:04)
http://military.people.com.cn/GB/8221/72028/76059/76404/6136290.html
という外電専門紙『参考消息』の非常に具体的な記事があります。同紙が色物系外電紹介路線に転じたのならともかく、私が留学していた当時のように、
「『参考消息』に出たから本物だろう」
というポジショニングを守っているのなら、
「それじゃパパ空母造っちゃおうかなーそろそろ」
ということになります。国民に向けたメッセージであることがミソ。きょう(8月22日)以降の関連報道にも注目していきたいところです。
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それにしても平和を象徴するスポーツの祭典・オリンピックの北京開催を来年に控えているのに随分剣呑ですね。軍拡路線はともかく、この時期に平気で空母空母と唱える剣呑さは軍部主導であるゆえかと思います。
いまから建造したって間に合う訳ではありませんけど、台湾問題に対する一種の焦りも反映しているのかも知れません。
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http://4travel.jp/traveler/tongminru_shanghai/album/10073259/
公式サイトはこちら。
http://www.ogb.com.cn/indexen.asp
あの国は海の上より内陸を治めるほうが先だろ、と思うんですがねぇ。あんまし海の向こうばかり見てると、そのうち背後からバッサリ切られるんぢゃないですかね。てかそうなって欲しい。なってくれ。頼む。(^^;;
http://obiekt.seesaa.net/
タンカーも作っているわけだし
問題はその後
ぜひバシバシ空母作って財政破綻するか、潜水艦や戦闘機買う金がなくなって欲しいもんです。
空母を運用する際は一年一兆円ぐらい必要と聞いたことがありますが、人件費の安いシナと言えども費用は千億の単位で必要でしょうし、建造費だって似たようなものでしょう。どこからその費用を出すんでしょうねえ…。ってここで日本のODAが使用されるんでしょうか。自分の国を脅かす軍拡にお金を出すのは日本ぐらいですよ。
もっともフランスもロシアもまともな運用が出来ないとも聞きますので運用トラブルに期待。
インドはともかく、それ以外の国についてはどこからそのような話が出てきたのか、あるいは何処の星の話なのかと首を傾げざるを得ない話です。
タイのチャクリ・ナルエベト級に至っては、稼働状態にあるのかすら怪しい状態ですし。
以前から空母を持ちたかったとはいえ、なぜこのタイミングで「空母!空母!」と宣言したのはなぜなのか、興味深いですね。
空母建造のある程度の目処がたったから宣言したとすれば…噂の太平洋分割の話し合いの場で、空母について何か約束を取り付けたのかしらん。それとも、内部に不満が溜まっているからガス抜きとして花火をあげたのかしらん、等々妄想がふくらみます(笑)
そもそも現代戦では空母艦隊vs空母艦隊の戦いっていう戦闘は、全面戦争以外では考えにくいシナリオですから、何も無理して持たなくてもよかろうにとは思いますね。米国と同じ数を持とうと思ったら、どうやっても国が傾きます。
ミサイルで満足しろと言いたいですな。
中国の空母開発に関しては、我々曙機関のブログでもちょっとした考察をしておりますので、是非御覧ください。
http://akebono.iza.ne.jp/blog/entry/199345/
今、資料が手元に無いのですが、中国籍の商船っていうのは意外にその数が多くて、日本を抜いて世界第二位なんだそうですね(ただし、隻数ではなく総トン数だと日本の方が多い。つまり中国は、小舟が多いわけ)。
今や石油だけでなく、食料についても輸入国に転じてしまった中国は、その資源を狙ってアフリカ諸国に急接近している事が報道されています。
となれば中国としては、経済発展の前提となるシーレーンが、アフリカまで伸びてしまった、ということになってしまいます。
このシーレーンの安全を確保しなければ、中国は台湾武力侵攻はおろか、周辺諸国に対する恫喝もおちおちと行なえません(←ここはジョークです)。
もし国際社会から総スカンを食うような行動をとって、シーレーンを遮断されるような事になったら、中国の消費者物価はその瞬間から暴騰し、社会はパニックに陥るからです。
ですから中国としては、なんとしてもアフリカやオーストラリア、中南米諸国との間に引かれたシーレーンを防衛する体制を整えなければなりません。
これが空母建造の動機になっているのではないか、と想像されます。
日本の場合、その長大なシーレーン防衛に関しては全て、アメリカに完全に依存する体制になっています。
そのため日本は、強大な海軍力を持つことから解放されて、経済大国を建設することに精力をつぎ込む事ができています。
もし日本が独自にシーレーンを防衛するだけの海軍力を持とうと思ったら、皆さんも指摘されていますように、世界中どこで何があってもすぐに駆けつけられるだけの外洋艦隊を持たなければなりません。
それは当然、アメリカ(の覇権)に対して過大なプレッシャーを与える事になります。当然アメリカは、それを喜びません。
そのため、アメリカは日本に対してシーレーンの防衛について責任を負わざるを得ない訳です。
そういった関係をアメリカと持ちようが無い中国としては、長大な彼等のシーレーンを防衛できるだけの海軍力を、独自に保持するしかありません。
これは明らかに、『海洋を舞台にした、新しい冷戦』です。
中国は果敢にも(あるいは、無謀にも)、それに挑もうとしている訳ですが、しかし相手は第二次大戦以前から、豊富な戦争体験を持つアメリカの海軍です。
そもそもが海軍というより“沿岸警備隊”程度の経験しか持たない人民解放軍が、実戦経験の豊富なアメリカ海軍に拮抗できるとは到底思えません。
結局中国は、ソ連と同じく軍拡競争に巻き込まれて、アメリカに敗北するしかないのでしょうか。
小日本のヘリコプター搭載護衛艦
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/70772/
「ひゅうが」と命名されたそうです。
五、六年前ホンコンの娯楽企業にスクラップとして売却されて、ギャンブル場として使うような話を聞きましたね~。
艦艇を運用するには「実働」「整備」「訓練」の運用サイクルで分けると空母一隻を常時の兵力として使用するには三隻が必要となります。
これに合わせて搭載機による空母航空団。これも整備は一朝一夕でできるものではありません。
この追いつくに難しい壁を前に、対抗するべく旧ソ連は潜水艦兵力に力を注いだようです。
まぁ、一念発起で作れるほど兵器開発は簡単ではないですしね~。
いいえ、違います。
ここで話題になっているのは、中国が独自に建造しようとしている航空母艦の事です。
(いやあ、なんとなく)
> 23日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーは安倍晋三首相が日米とインド、
>オーストラリアの4カ国の連携強化を呼び掛けたインドでの国会演説について
>「中国なしのパートナーシップを推進」との見出しで批判した。(北京・共同)
とのことですが、中国国内のメディアに何か動きはありますでしょうか?
面白いですね~♪
96年の台湾総統選挙の時、李登輝の再選を阻止しようとして台湾沖にミサイルを打ち込む“演習”を行なっていた中国は、アメリカが第7艦隊の空母2隻を派遣した事によって慌てて“演習”を注視せざるを得ませんでした。
この空母のうち1艦が、『インディベンデンス(独立艦)』という名前だったのも、中国人の被害者意識をいたく刺激したみたいです。
「空母さえあれば」、「空母が無いから……」という感覚は、あの時に広く中国人に浸透したのじゃないかと思います。
中国空母への効果的な対抗策は、日本の造船技術を駆使した『メガフロート』なんじゃないかと思います。
巨大なメガフロートを多数建造して、『災害用救援基地』として台湾やインドネシアなど、中国の潜在的敵国に輸出します。
輸入国はこれを繋いで海上に並べ、災害用非常物資の集積所として使う他、通常は“海上空軍基地”として使用する訳です。
これを導入すれば、台湾のような島国は自国の周囲にいくらでも空軍基地を建設する事ができます。
対する中国としては、弾道ミサイルのターゲットをそれだけ分散させざるを得なくなります。
なにせ『災害用救援基地』ですから、武器輸出と非難される謂われもありません。
不況に苦しむ日本の造船業界にとっては、特需景気にもなるんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう?
私自身も中国に対して向こうから受けている程度の敵意を持っている人間ですが、「中国がまともに空母を運用できる訳がない」という意見は少々危険ではないかと思います。
かつて日本は「イエロー・モンキーが白色人種に対抗できるわけがない」という常識を覆しました。あながち根拠がないともいえない常識です。
そして太平洋戦争を経てアジアは現在の状況になりました。
ですから、「中国が空母を作るのは自滅行為。作れ作れ」という意見も私には危うく感じられます。
必要なのは、中国がそれなりに空母艦隊を運用したときにどれだけリスクを減らせるか?ということだと思います。
もちろんリスクというのは経済的な分も含みますから、こちらも空母を造ろうというような意見には同調しかねます。
そうなると対抗策は古雑巾氏の意見と同じく原子力潜水艦の配備でしょう。
現状ではまず原子力潜水艦を建造できるようにするための世論づくりが急務と思うのですが、どうでしょうか?
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