日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 これは凄いです。パワープレーとかの域を超えています。ここまでやるか、という印象です。行為そのものに限っていえば、「呉儀ドタキャン事件」よりも悪質です。

 日本は舐められていますねえ。

 やや長文ですが一番よくまとまっている『朝日新聞』電子版の記事をば。



 ●日中経済対話 中国、公表文書書き換え 日本側は抗議(asahi.com 2007/12/09/14:33)
 http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200712080226.html

 北京で1日に開かれた日中ハイレベル経済対話でまとめられたプレスコミュニケ(報道文書)を中国側が一方的に書き換えて公表し、これに日本側が外交ルートを通じて抗議、訂正を求めていることがわかった。中国側が公表した文面からは、人民元の為替レート上昇に日本が期待を表明した部分などが削除されている。日本側は独自の中国語版の作成と公表を検討するなど異例の展開を見せ、福田首相の訪中を控える中で、中国側の対応次第では日中間の新たな火種にもなりそうだ。

 いったん合意したプレスコミュニケの文面を一方的に変えて発表するのは極めて異例のことだ。

 同経済対話は北京の人民大会堂に日本の閣僚6人、中国の副首相と7閣僚が集まり、経済問題を包括的に議論。翌2日には日本の5閣僚が中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相と会見し、「非常に成功した」と対話の成果を評価した温首相に、高村外相は「共同文書の発表ができて成功だった」と応じた。

 複数の日中関係筋によると、コミュニケは対話と並行して双方の実務者が検討し、各分野の表現を担当閣僚が了承、完成した。日本側は1日夜、北京で記者団に日本語版の全文を発表した。

 中国側は新華社通信が3日、中国語版を伝え、翌日付の人民日報や商務省のウェブサイトに掲載された。ところが、日中双方の閣僚らが1日の対話で合意した当初の文面から、中国側が人民元の為替レートの上昇に向けて努力することに日本側が期待を表明した部分と、エネルギー憲章条約への中国の参加の意義を日本側が指摘した部分が削除されている。

 人民元の為替レートは、中国人民銀行(中央銀行)の市場介入で低く抑えられているとして、巨額の対中貿易赤字を抱える米国や欧州から批判が根強い。また、エネルギーに関する貿易の自由化や投資の保護について定めた国際ルールであるエネルギー憲章条約については、中国は署名せず、オブザーバー国にとどまっている。

 中国側が削除した部分は、いずれも日本が中国に努力を促すくだり。日本政府当局者は「中国側はコミュニケの作成自体に消極的だった。文書化したうえ、言われたくないことを明記することへの抵抗感が強かったのだろう」と見る。日本側からは「副首相はじめ担当閣僚が合意しておきなら、無断で変更を加える行為は両国の信頼関係を傷つける」「外交上やってはいけない暴挙」などの声が上がっている。

 日中関係者は「中国共産党指導部が注文をつけたとしか考えられない」と指摘するが、中国側が文面に変更を加えた意図や背景は不明だ。中国外務省報道局は8日夜の段階で、朝日新聞の問い合わせに答えていない。




 他にもこれらの報道が。

 ●中国、合意文書削除し公表=日本は訂正要求-日中経済対話(時事ドットコム 2007/12/09/13:29)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007120900048

 ●中国が勝手に共同文書を一部削除して公表(MSN産経ニュース 2007/12/09/15:27)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071209/plc0712091527002-n1.htm

「中国側の対応次第では日中間の新たな火種にもなりそうだ」

 と珍しい表現が「朝日」に登場していますね(笑)。もっとも
「中国の反発は必至だ」に比べると押しが足りませんけど。

 この共同文書作成については中国側が消極的だったのを日本が押し切ったという経緯があるとどこかの報道で目にしました。しかし公報を出しておいて自国に都合の悪い部分は一部削除して発表、というのは尋常ではありません。

 ――――

 ちょっと今日(というか日曜日)は疲労困憊なので記事の少ない休日であることを幸いにダラダラと作業をしていたのですが、国営通信社・新華社の電子版「新華網」トップの重要ニュースには、

 ●気候変化に対応――国際的視野における中国(新華網 2007/12/09/16:28)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-12/09/content_7220872.htm

 という記事がこれ見よがしに躍っていました。
地球温暖化などの環境問題について、中国がいかに国際社会で積極的に貢献しているかという自画自賛報道である一方、

「中国は発展途上国だから先進国並みの排出節減努力はしなくてもいい」

 という海外の専門家のコメントを選別して紹介するなどムシの良い内容です。

 しかもこれ、日本で「一部削除」報道が流れたのを受けて掲載されたかのようなタイミングです。少なくとも「新華網」においては。

 日本への逆ギレ的面当てだったらすごいなー、と思うのですけど、内向き(国民向け)の記事のようでもあります。あるいはその両方を狙ったのかも知れません。

 これはひどいインターネットでつね(笑)。

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 党中央宣伝部は甘いというか、紙媒体時代の感覚で報道管制を行っているようにみえます。それにしても「らしくない」エラーです。この件について指導部内での足並みが揃わなかったのでしょうか。

 時代が違います。1980年代末期あたりまでなら国内の紙媒体を仕切る一方、香港を含む海外紙は庶民に買いづらい措置を講じていればOK。あとは「VOA」「BBC」など海外からの短波放送だけが主な抜け道だったかも知れませんけど、いまは私のように外国の小市民でも「新華網」などで最新ニュースを拾える時代です。

 当然ながら海外メディアも同じように独自取材や記者会見などだけではなく、ニュースサイトで情報漁りをし、それを紙媒体及びネット上のニュースサイトから発信しています。

 海外の華字紙も例外ではない訳で。……ええ中国国内からアクセスできる親中紙系サイトを含めて、です。実際にこのニュースが上記『朝日新聞』の記事や外電詰め合わせセットで速報されていますから、中国国民でも機敏な連中はもう知っているでしょう。

 ●「星島環球網」(2007/12/09/13:51)
 http://www.singtaonet.com/china/200712/t20071209_687928.html

 ●「聯合早報網」(2007/12/09/14:40)
 http://realtime.zaobao.com/2007/12/071209_18.html

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 日本としてはこの問題、海外メディアに再三アピールするなどして、国際社会で少し騒ぎ立てる方がいいのではないでしょうか。

「『中国の反発は必至だ』に比べると押しが足りませんけど」

 と上で書きましたが、ここでガンガン押しておかないとしめしがつきませんし、
「やったもん勝ち」を認めてしまうと今後の日中関係に禍根を残すことになります。断じて前例にしてはいけません。

 国会で非難決議でも採択したらどうでしょう(笑)。……まあそのくらいのことができるほど腰が強ければ、今回のような事件も起こらなかったと思いますけど。

 「相手が嫌がることをする必要はない」フクダのフックだに媚中派腹心と、国を売っても信者を増やしたい草加煎餅、加えて最大野党は以下のような体たらくですからねえ。

 ●民主前議員らの「ウイグル勉強会」 小沢氏訪中直前に中止(MSN産経ニュース 2007/12/06/01:38)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071206/stt0712060138000-n1.htm

 ●小沢代表 テロ法より中国、ですか(信毎web・社説 2007/12/08)
 http://www.shinmai.co.jp/news/20071208/KT071207ETI090003000022.htm

 ●「モノ言う外交」は封印? 小沢・民主代表が訪中終え帰国(読売新聞 2007/12/08/19:28)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071208i411.htm

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 それから本題とは関係ないのですが留意しておくべきニュース。

 ●越で異例の反中国デモ 南沙、西沙の領有権主張(共同通信 2007/12/09/23:09)
 http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007120901000339.html

 最近中国漁民がこの南沙、西沙のあたりで悪天候に遭遇して困窮していたのを中国がフネを出して保護しました。その前には例の「X市問題」がありましたから、自作自演のヤラセじゃないかと疑っていたのですが、軍事演習までやられてはベトナムもさすがに黙ってはいられなくなったようです。……ということなのでしょうか?

 それからインドネシアで反中暴動が発生しています。現在進行形の模様。今後の展開に期待です。

 ●『星島日報』(2007/12/09)
 http://www.singtao.com/yesterday/int/1209bo01.html

 ……とりあえずそういうことで。疲れているので今日はこれから昼寝します。あーでも「空母戦記」で「マリアナ沖海戦1」に勝ってからにしようかな、と気になって結局遊んでしまいそうな悪寒。






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コメント
 
 
 
すりかえ (まつ)
2007-12-10 10:35:57
発表文の一部脱落くらいで驚いてはいけません。たしかブレジネフ時代に日ソの共同文書発表の席上でロシア語文の翻訳修正が遅れて日本側が再点検しないまま、署名したところ、なんと日本語文とロシア語文の内容が異なっていたことがあります。独裁国ではなんでもありですよ。
 
 
 
嫌われる中国人 (歩厘)
2007-12-10 12:28:27
ベトナムのデモの件ですが、AFPが詳しく書いてますね。

http://afp.google.com/article/ALeqM5j2rw7qqR9vew-eOrGCoDgp6S69Kw

この記事によると、

・まず、この手のデモは「まれ」であること、
・御家人さんも論じていた「X市問題」はどうやらベトナムでもかなり議論されたらしく、怒ったベトナム人が中国政府のウェブサイトをハッキングし、「侵略阻止」などと書き込んだこと、
・ベトナムでは、通常、デモはすばやく鎮圧されるのに対し、今回のデモは警察によって許容され、尚且つ、地元や海外のマスメディアの同行取材さえ許されたこと、

などが報じられています。中国は、自分達が日本に対してやったのとちょうど同じことを、今度はベトナムにやられたわけですね。デモの参加者は250人ほどで、平和裏に終わったようですので、「官製デモ」の可能性が高いと思われます。ベトナムとしては、7月に中国軍によって南沙諸島の付近にいた漁民が射殺され、なおかつ、「X市問題」が出てきたとあっては、到底黙っていられないということなのでしょう。

インドネシアの反中暴動に関して、私はインドネシアの新聞のサイトを調べたんですけど、見つけることが出来ませんでした。まあ、私は英語しか読めませんし、インドネシア語では報道されていたのかもしれません。ただ、この過程で、マレーシアやインドネシアで、中国人(ないしは中国系)がかなり嫌われているソースをいくつか見つけました。アラブ人のユダヤ人に対する感情に似ているかもしれません。富裕な中国系に対するやっかみもあるとは思いますが。

最近、イタリアに住んでいる日本人の方のブログを読んだのですが、やはり、イタリアでも中国人の数が増えることに伴い、反中感情が高まっているらしいです。「チャンコロは帰れ!」などという落書きが平気で壁に書かれているし、日本人も中国人と同じようなものと思われて迷惑をこうむっている方もいらっしゃるようです。

私は別に嫌中感情を焚き付けるつもりはないですし、私の知人にも「良き中国人」がいることはいるのですが、やはり、そろそろ中国政府も「愚民政策」を止めるときだと思います。
 
 
 
暴動つながりでこんな話も (abbc)
2007-12-10 17:23:23
中国・瀋陽で巨大マルチ組織破たんで、会員が暴動寸前の様相
http://accessjournal.jp/modules/weblog/
あまり関係ないですかね。失礼しました。
 
 
 
Re:すりかえ (御家人)
2007-12-16 16:22:02
>>まつさん
 確かにその通りですね。独裁国はなんでもありです。問題は日本がしっかり対処できるかどうか……。
 
 
 
Re:嫌われる中国人 (御家人)
2007-12-16 16:22:48
>>歩厘さん
 情報提供ありがとうございます。御蔭さまで後日のエントリーで使わせて頂きました。m(__)m

 インドネシアの件は華字紙による報道がもっぱらでした。東南アジアでは植民地時代に中国人が買弁役を務めたことで、それから富裕層への妬みもあって地元民には反中感情があるようです。ヨーロッパだと最近はイタリアとドイツで揉めてますね。

 愚民政策については、中国共産党が一党独裁というスタイルを捨てる気にならない限り改められることはないと思います。民度が高まって一番困るのは中共ですから。香港の民主化をどう進めるかで本気度がわかるかも知れませんね。
 
 
 
Re:暴動つながりでこんな話も (御家人)
2007-12-16 16:23:22
>>abbcさん
 最近こういう話が多いですね。財テク関連ではこれからもどんどん「事件」が出てくるかと思います。ていうかマルチではなく単純に株価暴落で証券会社が焼き打ちされたりしそうですけど。
 
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