モナリザ・オーヴァドライヴ

2006-02-28 00:25:14 | Books
 
最近、ひょんなキッカケでウィリアム・ギブスンの「モナリザ・オーヴァドライヴ」を読んでみたくなりまして、早速図書館で借りてきました(詳しくはこちら)。SF 小説って、話の中に見たことのないものがいっぱい出てくるからイメージするのが難しい・・・(笑)。

映画「マトリクス」の世界観がお好きな人はどうぞ♪

Lunasa / Lunasa (1998)

2006-02-27 01:04:59 | Music > Celtic

Lunasa:
Sean Smyth - fiddle
Donogh Hennessy - guitar
Trevor Hutchinson - double bass
Mike McGoldrick - flute, low whistle
John McSherry - uileann pipes, low whistle

先頃、六枚目のアルバムをリリースしたばかりの Lunasa。すっかりベテランの風格すら漂ってきましたね。当ブログでも以前にセカンド・アルバムの "Otherworld" を取り上げたことがありますが、今回は彼らの原点であるデビュー作を紹介したいと思います。

Lunasa といえば、古き良きアイリッシュ・トラッド・ミュージックの伝統を受け継ぐ正統派としてトップ・クラスの実力を有するバンドの一つです。それこそ飛ぶ鳥を落とす勢いで人気も急上昇してきました(前回と同じようなこと書いてますね/笑)。彼らの魅力の一つは、伝統を「過去の遺産」とせず「時代とともに生きるもの」として捉えている点ではないでしょうか。自らの音楽に新しい血を注ぐことを忘れず、シーンをリードし続ける存在であることはそれを物語っている気がします。

とにかく、この完成度でデビュー作というのですから驚きです。若干の荒さはありますが、それを逆に「勢い」というエネルギーに転化しているところが並みのバンドとは違うことを窺わせますね。コード感がシンプルでストレートな演奏は Lunasa の特徴であり醍醐味です。Solas のようにテンションの効いたコードを多用するバンドもありますが、彼らは意識してこのスタイルを貫いているそうです。個人的には東欧っぽさを漂わせる変拍子の "Feabhra" や躍動感溢れる "Meitheamh" なんかがお気に入り。自然と足がステップを踏んでしまいます(笑)。本作でフルートを担当しているのは、現在 Marc Duff の後任として Capercaillie に在籍している Michael McGoldrick で、Lunasa ではこの一枚のみの参加になります。

では最後にいつもの異ジャンルネタを一つ(笑)。本作に収録されている "Aibreann" という曲ですが、実は Pierre Bensusan の "The Last Pint" のカヴァーです。


Lunasa Official Website:
http://www.lunasa.ie/


"Lunasa" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=1907886

Rolling Stones / Steel Wheels (1989)

2006-02-26 00:02:30 | Music > Rock/Pops

Rolling Stones:
Mick Jagger - vocal
Keith Richards - guitar
Ron Wood - guitar, bass
Bill Wyman - bass
Charlie Watts - drums

Chuck Leavell - keyboard

etc.

来日公演まで一ヶ月を切った Rollong Stones ですが、突然 "Rock And A Hard Place" が聴きたくなり、"Steel Wheels" を借りてきました(笑)。当時 CM で流れていましたよね。イントロのリフが印象的で、凄く興味を惹かれたのを覚えています。ストーンズはあまり詳しくないので、このアルバムがファンの間でどういう位置づけになるのかはわかりませんが、ソリッドでストレートなロックはいつ聴いても気持ちがいいですね。EJ も影響を受けたと公言している Keith Richards のリズム・ワークは本家だけにやっぱり格好いいなぁ(笑)。

"Rock And A Hard Place" 以外では "Sad Sad Sad", "Mixed Emotions", "Terrifying" なんかがお気に入り。"Blinded By Love" ってちょっと後期の The Byrds っぽいですね。この曲でのフィドルとマンドリンは Albion Band にも参加したことのある Phil Beer です。

ストーンズのアルバムで皆さんのお薦めがありましたら是非教えてくださいませ~♪

Freddie Mercury / Mr. Bad Guy (1985)

2006-02-25 09:08:49 | Music > Rock/Pops
 
去年は Paul Rodgers を迎えた Queen が来日するなど、ちょっとしたブームが巻き起こりましたね。中学時代からの友人が Queen の大ファンで、当時良く聴かせてくれたのが Freddie Mercury の "I Was Born To Love You" でした。Queen のことすらほとんど知らない頃でしたが、この曲は大好きになりましたね。Freddie の死後、残されたメンバーが手を加え、Queen の楽曲として再リリースされました。日本ではドラマで使用されたこともあり、一躍有名になりましたね。

Queen のゴージャスなヴァージョンに比べると、キーボードは古臭いし、音質も決して良いとは言えないんですが、懐かしさも相まって、僕はこのオリジナル・ヴァージョンが好きなんです。当時の空気が凝縮されていて、何とも言えない気持ちになりますね。

ちなみに同じく Queen がリメイクした "Made In Heaven" のオリジナルもこのアルバムに収録されています。また国内盤のみ、ボーナス・トラックとしてアルバム収録曲の 12インチ・ヴァージョンが追加されています("Let's Turn It On", "I Was Born To Love You", "Living On My Own")。

The Hellecasters / The Return Of... (1993)

2006-02-24 23:22:03 | Music > Rock/Pops
 
「カントリー・スタイルのギターに興味があるんだけど、何から聴き始めればいいのかわからない」という悩みを抱えている方、今回ご紹介する The Hellecasters はいかがでしょうか。John Jorgenson, Jerry Donahue, Will Ray というカントリー・リックを知り尽くした三人のテレキャスター・マスターが繰り広げる超絶ギター・インスト・ミュージックです。かなりロック寄りのアレンジなので「ベタなカントリーは苦手」という方でも抵抗なく聴けるサウンドだと思います。またロック・スタイルのギターにカントリー風のリックを持ち込みたいというギタリストさんにもお薦めです(笑)。まずはそんなキャスター軍団の三人を軽くご紹介っ!

バンドのブレーンでリーダー的存在の John Jorgenson はカントリーのみならず幅広いスタイルのギター・プレイを身につけた天才肌のギタリストです。本作ではカントリー・テイスト溢れるプレイの他に、ディストーションの掛かったギターを引っ提げ、ときにはハード・ロック・ギタリストを彷彿させるアグレッシヴなソロを聴かせてくれます。また様々な楽器を弾きこなすマルチ・インストゥルメンタリストとしての顔を持ち、その実力を買われ、Elton John のバック・バンドを務めていたこともあります。ちなみにその時期、ツアー・メンバーの一員として来日も経験しているので、もしかしたらご存知の方がいるかもしれませんね(笑)。元々、彼のことは The Byrds の Chris Hillman 率いる The Desert Rose Band で知った口なんですが、当時はこんなに多才なミュージシャンだとは全く知りませんでした(笑)。

Jerry Donahue に関しては、先日、ソロ・アルバムを紹介しましたので、まずはそちらを参照していただければと思います。異なる弦を異なる方向に同時にベンドしたり、とにかく人間技とは思えない究極のリックを数多く修得した惑星一のベンダー男です(笑)。多分この人、普通の人より指が一本多いんだと思います(爆)。

Will Ray についてはそれほど多くを知っているわけではないんですが、小型スライド・バーを使った独特のカントリー・リックはどのソロにおいても個性が際立っていますね。またベンダー・ギターの名手でもあり、他の二人に引けをとらぬテクニックの持ち主であることは一聴して明らかであります(笑)。Michael Lee Firkins のようなスタイルに憧れている方は Will のプレイに多くの共通点を見出だせるのではないでしょうか。

では早速アルバムの方に話を移したいと思います。まず最初に目に付くのは、ジャケ買い確率0%のチープなジャケットでしょう(笑)。しかしダマされてはいけません。中身はホンモノです! あとデビュー作のはずなのに何故かタイトルが "The Return Of The Hellecasters"(笑)。「前にどこかでお会いしましたっけ?」って感じなんですが、これっておそらく "HELL" にかけているんでしょうね。「地獄から舞い戻ったキャスター軍団」みたいな・・・(笑)。

オープニングの "Highlander Boogie" からグルーヴ感たっぷりのカントリー・ロックです。本人達にとっては挨拶代わりの軽いジャブなんでしょうけど、すでにスーパー・リックと化してます(笑)。ちなみにタイトルには "HIGHLANDER" が入っていますが、ケルトっぽさは微塵もございませんので・・・(笑)。さあ、何でもありの HELLECASTERS ワールド、本領発揮はこれからですよ~(笑)。まずは Henry Mancini の名曲 "Peter Gunn"。何と粋な選曲なんでしょう(笑)。僕にとっては Blues Brothers ヴァージョンのイメージが強い曲ですね~。カバーといえば松崎しげる、もとい The Gypsy Kings の "Passion" なんかも演っちゃってます(笑)。これがまたネオクラ系ギタリストのアルバムに入っていそうなスロー・バラードに料理されているんですが、John 曰く Jeff Beck を狙ったそうです。確かにそう思って聴けば Jeff が入っているかも~(笑)。"King Arthur's Dream" と "Menage: The Beak/The Claw" は Jerry のソロ作に収録されていた曲のリメイク。後者のオリジナルは言わずと知れた Jerry Reed です。John 作の "Back On Terra Firma " はほとんどメロハーのインストみたいですねぇ(笑)。他にも Will お得意のカントリー・スウィング "Hellecaster Stomp" や Roy Buchanan に捧げられた Don Gibson の名曲 "Sweet Dreams" など、アルバム全体に漂う「好き勝手に楽しみました!」って感じの遊び心が最高です(笑)。

そんなカントリーという枠に捉われない自由な作風がウリの本作であっても、やはりキラー・チューンとなるとブルーグラスのスタンダード "Orange Blossom Special" のカバーがベストではないでしょうか。何だかんだと王道のカントリー・リックはこういう曲でこそ一番映えますよ(笑)。ちなみにこの曲は「特別急行列車」という邦題を付けられたこともあり、まさに「走りだしたら止まらない! すべての駅は通過駅!」ってくらいの疾走チューンなんですよね(笑)。僕の邪推かも知れませんが、DREGS の超絶カントリー・チューン "The Bash" の元ネタも実は "Orange Blossom Special" なんじゃないかなぁと思っています。この曲の持つフィーリングが "The Bash" と凄く似ているんですよね。実際、多くのアーティストがカバーしている定番スタンダードで、Mark O'Connor も自身のアルバム "The New Nashville Cats" で取り上げていました。こちらもかなりの強力チューンに仕上がっています。

話が横道に逸れました(笑)。HELLECASTERS 版の "Orange Blossom Special" についてでしたね。いやぁ、何というんでしょうか。正直、そこらのメタル・バンドにも負けないくらいのハイパー・テンションで突っ走っています(笑)。何てったって冒頭からいきなり疾走感煽りまくりのディレイ・トリックで攻めてきますからねぇ! ちなみにこのテクニックはアルバート翁も得意としています。ダブル・ストップと絡めると難易度低めの割に凄く格好良く聞こえるので興味のある方は是非研究してみてください。楽曲はほとんど三人のソロで成り立っていまして、とにかくこれが圧巻なんです(ニヤッ)。まず先陣を切るのは John Jorgenson。のっけからメロディアスなタッピングをビシッと決めてくれます。こういうフレーズをさりげなく入れてくるところが John のセンスの良さなんだよなぁ(笑)。続くは本作のハイライトである Jerry の超ロング・ソロ。カントリー・ギター史に残る名演といっても過言ではないでしょう! Eric Johnson や Steve Morse の数段上を行くスーパー・カントリー・リックの嵐でございます。縦横無尽のベンディングやレッド・ゾーン突入の高速ロールを始め、留まることを知らぬパッキパキなソロが豪快に炸裂しています。このカッコ良さはまさに卒倒もんでしょう(笑)。それにしても、よくもまあこんなに次から次へと色んなフレーズが飛び出してくるもんです(笑)。ただただ感心・・・。さあ、まだまだ続きますよ~。普通、こんな常軌を逸したベンダー星人のあとにソロを弾こうなんて誰も思わないと思いますが、3rd ソロの Will がこれまた鬼神のテクニックの持ち主なんですわ(笑)。Jerry とはまた一味違うクキクキっとしたアタックの強いピッキングとフニャフニャっとしたスライド・プレイを交えたカントリー・リックが持味です。今更ながらですが、彼のソロ作をチェックせねばと痛感いたしました(笑)。ぶっちゃけ、カントリー・ギターに興味がお有りなら、この一曲のためにアルバムを買っても損はないと思いますよ(笑)。

・・・とこんな感じで記事をまとめようと思ったんですが、もう一曲だけお気に入りがありました(笑)。ヘルキャスターズ劇場の最後を締める "Hellecasters Theme" です。ちょっぴりシンコペーションの効いたウエスタン調のメロディが西部のガンマン風でカッコイイんですよ。沸き上がるカーテンコールに応える三人の姿が目に浮かぶようです(笑)。ちなみにこのアルバム、最後の最後に一瞬だけちょっとしたイタズラが仕込まれています(笑)。

書きたいこと大体書けたんでスッキリしました。それにしても今回は長いなぁ・・・(笑)。


The Hellecasters Official Website:
http://www.hellecasters.com/


"The Return Of The Hellecasters" アルバム試聴(amazon.com)
http://www.amazon.com/gp/product/B000005DWY/

「花は桜木、男は岩鬼!」

2006-02-22 23:03:12 | Diary
 
実は今、ちょっぴりドカベンにハマってます(笑)。というのも無料ブロードバンド放送の GyaO でアニメ「ドカベン」が配信されているんですよね。いやぁ、正直かなり面白いです(笑)。大人になってから単行本を読み直しましたから、ストーリー自体は結構覚えているんですけど、やっぱり実際にキャラの声が聞こえてくると違いますね(笑)。玄田哲章さんの岩鬼とかもう最高です! 普段、あまりアニメなどは観ないんですが、すっかり引き込まれてしまいました(笑)。昨今の派手なアニメに比べると、絵や音楽なんかはすごく古臭いですし、確かに地味な印象は拭えませんが、水島漫画ならではの個性的なキャラ、手に汗握るストーリー展開はそれを補って余りあると思います。昭和の香りもプンプンですし、何か子供時代に戻ったような懐かしさを感じるアニメですね(笑)。

毎週四話ずつ土曜日に更新されるそうです。現在は第一話から第四話まで配信中です。興味のある方はお早めに!

http://www.gyao.jp/anime/

Jerry Donahue / Telecasting (1986)

2006-02-19 08:43:03 | Music > Country

Jerry Donahue - guitar, bass
Dave Peacock - banjo
Marc Donahue - keyboard
Dave Pegg - bass
Gerry Conway - drums
Ric Sanders - violin
Freebo - bass
John Jorgenson - mandolin

etc.

久しぶりにギタリストなアルバムを紹介しようかなぁ~なんて思いまして、何にしようか思案していたんですが、ちょうど boostermania さんのところで The Hellecasters の名前を見かけ、即 Jerry Donahue に決定。安易といえば安易ですがキッカケとはそんなもの(笑)。でもいつか取り上げたいと思っていたギタリストなんですよね~。

熱心なギター・ミュージック・ファンであれば、どこかで超絶テレキャスター・トリオ The Hellecasters の名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。「カントリー色の強い楽曲は苦手だがカントリー・ギターそのものには興味がある」という方にはピッタリのインスト・バンドです。今回はそんな HELLECASTERS のメンバーの一人 Jerry Donahue が 1986年にリリースしたソロ・アルバムを紹介したいと思います。Jerry は英国トラッド・ロック・バンド Fairport Convention の後期を支えたアメリカ人ギタリストで、FAIRPORT 加入前は Sandy Denny 擁する Fotheringay にも在籍していました。常識ではとても考えられないようなベンディングを始め、数々の高度なカントリー奏法を極めたギタリストですが、楽曲は意外にもカントリー色が薄いのが特徴です。名手 Albert Lee とは、彼が Heads, Hands & Feet の頃からの友人で、HHF のデビュー作には彼の名前もクレジットされています。この二人は僕自身カントリー奏法にハマっていた頃、最も影響を受けたギタリストですね。

オープニングの "Tokyo" は Jerry が FAIRPORT 時代に発表した曲のセルフ・カヴァーで、オリジナルは 1973年リリースの "Nine" というアルバムに収録されています。タイトルから察するに東洋を意識したものと思われますが「クロマティックな音階が印象的」という程度で東洋人の耳にはそれほど東洋的には聞こえてきません(笑)。ちょっとしたトリビアになりますが、Jerry は過去に Sylvie Vartan のバックで来日したことがあるそうで、"Tokyo" はそのときに書いた曲なんだとか・・・(笑)。それはさておき Jerry のプレイを語る上では避けられない代表曲の一つであることは間違いないでしょう。パッと聴いた感じは単音弾きに聞こえますが、実は複弦の鳴りをうまく利用したカントリー風のリックです。昔、FAIRPORT のヴァージョンで耳コピに挑戦したことがありますが、ポジショニング、弦の選び方などで結構苦労しました(笑)。

全編にわたり、ため息が出るようなスーパー・リック満載の本作ですが、やはり聴きどころは Jerry Reed の名曲 "The Claw" ではないでしょうか(コンポーザーのクレジットはファミリー・ネームの Hubbard)。イントロにオリジナルの "The Beak" を加え、かなり速いテンポにアレンジされています。それでもあっさりと高速ロールを決めてしまうあたり、さすがという他ありません(笑)。またブレイクでは James Burton ばりのチキン・ピッキングも披露。日本のロック系ギター雑誌ではカントリー風のフィンガー・ピッキングのことを総称してチキン・ピッキングと呼んでいるようですが、本来はカントリー・ギター奏法の一つであり、フラット・ピックで中指や薬指を使うことを指すわけではありません。ちなみにこの呼び名は「コッコケー」とニワトリの鳴き声に似た音を出すことから付けられたとされています。例えば Dixie Dregs の "Ice Cakes" に出てくるメイン・リフはチキン・ピッキングを応用したものですが、Eric Johnson の名曲 "Cliffs Of Dover" のイントロで聴けるフィンガー・ピッキングのフレーズは正確にはチキン・ピッキングと呼びません(笑)。チキン・ピッキングに関しては Jose さんのサイトで詳しく解説されていますので是非一度ご覧になってみてください(こちら)。

何かと異ジャンルに関連付けたくなる ghostwind ですが、このアルバムでは The Corrs のデビュー作でもお馴染みのトラディショナル曲 "Toss The Feathers" がメドレーに組み込まれています。CORRS 版はかなりポップでコンテンポラリーなアレンジでしたが、こちらはカントリー風のビートに乗せて Jerry のギターと Ric のヴァイオリンが絶妙なユニゾンを聞かせてくれます。また同メドレーでマンドリンを弾いているのは、後に Jerry と The Hellecasters を結成することになる John Jorgenson です。

参加ミュージシャンについても少し触れておきますね。Dave Pegg, Gerry Conway, Ric Sanders は FAIRPORT 時代の旧友。Freebo は Bonnie Raitt のバンドに在籍していたことで知られるベーシストで、Jerry とは古くからの付き合いだそうです。Little Feat の Paul Barrere や DREGS の T Lavitz らと結成した The Bluesbusters で二枚のアルバムをリリースしています。DREGS ファンはこちらも要チェックですね(笑)。本作でバンジョーをプレイしている Dave Peacock は元々ギタリストで、元 Heads, Hands & Feet の Chas Hodges と組んで Chas & Dave というデュオで活動中です。

"Telecasting" は当時イギリスのみの限定発売だったそうで、残念ながら現在では非常に入手困難な一枚になっています。しかし嬉しいことに 1998年になって、新たにリズム・セクションを録り直し、プロダクションの飛躍的な向上が図られたリニューアル版 "Telecasting Recast" がリリースされました。こちらであれば今でも比較的入手しやすいかと思います。また本作に収録されている "The Beak / The Claw" と "King Arthur's Dream" の二曲は The Hellecasters のデビュー作でも取り上げているので、そちらを聴いてみるのも手かもしれません(笑)。以下は "Telecasting Recast" のジャケットです。



あの Danny Gatton に「惑星一のベンダー男」と言わしめた Jerry Donahue。機会がありましたら是非聴いてみてくださいね。


The Hellecasters Official Website:
http://www.hellecasters.com/


"Telecasting Recast" アルバム試聴(amazon.com)
http://www.amazon.com/gp/product/B00000G14E/102-2167133-0594507

Toto / Falling In Between (2006)

2006-02-18 10:53:50 | Music > Rock/Pops
 
遅ればせながらやっと聴きましたです(笑)。ネットでは賛否両論が飛び交っているようで、かなり気になっていました。賛美を惜しまぬレビューがあるかと思えば、失望がにじむレビューもあり、バンドへの期待が高まれば高まるほど、感情の揺れ幅も大きくなるんでしょうね。僕自身、両者の言い分に共感できるところはあるわけで、結局、それぞれの思い入れや Toto に求めることの違いによるものだと思います。アルバムを聴く限り、楽曲の完成度の高さは疑いようの無い事実ですし、音楽的に低レベルだと糾弾できるようなサウンドではないですものね。

僕自身の感想ですが、レビューの読み過ぎで、ある程度予想がついていたこともあり、ほぼイメージどおりの作品でした(笑)。曲数少なめ、アルバム短めの時点で好感度大(笑)。いい曲に絞って来たんだろうなぁって思えますもの。あまり皆さんが触れていないところで、"Let It Go" のグルーヴ感、大好きです。"Jake To The Bone" にちょっぴり似ていますよね。ちなみに "Jake To The Bone" は大学時代にやっていたフュージョン・バンドのレパートリーでした(懐かしい・・・笑)。その他 "Dying On My Feet" の中間部で聴けるメロディアスな展開や "No End In Sight" のストレートなビートは心地良かったですね。一通り聴き終えての感想なのでまだこの程度ですが、しばらくは通勤のお供になりそうです(笑)。

Natalie MacMaster / Blueprint (2003)

2006-02-15 22:24:28 | Music > Celtic

Natalie MacMaster - fiddle, tenor banjo
Brad Davidge - guitar
Matt MacIsaac - bagpipes, whistles

Bela Fleck - banjo
Alison Brown - banjo
Jerry Douglas - dobro
Victor Wooten - bass
Edger Meyer - bass
Darol Anger - octave violin
Todd Phillips - bass
Sam Bush - mandolin
Phillip Aaberg - piano
Mike Marshall - guitar
Larry Atamanuik - drum
John Cowan - vocal

Kate Quinn, etc.

"In My Hands" を聴いたら次はコレ! オープニングの "A Blast" から Natalie 嬢のソリッド感に溢れたフィドリングが炸裂しています。メタラーな人には「ブラスト・ビート」でお馴染みのあの言葉ですね(笑)。もう Natalie のギアは「ドライブ」に入りっぱなしです。Victor のスラッピング・ベース、Bela のバンジョー、Jerry のドブロまで加わって「エンジン全開、突っ走れ~」ってな感じの血わき肉おどるサウンドですよ!

前作に比べると Natalie のフィドリングはスコティッシュっぽさが強く出ていると思いますね。パッと聴いた感じの印象は結構異なります。僕の勝手な推測ですが、これは意図的なんじゃないかなぁって思うんですよね。というのも、今回 Natalie のバックを担当しているのは超一流のブルーグラス・ミュージシャンたちばかり。上手さゆえ、どうしても洗練されたサウンドになってしまうんですよ(笑)。つまり前作のように滑らかさを前面に出したフィドリングではバンドのサウンドに溶け込み過ぎてしまうかもしれない。聴きやすさという点ではそれも一つの選択肢でしょう。しかし、やはり Natalie はケルティック・フィドラー。あえてブルーグラス・サウンドとは強いコントラストを描くようにザクザクと切り込んでいくフィドル・スタイルを貫く決心をしたんじゃないかなぁって思えるんです。いい加減なことを書いていますが、まあそんなことを考えながら聴くのも一興ですね(笑)。

このアルバム、ブルーグラス・ファンにとってはケルト・ミュージックに触れるいいキッカケになるのではないでしょうか。新しい世界への旅をこういったコラボから辿っていくのも面白いと思います。Darol Anger, Mike Marshall, Todd Phillips といった Montreux 組も参加していますからドーグ・ミュージックの雰囲気も味わえますよ。個人的には元 NGR の John Cowan が "Touch Of The Master's Hand" でまんま一曲唄ってくれたのが嬉しかったですね。相変わらずソウルフルでエネルギッシュな声がたまりませんわ(笑)。Phillip Aaberg はウィンダム・ヒル好きの方にはお馴染みのピアニスト。"Appropriate Dipstick" で粋なコントラバスを聞かせてくれるのはクラシック界とブルーグラス界を股に掛けた活躍で人気の Edger Meyer です。皆、本当に素晴らしいミュージシャンたちですよね。

いつも参加ミュージシャンの紹介ばかりになってしまいますが、「音」だけはどれだけ頑張っても言葉じゃ伝え切れないです(笑)。聴いて、触れて、浸ってくれたら嬉しいな~って。人としての様々な感情が Natalie のフィドルを通して語られる素晴らしい音楽です。ふと衝動を感じた方は今がそのタイミング! 是非聴いてみてくださいね♪


Natalie MacMaster Official Website:
http://www.nataliemacmaster.com/


"Blueprint" アルバム試聴(cd Universe)
http://www.cduniverse.com/productinfo.asp?pid=6190302

Cliffs Of Dover のカヴァー曲!

2006-02-14 00:04:42 | Music > EJ
 
先日 tk9630 さんのブログで Michael Coppola というギタリストの記事がアップされていました(こちら)。そこで目を引いたのが "Monster Guitar" というアルバム。オープニング曲が何と我らが王子の "Cliffs Of Dover" のカバーなんです(笑)。こいつぁ、聴かねばなりません。しかし先立つものがございません。さぁ、どうしたものか・・・。ならばとネット検索して試聴サイトを見つけました。"Cliffs..." のオリジナルをご存知の皆さん、是非聴いてみてください。かなり意表を突かれるアレンジですよ!(笑)

http://www.cdbaby.com/cd/mcoppola3

★Rod Morgenstein ディスコグラフィー★

2006-02-12 01:02:01 | Music > DREGS
 
どの程度需要があるかはわかりませんが、DREGS/SMB 関連ディスコグラフィー第三弾 Rod Morgenstein 篇です(既発表曲のみ収録のコンピ盤などは除外しています)。毎度のお願いになりますが「他にも参加アルバムを知ってるよ」という方がいましたら、情報ヨロシクです!

[1975] The Great Spectacular / Dixie Dregs (CD)
[1977] Free Fall / Dixie Dregs (CD)
[1978] What If / Dixie Dregs (CD)
[1978] Hotels, Motels And Road Shows / Various Artists (CD)
[1979] Night Of The Living Dregs / Dixie Dregs (CD)
[1980] Dregs Of The Earth / The Dregs (CD)
[1981] Unsung Heroes / The Dregs (CD)
[1981] I Wonder How Does Tarzan Shave [single] / Patrick Walsh (EP)
[1982] Industry Standard / The Dregs (CD)
[1983] On My Own Two Feet / Paul Barrere (LP)
[1984] The Introduction / Steve Morse Band (CD)
[1984] Extended Play / T Lavitz (LP)
[1985] Stand Up / Steve Morse Band (CD)
[1986] Storytime / T Lavitz (CD)
[1986] Meanings Of / Mark O'Connor (CD)
[1986] Men From Glad / Darryl Rhoades (CD-R)
[1987] From The West / T Lavitz (CD)
[1988] Off The Record / The Dregs (CD)
[1988] Winger / Winger (CD)
[1989] Divided We Stand / The Dregs (CD)
[1989] High Tension Wires / Steve Morse (CD)
[1989] Karate Kid III / O.S.T. (Winger) (CD)
[1989] Heart Like A Gun / Fiona (CD)
[1990] In The Heart Of The Young / Winger (CD)
[1991] Mood Swing / T Lavitz (CD)
[1991] Bill And Ted's Bogus Journey / O.S.T. (Winger) (CD)
[1992] Bring 'Em Back Alive / Dixie Dregs (CD)
[1992] Hub City Kid / Dave LaRue (CD)
[1993] Pull / Winger (CD)
[1994] Full Circle / Dixie Dregs (CD)
[1994] Burning For Buddy / Various Artists (CD)
[1997] King Biscuit Flower Hour Presents / Dixie Dregs (CD)
[1997] Alive Down South / Various Artists (CD)
[1997] Thisconversationseemslikeadream / Kip Winger (CD)
[1997] Guitar Haus / Dan McAvinchey (CD)
[1998] Rudess Morgenstein Project / Rudess Morgenstein Project (CD)
[1999] Laughing Water / Jazz Is Dead (CD)
[1999] When Pus Comes To Shove / Platypus (CD)
[1999] Speak! (promo) / Rob Eberhard Young (unreleased)
[2000] California Screamin' / Dixie Dregs (CD)
[2000] Ice Cycles / Platypus (CD)
[2000] Hanz Of Danz / Various Artists (CD)
[2000] The Reckoning / Project: Storm (CD)
[2000] Empty Hand / Empty Hand (CD)
[2001] Great Sky River / Jazz Is Dead (CD)
[2001] The Official Bootleg / Rudess Morgenstein Project (CD)
[2001] Songs From The Ocean Floor / Kip Winger (CD)
[2001] The Very Best Of Winger / Winger (CD)
[2002] The Jelly Jam / The Jelly Jam (CD)
[2002] Rama 1 / Andy West (CD)
[2004] 2 / The Jelly Jam (CD)
[2004] Drum Nation - Volume One / Various Artists (CD)
[2004] Rhythm Of Time / Jordan Rudess (CD)
[2005] Drum Nation - Volume Two / Various Artists (CD)
[2005] Across The Landscape / Steve Yanek (CD)
[2005] Grounded / XCarnation (CD)
[2005] Balance II / Balance II (CD)
[2006] IV / Winger (CD)
[2006] Demo Anthology / Winger (CD)
[2007] The Road Home / Jordan Rudess (CD)
[2007] Live / Winger (CD)
[2007] Monster Ballads Xmas / Various Artists (CD)
[2008] From The Moon To The Sun / Kip Winger (CD)

☆今後のリリース予定☆


updated Jul 19, 2009

※ 太字は未聴。


Thanks to... 桃猫さん、チャロニーさん。

Natalie MacMaster / In My Hands (1999)

2006-02-11 07:46:06 | Music > Celtic
 
Natalie MacMaster はカナダのノヴァスコシア州北東部に位置するケープ・ブレトン島出身の女性ヴァイオリニストです。この地方はスコットランド系の移民が多く、北米でありながら今もなおケルトの文化が色濃く残っています。そんな風土を生かして作り上げられた彼女の音楽はコンテンポラリーな北米のスタイルとトラディショナルなケルトのスタイルが見事に溶け合ったゴキゲンなヴァイオリン・ミュージックです。ケルトをベースにしつつも、その枠に囚われない自由奔放なスタイルが彼女の持ち味ですね。スコティッシュやアイリッシュのフィドリングに比べるとソリッド感が少なく、非常に滑らかなタッチのボーイング(弓使い)だと思います。聴きやすさの要因の一つはこれかもしれませんね。またベース、ドラムといったリズム・セクションもバッチリ導入されていますし、コンテンポラリーなビートやラテンのリズムなど Natalie の雑食性がいい感じで前面に出ていると思います。タイトル曲 "In My Hands" の盛り上げ方なんかホント素晴らしいです(笑)。そういえば今回、タイムリーなタイトルの "Olympic Reel" を聴いて Mark O'Connor を連想したんですが、調べてみたらコンポーザーは彼だった(笑)。おまけに共演。ハハハ、今頃気付きました。でも我ながら音だけでピンと来るところは Mark のフィドリングがこびりついてるんですね、僕の耳には(じゃあ何で今まで気付かなかったんだとツッコミ/笑)。ゲスト・ミュージシャンはケルト系、ブルーグラス系からの参加。ここでも北米とケルトのつながりが見えてきます。"Get Me Through December" を唄っているのは僕の大好きな Alison Krauss だし、ハイパー・ピッカー Brent Mason や、これまた大好きなアコーディオン奏者 Sharon Shannon のプレイも聴き逃せません。またカナダ人フラメンコ・ギタリスト Jesse Cook との共演曲 "Flamenco Fling" も面白いですよ。

小難しさなど一切感じさせないサウンドは一般のリスナーにも十分アピールできる内容だと思います。「トラッド色が濃すぎるのは苦手」という方でもすんなりと聴けるのではないでしょうか。表現が乱暴ですが、イージー・リスニング系の CORRS を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。テクニック、センス、ルックスの三拍子揃ったヴァイオリニスト Natalie MacMaster を是非!(笑)


Natalie MacMaster Official Website:
http://www.nataliemacmaster.com/


"In My Hands" アルバム試聴(ARTISTdirect)
http://www.artistdirect.com/nad/store/artist/album/0,,880281,00.html