お待ち遠様です。日本政府が今日(21日)、李登輝氏にビザを発給したとのことです。
●李登輝前総統にビザを発給(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20041221i104.htm
で、同日午後に都内で講演した王毅・駐日中国大使、ええ、中国に都合の悪いときには決まって雲隠れする(笑)エリートの王道を行く王毅は、この講演の中でビザ発給に関して「考え直していただきたい」と言ったようですが、発給した後にそんなこと言ってもねえ。そういう趣旨の発言をするなら、大使館を出る前にネットで情報ぐらい漁っておけ、というところですね。
「王大使は、李氏来日について「トラブルメーカーが戦争メーカーになるかもしれない」との表現で、強くけん制した」
●李登輝氏のビザ発給取り消し要求 王毅中国大使(産経web)
http://www.sankei.co.jp/news/041221/sei051.htm
というのは恫喝しているつもりでしょうか。王毅君、日本の政治家が真似したら大変だから、そういう言葉は使わない方がいいと思うよ。だって君の親分の胡錦涛、軍部に言うことを聞かせる力、まだないんだろ?
あ!もしかして軍部の機嫌とるために「戦争メーカー」って言ってみたとか?色々大変なんだねえ(笑)。
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ところで上の記事で王毅は、
「(李氏は)台湾独立勢力の代表的な人物。公職から退いたとはいえ分裂活動を進める急先鋒(せんぽう)だ。」
と言っていますが、民進党の大物が相次いで来日していること、まさか知らない訳じゃないでしょうね。
まず15日に謝長廷・高雄市長が成田から日本入り。そして何と民進党の主席代理である柯建銘氏も観光ビザを得て18日に来日です。
●民主党主席代理が訪日へ
http://hk.news.yahoo.com/041218/12/17qzn.html
この件について中国側が騒がない理由を王毅に是非聞いてみたいところですね。
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民進党の有力者である上記2人のうち、謝長廷氏は17日夜に帰国しています。2泊3日の強行軍でしたが、たっぷりと「日本観光」を楽しんだようですよ。
具体的な内容については関連記事を抄訳しておきます。
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謝長廷氏、訪日中に首相経験者2人・現職閣僚3人と会見
2004/12/18(亜洲時報)
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15日、大陸(中共)を刺激しないようお忍び同然で訪日した謝長廷・高雄市長が17日夜、帰台した。2泊3日という今回の行程において、謝市長は首相経験者である森喜朗、中曽根康弘両氏のほか現職閣僚3人と会見、また自民党幹事長をはじめとした50余名の衆参両院議員とも会うなど、成果十分の訪日となった。謝市長によれば、日本の政府関係者たちは先に行われた台湾立法委員選挙の結果に強い関心を示し、一方で民進党内に国父孫中山を外国人と称する人がいたのは理解に苦しむ、との感想も述べたという。
(中略)
17日朝、かつて4人の日本首相に秘書官として仕えた徳長氏(※1)が自らホテルまで謝市長を出迎え、びっしりとスケジュールの詰まった非公式外交活動がスタート。事前にマスコミへと情報が漏れ、中共の関心を呼ぶことを避けるため、謝市長は森喜朗前首相と東京のある有名ホテルの別館で会談を行った。そのあと数十台にのぼる黒塗りの乗用車が相次いで到着、自民党幹事長をはじめ同党及び民主党の現職閣僚や衆参両院議員姿が続々と現わし、森前首相の同席のもと、50人以上にのぼる政治家たちとの昼食会となった。
(後略)
http://www.atchinese.com/2004/12/1218twjp.htm
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中曽根元首相との会見について具体的な情景描写はありませんでしたが、この記事によれば謝市長は首相経験者である森、中曽根両氏をはじめ、現職閣僚3人を含む自民党・民主党の衆参両院議員50名余りと意見交換を行ったとし、また帰国後にそのことについて陳水扁総統に報告を行ったとのことです。
中国側が知らない筈はないと思うのですが、この件について騒がない理由を王毅に是非聞いてみたいところですね。王毅君、遊就館の喫茶店で零戦を眺めながら海軍コーヒーでも飲みつつ、どうだい?
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【追記】中共はビザ発給の件について共同電を基に速報しています。
http://news.xinhuanet.com/world/2004-12/21/content_2362506.htm
http://news.xinhuanet.com/world/2004-12/21/content_2362521.htm
【感想】外交部報道官の劉建超は少しダイエットした方がいいです。あれではチナブタ呼ばわりされても反論できないに違いありません。
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【※1】すみません、この人物が誰なのか私にはわかりませんでした。御存知の方、解説お願いします。
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中国政府にとって大変気になる存在でしょう。
話は変わりますが、以下の記事に書いてあることは
李登輝氏がらみで大きくなるかもしれませんね。
http://humanrights.blogtribe.org/day-20041221.html
日本から進出した一企業のストが、李登輝氏の訪日で大きくなるモノでしょうか?
リンク先を見る限り、待遇改善を求めるストらしいので、純粋に経済的な理由のように見えますが・・・。
このストが大きくなる理由をもう少しわかりやすく教えていただければと思います。
なんだか、みようによっては工作員のコメントみたいに見えますので。
リンク先には日本人幹部の発言がストライキにつながった、と書いてあったものですから。
中国人は日本人の些細な行動で大騒ぎしますので。西安のときのように。
李登輝氏がらみでいえば、大騒ぎを起こして日本での李登輝氏への関心をそらすといったことを中国政府はやるかもしれません。
西安のときはちょうどダライラマが来日していました。
つまり、進出企業で働く中国人労働者に対して、サボタージュの先導をするということですね。
中国が実際にそういう行動に出るのかは、このブログにいる、かの国の内情に詳しい方に教えてもらうしかありませんが、
中国にからの、外資の引き上げにつながるのではないでしょうか。
中共は、糞青ほど馬鹿ではないと信じたいので、そんなことはしないのではないでしょうか。
あるいは、李登輝さんの訪日は、外資の引き上げを代償にするほどの、中国にとっての大問題なのでしょうか。
サボタージュの先導 誤
サボタージュの扇動 正
乱筆失礼いたしました。
私自身は、というとまだ半信半疑なのですが
毎日ここに来ている、なかば信じ始めています。
だとすれば、あえて経済的な危険や、引いてはない正常の危険を冒してまで、日本からの進出企業に対する嫌がらせをするでしょうか。
李登輝来日で中国に「反日」気運というか日本への反感は確実に高まるでしょうが、政府がそれを捉えてキャンペーンにまで仕立て上げるかどうかは微妙なところです。いまの中国社会にそれだけの余力があるかどうか・・・江沢民時代ならやっていたと思いますが。
とりあえず昨日、有志30人(愛国者同盟網の連中らしいです)の「なんちゃってデモ」は許可しましたよね。それだけを見れば胡錦涛政権の反日度は10月前後に確かに高くなっています。ただやろうと思えば学生を動員しての大規模な官製デモだって出来た筈です。でもそれはやらなかった。胡錦涛政権の反日度がそこまで回復していないこともあるでしょうし、人数集めてデモさせたら鉾先が変わって中南海に突っ込んでくるかも知れない、という懸念もあるでしょう(まあ今時の学生には無理でしょうけど)。
日本人が集団売春をやった、とか酔った日本人観光客が中国人を蹴殺した、というならメディアでの扱いが大きくなる可能性はありますが、日本企業での労働争議は、いまの当局にとって槍玉に上げにくいのではないでしょうか。
例えばですよ。大きく扱うとすれば、労資でいえば当然「労」の中国人が善玉で、「資」の日本人が悪玉になる訳ですよね?そういう形で報道されたときに、国有企業の労働争議の真只中にいる従業員とか、リストラされた失業者とか、賃金未払いの農民工とかは、当局にとって意外な反応を示すかも知れません。「ああ俺のところのトップも日本人なら、こうやって構ってもらえるのに」と。
それにしても民進党の有力者が相次いで来日したこと、中国が知らない訳はないと思いますが……。そこを叩けば日本政府も困るかも知れないのに。
はい、まさに仰る通りです。
>そして事ここに至っては、中国にとっての外政上の失敗は、政府攻撃の起爆剤になりかねない。
ここは、失敗の内容によります。例えば、
靖国参拝なら国民が騒いで政権運営に支障をきたすかも。
李登輝氏訪日なら軍部が騒いで政権運営に支障をきたすかも。
・・・どちらも「かも」付きなんですけど(笑)、ダメージがより大きいのはもちろん軍部が騒ぐ方でしょう。民衆がざわついても鎮める手段ならありますが、軍部が言うことあまり聞いてくれなくなるとこれは困ります。機嫌を直してもらう間に貴重な時間を浪費することになります。
>私自身は、というとまだ半信半疑なのですが
それが健康である証拠です。
>毎日ここに来ている、なかば信じ始めています。
いけません。「素人による出鱈目な中国観察」という当ブログのモットーをお忘れになってはいけません。
でも、毎日来て頂いて本当に有難うございます。励みになります。
最後に訂正ですが、
誤:胡錦涛政権の反日度は10月前後に確かに高くなっています。
正:胡錦涛政権の反日度は10月前後に比べ確かに高くなっています。
http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news2/1099007852/798-802
これ、いいですね。
私はチナヲチのオタだからでしょうが、中国そのものばかりに目がいってしまって、しかも重箱のスミをつつくような作業しかできません。もっと広い視点、例えば国際社会とかアジアといった範囲の中で中国を俯瞰するようなことがまるで出来ないのです。こういう角度からの切り込みを見ると本当に羨ましく思います。
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