銀幕大帝α

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ある戦慄

2014年11月03日 00時18分58秒 | 洋画サスペンス
THE INCIDENT
1967年
アメリカ
103分
サスペンス/ドラマ
劇場公開(1968/05/25)



監督:
ラリー・ピアース
出演:
トニー・ムサンテジョー・フェローン
マーティン・シーンアーティ・コナーズ
ボー・ブリッジスフェリックス・テフリンジャー
セルマ・リッターバーサ・ベッカーマン
ブロック・ピータースアーノルド・ロビンソン
ルビー・ディージョーン・ロビンソン
ドナ・ミルズアリス・キーナン
ジャック・ギルフォードサム・ベッカーマン
エド・マクマホンビル・ウィルクス
ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリスヘレン・ウィルクス
マイク・ケリンハリー・パーヴィス
ジャン・スターリングミュリエル・パーヴィス
ゲイリー・メリルダグラス・マッキャン
ロバート・フィールズケネス・オーティス
ロバート・バナードフィリップ・カーマッティ
キャスリーン・スミスウィルクスの娘



<ストーリー>
ニューヨーク・ブロンクス。マンハッタン行きの地下鉄に乗車したジョーとアーティのチンピラふたり組が乗客をからかい始め…。

-感想-

古い作品です。
白黒作品です。

冒頭ではジョーとアーティ、二人の男の「こいつら厄介者の相当な悪だぜぇ」という姿を不快極まりなく描き、鑑賞者にもその印象を強く植え付けてくれます。
一通りの悪事を見せ付けた所でタイトルが出現。
そこから40分間は、同じ地下鉄の同じ車両に乗り合わせる乗客それぞれをどういった人物なのかといった説明模様を見せつつ、淡々とした形でストーリーを進行させていきます。

あれだけ多くの車両がありながら何故に皆が同じ所に乗り合わせるのかが不思議なのですが、とりあえずオープニングから50分後に悪2人も加えてようやく役者が揃ったぜ、となるのですが・・・。

まぁどの時代でもそうなんでしょうが、人は関わりたくない事には見て見ぬ振りをする訳でして、乗客の一人がからかわれていても素知らぬ顔をするものなんです。
自分の番が回ってきてもビクビクと怯え、些細な抵抗を見せる者もいますが、ガツンと注意する人物が中々現れない為に、ジョー&アーティのやりたい放題。

軍人の2人組みが乗っているので、彼らに期待を抱くのですが、「関わるな」風でジッと座っているだけなので、一体この悪状況をどう乗客達は打破するのか、苛々と不安が募るばかり。
最終的にはその軍人の一人が、眠っている幼い少女を抱いた家族をアーティがからかっているのを見て遂にブチギレて・・・となるのですが、だったらもう少し早めに、というか彼らも絡まれたのですから、その時にブチギレろよ!と、行動遅いよ!と、どうにも決着の持って行き方に高揚感が生まれず、モヤモヤとした気持ちだけが残りました。
もしかしたら監督はそれを狙って、敢えてこういう描き方をしたのかもしれませんね。

とことん不愉快だけを齎し、喪失感だけを残す映画。

目一杯、嫌な作品を堪能してみたい方にお薦めします。

ところで乗客の中に黒人夫婦が居るのですが、旦那の方が降りる駅に着いても「面白そうだから降りずに見ていこう」とか言い出し、挙句、絡んできたアーティに対して「俺は君達の味方だ」と笑顔で答えると、アーティが「俺は臭い黒人が嫌いなんだよ!」と返された途端、「なんだと!」と急に怒りだし顔がワナワナと震え出すという、何なの君は?という謎過ぎる人物で、こういう人の不幸を笑って見ておきながら自身が馬鹿にされると怒りで頭に血が上る自分勝手な男にもかなり苛っとさせられたりします。
最後、警官が雪崩れ込んだ時に、真っ先に容疑者扱いされるのがこの黒人ってのは、人種差別が強い時代だったからこそでもあるのでしょうけども、そこはちょっと監督のブラックな演出が光っていたし、上手く時代背景を反映させていて良いと思う。

14/11/02DVD鑑賞(旧作)
評価:★★★
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (maki)
2014-11-05 09:21:26
もう約2年前に観てたんですね
昔も今も変わらんなあというのが感想ですか。
なるべく関わりたくない、というのが皆の気持ちだったでしょう
絡まれる人々のいや~~な気持ちが凄く伝わってきましたね
で、最後まで嫌な気持ちで終わるの。
いまなら不条理スリラーとでもいうべきか。
制作陣の思うとおりであります

確か、ツタヤでもおススメのサスペンス作品の特集にあったので観た気がします
返信する
>makiさんへ (ヒロ之)
2014-11-06 00:08:59
こんばんは!
こちらにもありがとうございます。

随分前にmakiさんはご鑑賞されていましたね。
私、この映画の存在自体今まで知りませんでした。
観た後に知ったのですが、とある映画評論家がこの作品を絶賛されているようですね。
ツタヤでもお薦め作品として陳列されているんですね。

ほんと、嫌な気分しか起こらない作品でしたけれど、誰しもこういう場面に遭遇したら、こういう態度を取っちゃうんだろうなぁ、と、そういう意味では監督は人の心理というものを上手く捉えて作品していましたね。
返信する

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