銀幕大帝α

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メビウス

2015年07月12日 13時26分14秒 | 韓国ドラマ
MOEBIUS
2013年
韓国
83分
ドラマ
R18+
劇場公開(2014/12/06)



監督:
キム・ギドク
『嘆きのピエタ』
製作総指揮:
キム・ギドク
脚本:
キム・ギドク
撮影:
キム・ギドク
編集:
キム・ギドク
出演:
チョ・ジェヒョン
ソ・ヨンジュ息子
イ・ウヌ母/女



<ストーリー>
父と母、息子の3人が暮らす上流家庭。ある日、近くに住む女と夫の不定に気付いた妻は、嫉妬に狂い夫の性器を切り取ろうとする。

人間の業が、廻(めぐ)る。

-感想-

こえぇ~し、いてぇ~し、無茶苦茶だしで、直視するのがちょっと無理。
でも手で目を覆いながらも指の隙間から話が気になって、流れを目撃したくなるそんな演出の力は秘められていた。

ある意味、異質で実験的な作品。

台詞が一切ないのだ。

呻き声や叫び声はあるが、画面上で誰かが言葉を発するというのは全く出てこない。
ただひたすら、演じ者の行動を目だけで追う事になる。
しかもパソコン上に英語の文字が度々現れるが、それすらも字幕が付かない。
英語力が極端に乏しい私としては、何が書いてあるのかさっぱり分からないので、父親がその後に起こす行いを見て何となく理解は可能になる。

この様に、幾ら恐ろしい場面に遭遇しそうな雰囲気になろうとも、耳だけで状況判断なんて出来るはずもないので、しっかり内容を把握する為には頑張って画面に目を向けておかなければならない。
なんちゅう内容を見せるんだよ、てずっと心の中で呟いてましたわ。
加えて、聾唖者しか登場しない映画を作ったらこういう作品になるんだろうなぁとも思った。

息子はひたすら被害者。
親に全責任あり。
身勝手すぎるでしょ、父親も母親も。
夫婦間で解決させろよ、無関係な息子を巻き込むなよ。
大切な生殖器をぶった切られた息子が哀れでならない。

つか、そのブツを食っちまう母親、ホラーだろ。
気持ち悪すぎる・・・。

父親が浮気していた女を巡って息子も参加する事となる中盤以降。
女を好きになるけれど、欲情はあっても肝心な時にアレが起たない。
しかし、ふらりと急に家へと帰ってきた母親の胸の谷間を見た瞬間に息子の息子は過剰に反応する。
それに気付いた母親は、自分が犯した罪を清算するが如く、息子が寝るベッドへと身を忍ばせるのだが、それを静止しようと父親は妻の体を奪い腰を振り続ける。
だが、そんな父親のアソコにも存在するべきものがもう無かった。

父親の浮気と母親の瞬発的な感情の高ぶりで起きた狂気とにより破滅への道を極めてしまった裕福な一家。
ある程度の観る勇気は必要かもしれないが、どうしても最後まで成り行きを見届けたいという気持ちは生まれさせてくれるので(そこがギドク監督の演出マジック)、興味本位で借りてしまった人は修行だと思って頑張って画面全体に目を集中させて、事の悲惨な顛末を恐怖から驚きに変えながら刮目すべし。

ペニスが無い人が自慰とは別の方法で絶頂を覚えるあのやり方。
痛さ的な描写が苦手な人はマジ要注意。
激痛が快感へと移行していくようだが、その後にまた激痛。
興味ある人はやってみれば?(笑)
どう見ても痛そうにしか思えず私はそのシーン、顔を歪めて「ひぃぃっ!」てなっちゃったなぁ。

あそうそう、妻と愛人は一人二役でイ・ウヌさんが演じています。
後で知ったんだけど。
いやそれくらい、別人として役に成りきっちゃっているのよ。
惜しげもなく、おっぱい出しちゃったりしてこの人の女優根性すげぇわ。

評価:★★★
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