年末のご挨拶

2006-12-31 15:17:57 | Diary
 
ブログといえど、実生活のように「出会い」と「別れ」のある世界なんですよね。「別れ」というと大げさですが、ネット上の人格をサイトやブログに例えるなら、それらが無くなることには「別れ」に近い寂しさを感じてしまいます。反面、多くの方との新しい出会いもありました。そのたびに新鮮な空気がブログに流れ込んできて、色々な面で刺激を受けます。そして常連さんとの会話。長いやりとりの中でキャラクターもはっきりとしてきた方々ですから、コメントの端々に「らしさ」を感じたり、逆に思いがけない新たな一面を発見したりと楽しませてもらってます。それはきっと「皆さんから見た僕」にも言えることなんでしょうね(笑)。

この一年、僕のブログにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。単なる記事としてだけでなく、ghostwind という一個人として皆さんの中にイメージを持っていただけたなら嬉しいことこの上ありません。来年も今年同様、好き勝手に書いていくつもりですが、またお相手してくださいね(笑)。

それでは皆さん、良いお年を!!!

Shawn Lane のアルバムが再発!

2006-12-30 00:32:19 | Music > General
 
以前「OH MY G3」というお題で「自分たちの好きなギタリストを紹介し合おう!」というローカル企画に参加しましたが、その時に多くの方からお薦めいただいたギタリストの一人が Shawn Lane でした。ただ残念なことに、彼がプレイしているアルバムの多くはすでに廃盤だったんですよね。適正な価格で手に入れようとすると中々見つからず、頭の片隅にはいつも Shawn Lane の名前はあったものの、アルバムは入手できないまま月日だけが流れていきました・・・。

そんな折、年末目前にしてビッグ・ニュースが飛び込んできました。何と "Powers Of Ten", "The Tri-Tone Fascination", "Powers of Ten: Live!" の三枚が Eye Reckon Records というレーベルより再発されるというではありませんか! しかも名盤と誉れ高き "Power Of Ten" は三曲のボーナス・トラック付きで!!! すでにサイトで通販可能ですが、そう遠くない時期に国内でも流通し始める気がします(勝手な憶測ですが・・・笑)。いやぁ、楽しみですねぇ♪


Eye Reckon Records:
http://eyereckon.com

カントリー&フォーク決定盤 - ハート・オブ・アメリカ / 鈴木カツ

2006-12-29 09:33:51 | Books
 
先日「カントリー&ウエスタン大好き」という本の紹介記事を書いたが、本書の著者である鈴木カツ氏はその「カントリー&ウエスタン」という言葉に難色を示す人物である。「ウエスタン」という言葉は本来西部劇で使われる音楽を指すものであり、その紛らわしさゆえ「カントリー&ウエスタン」という言葉を使うのは慎むべきだという考えらしい。同じカントリー好きでも三者三様のこだわりがあるわけですな(笑)。その辺僕はというと「カントリー&ウエスタン」と聞けば 50年代、60年代にヒットした本国のカントリー、ジミー時田や小坂一也を始めとする日本人カントリー・ミュージシャン、日本語詞で唄われるカントリー・ソングなどを連想するくらいで、この言葉にカントリー・ミュージックを総称する意味合いは感じない。よってその対象範囲はあくまで限定される。そもそも言葉なんて、いつしか形骸的になることもあるわけで、個人がそれを嫌ったからといってどうなるものでもない。結局「ウエスタン」という言葉を使うか否かに関してはどっちでもいいというのが正直なところ。相変わらずいい加減な男である(笑)。

そろそろ本書の話に移ろう。「カントリー&フォーク決定盤 - ハート・オブ・アメリカ」はそのタイトルからもわかるとおり、カントリーやフォークを中心としたルーツ・ミュージックのガイドブックである。鈴木カツ氏が選定した総勢 180組のアーティストについて、それぞれ1ページないしは2ページを割き、簡単な経歴とお薦めの一枚が紹介されている。これだけのアーティストについて簡潔にまとめるのは大変な労力だったろう。遅筆な自分に置き換えると・・・う~ん、考えたくもない(笑)。アーティストはアルファベット順に並べられているのだが、それ自体にはあまり意味が無いように思える。探しやすさを考慮したにせよ、そんなのは巻末に索引を付ければ済むわけで、どうせなら年代順に並べるなり、ジャンルやスタイルごとに章を設けるなりしてほしかった。この手の音楽に精通している人ならともかく、これから開拓していこうという人にとってはその方が本当の意味で探しやすいといえるのではないだろうか。表紙には「180アーティスト&CDガイド」と書かれているが、これでは単なる人名事典である(苦笑)。そんな構成上の不満はともかく、内容は日本を代表するアメリカ音楽評論家が書いているだけに秀逸である。無駄のないスッキリとした文章は非常に読みやすく、焦点をぼかすことなく中庸にまとめていると思う。好奇心や探求心に満ちた人にとっては守備範囲を広げるキッカケとなるに違いない。新書サイズなので携帯に便利だし、本書の性格上、外出先での拾い読みにも向いているだろう。カントリー関連の書籍が極端に少ない国内においては是非揃えておきたい一冊である。


※何となく「である」体を使って書いてみました(笑)。



買う前に借りるのだ

2006-12-27 00:00:10 | Books
 
自分の聴きたいアルバムって、レンタル店に置いているわけでもなく、友人が持っているわけでもなく、そのほとんどが自分で買わないと聴けないヤツばかり・・・(笑)。ある程度の出費は覚悟していますが、やはり「財源」が有限であることを考えると、どこかで節約する必要性が出てきます。そんな僕の節約術は「図書館」。最近は出来るだけ本を所有することをやめました。読みたいという欲求は今も昔も変わりませんが、所有欲を極力抑えることで金銭面だけでなく部屋のスペースの節約にもなっています(笑)。確かに、何度も読み返したり、手元にあってこそ真価を発揮するような本は「自分で持っていたい」と思いますが、それ以外の本はまず借りてから購入するかどうかを決めています。詰まらない内容であれば買わずに済むわけですから、お金を払ってから「失敗だった・・・」と嘆くことも少なくなりました(笑)。

以前から本の購入にあたっては amazon.co.jp やビーケーワンなどのレヴューを参考にしていました。これは図書館を利用するようになってからも変わりません。違いといえば読みたい本が見つかったら、とりあえず図書館に所蔵されているかを検索するようになったことですね。ちなみに横浜市民である僕が利用するのは横浜市立図書館。市内に18存在する市立図書館にあるすべての蔵書をオンラインで検索及び予約することができます。また Jcross という図書館と本の情報サイトでは国内にある図書館の蔵書をオンライン検索できます。すべての図書館が対応しているわけではないですが、お近くの図書館がオンラインで利用できる環境にあるのなら、これを活用しない手はないですぞ!


横浜市立図書館 オンライン:
http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/library/

Jcross:
http://www.jcross.com

遊ぶ日本語 不思議な日本語 / 飯間浩明

2006-12-26 00:13:11 | Books
 
誤字・脱字・誤用などを指摘して悦に入る行為は好きではないですが、個人的に正しい日本語、生きた日本語といったものには興味があり、この手の本はよく読みます。それに比例して日本語が上達しているわけではないのが甚だ残念ではありますが・・・(笑)。まあ文法や用法を意識する以上に大切なことってコミュニケーションにはたくさんありますからね、とは自分への慰めか(笑)。

著者の飯間浩明氏の名前を知ったのは今から半年ほど前のこと。とある日本語の言い回しを検索していて同氏のブログがヒットしたときでした(検索語は失念)。「きょうのことばメモ」と名付けられたそのブログはちょっと変わった角度からの日本語分析が面白く、その後もたびたび訪問しては記事を読んでいました。本書はブログからリンクされていた飯間氏のホームページ「飯間浩明のことばのページ」を拾い読みしているときに偶然見つけたものです。

本書での飯間氏は決して今の日本語を嘆いているわけではありません。本旨として、時代を生きる言葉がいつ生まれ、どのように変化してきたのか、その発生や過程、必然性について著者なりの考えを述べてはいますが、押し付けがましいところは一切なく、むしろ読者と共にその面白さを共有しようという姿勢が窺えます。言語研究家が主観丸出しで批判めいた持論を展開している著書が多い中、綿飴のような甘さと柔らかさを感じる文体は稀有な存在ですね。ただ本書の性格上、括弧や棒線が多く、スムースに読み進められないところが唯一の欠点かな(笑)。


きょうのことばメモ:
http://yeemar.seesaa.net

飯間浩明のことばのページ:
http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/




Nostalgic Screensaver

2006-12-25 00:03:56 | PC > Software
 
久しぶりにソフトウェアネタをアップします(笑)。"Nostalgic Screensaver" は日本語を勉強中という greggman さんが作られたスクリーンセーバーです。フォルダ内の画像を次々と表示するだけのシンプルなものですが、その美しさにかれこれ数年愛用しているソフトです。「美しさ」が何を意味するのかは以下のページでソフトウェアの動作イメージをご覧になってください。また同ページからソフトウェアのダウンロードも可能です。思い出の写真、風景画などでお試しあれ!

Nostalgic Screensaver:
http://greggman.com/nostalgic/


教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

2006-12-24 00:27:22 | Books
 
最近、新譜を聴きこむ時間がほとんどなく、アルバム・レヴューがご無沙汰になっています。それなりに腰を落ち着けてじっくり聴かないと書けない性分なもので、毎日何かしらの音楽を聴いている割には記事として仕上がりません(笑)。ただ本であればそんなに気合いを入れずとも通勤時間や休み時間などを利用して読み続けられるので、ブログで取り上げても違和感の無さそうなものは書き留めておこうと思っている次第です(笑)。

本書は一昔前なら「アングラ本」の一言で片付けられていそうな内容ですが「2ちゃんねる」や「ウィニー」といった言葉が日常的に聞かれるこの時代、ちょっぴり裏側から見たインターネットの雑学本として興味深い情報が得られる一冊です。今のネット界に辿り着くまでの軌跡が細部にまでわたり触れられており、全500ページのヴォリュームはかなり読み応えがあります。「あやしいわーるど」、「あめぞう」、「ワレズ」といった言葉に惹かれる好奇心の塊のような方以外にはお薦めしませんが、最近読んだコンピュータ関連の本の中ではなかなか面白かったので取り上げてみました(笑)。



カントリー&ウエスタン大好き / 東理夫 編

2006-12-23 13:02:41 | Books
 
今日(こんにち)でいう「カントリー・ミュージック」がまだ「カントリー&ウエスタン」と呼ばれていた頃・・・そんな時代に青春を過ごした八人のカントリー愛好家が思い入れたっぷりに「カントリー&ウエスタン」を語ります。編者である東理夫氏の呼び掛けで集まった執筆者たちは職種もさまざまで、それぞれが自由な切り口で思い思いに書いているところがこの本の面白さです。どちらかというとエッセイ風であり、決してカントリーの解説本ではないのでお間違えなきよう(笑)。本書の性格については東氏があとがきにて的確な表現をされているので参考までに引用しておきます。

この本は、いわばカントリー・ファンの思いのたけを表出した本と言えるだろう。ファンだからこその思いを、それぞれがそれぞれに書きしるしたもので、カントリー音楽の入門案内でもなければ批評集でもなく、ましてやカントリー音楽を振興するための提言の書でもない。ようするに、カントリー&ウエスタン・ミュージックへのラヴレターというところだろうか。
本書をウンウンと頷きながら読めるのはやはり 50代、60代の方々ではないでしょうか。僕のような若輩者はどちらかというと近代カントリーを聴いてきたわけで、思い入れのある時代に多少のズレがあることは否めません。しかし飾らぬ文章からは先輩たちのカントリーに対する一途な愛情がひしひしと伝わってきます。なかでも大宅さんの書かれた章は昭和の空気に満ちた日本をノスタルジックに浮かび上がらせており、僕のお気に入りです(笑)。

なんか読み終わって、幸せのおすそわけをしてもらったような気持ちになれる、そんな一冊ですね。


本書の執筆者:
片岡義男 / 大宅映子 / 菅原千代志 / 本山賢司 / 小坂一也 / 伏見威蕃 / 東理夫 / 島田耕



感動をつくれますか? / 久石譲

2006-12-18 00:44:57 | Books
 
久石譲氏は宮崎駿監督や北野武監督の映画でお馴染みの作曲家。映画音楽だけでなく CM 音楽も数多く手掛け、誰しも一度は久石節を耳にしたことがあるのではないでしょうか。僕にとっては Ennio Morricone や Georges Delerue と並び、長年聴き続けている最愛の映画音楽家の一人です。本書はそんな久石氏が自らの心の内を語った一冊。それは彼の半生を綴ったバイオグラフィーでも、膨大なディスコグラフィーの解説でも、はたまた長いキャリアの苦労話や裏話でもありません。もちろん経験談としてその手の話もチラッと顔を出しますから、ファンとしては聞き逃せない話ではありますが、本書の趣旨である「創造力とは何だろう」、「感性とは何だろう」といった哲学的な命題に真っ向から挑み、彼が人生を通して学んだことを一人の人間として語ってくれます。『角川oneテーマ21』というシリーズの一冊であることは、本書を啓蒙的な内容であると思わせるかもしれませんが、押し付けがましいところは一切無く、「人はこうあるべきだ」ではなく「私はこう生きている」という久石氏の考えが述べられているに過ぎません。感性の近い人は共感するでしょうし、そうでない人はそういう考え方もあるのかという捉え方でいいのではないでしょうか(僕自身、賛同できる部分とそうでない部分の割合は9:1くらいでした)。文章は彼の音楽ほど完成されておらず、決して物書きとして優れているとは思いませんが、彼の生み出す音楽同様、人間臭くそして温かい語り口につい惹き込まれてしまいました。

読み終えて、彼の音楽だけでなく『久石譲』という一人の人間としてもますます興味を持ちましたね。また「今の自分の舵取りは決して間違っていない」という強い後押しともなりました。彼のファンだけでなくクリエイティブに生きる多くの人に読んでもらいたい一冊です。タイトルの「つくる」という動詞にあえて「作・造・創」という漢字を当てなかったのはクリエイティブな世界を限定的に捉えたくないという久石氏の気持ちの表れでしょうか。



アイリッシュ・ミュージック・ディスク・ガイド

2006-12-16 13:38:01 | Books
 
最近、プライベートで聴く音楽がすっかりケルト一色になってきました(・・・ってプライベート以外で音楽を聴くような職業に就いているわけではないんですが/笑)。例年、秋から冬にかけてトラッド系を聴くことが多くなるので自分にとっては自然な流れかもしれません(笑)。家にはまだ MP3 化していないケルト系のアルバムが結構あるので、気になるものから少しずつリッピング作業をしています。ふと買いそびれたアルバムを思い出したりして、財布の中身とご相談といったところです(笑)。・・・とまぁこのまま書いていくと単なる近況報告で終わってしまうので、先日取り上げたしたケルト・ミュージックのガイドブック「アイリッシュ&ケルティック・ミュージック」の姉妹書ともいうべき一冊を紹介したいと思います。

本書はタイトルが示すとおり、アイルランドのトラッド・ミュージックを中心としたディスク・ガイドです。200字程度でまとめられたわかりやすいレヴュー付きで多くのアルバムが紹介されています。「グループ編」、「シンガー編」は「アイリッシュ&ケルティック・ミュージック」に近いフォーマットですが、「プレーヤー編」では、フィドル、アコーディオン&コンサティーナ、イーリアン・パイプ、ハープ、フルート&ホイッスル、ギター&ブズーキ、バウロン&ピアノ&作曲ほか、と細かく分けられており、アイリッシュ・トラッド・ミュージックで使われている楽器に興味を持ち始めたリスナーにとってはこの上ないガイドになっていると思います。お気に入りのアルバムに出会える確率がグーンと上がるのではないでしょうか。「アイリッシュ&ケルティック・ミュージック」同様に良書ですので、どこかでお見かけの際は是非ご覧になってみてください。



インスタントストア

2006-12-13 20:29:47 | Music > General
 
amazon.co.jp で「インスタントストア」なるものを開いてみました(笑)。まだ作り掛けで中途半端な状態ですが、公開しながら大きくしていくつもりです。アソシエイト目的というよりはリストマニアに代わるミニ・ディスコグラフィー的なものを作りたかっただけなので、あまりストアっぽくはならないと思います(笑)。アイテムは amazon.co.jp で取り扱っているものに限定されますが、新たな音楽世界の発見につながれば嬉しいですね。ストア構成は、ただ商品をカテゴライズして並べているだけではつまらないので、何か面白いアイデアを見つけて楽しめるものにしたいです。ブログ同様、気ままにのんびりと作っていくので時々覗いてやってください(笑)。

ghostwind の小さな世界:
http://astore.amazon.co.jp/ghostwind-22

東儀秀樹氏のインタビュー

2006-12-11 00:00:42 | Music > New Age
 
ピーター・バラカン氏を検索していたら偶然見つけた東儀秀樹氏のインタビュー。彼は雅楽演奏家としてその世界のみならず幅広いシーンで活動を続けているアーティストです。求職・転職情報サイトが聞き手なので音楽について深い話はありませんが、仕事や生き方に対する東儀氏なりの哲学がわかりやすい言葉で語られています。僕自身はとても共感できる内容でしたね。人生の岐路に立たされている方、ちょっとだけ覗いてみませんか? そして僕と同じように共感できたなら、彼の音楽にもきっと魅力を感じることができると思いますよ。


inext i-interview この人のワークスタイル 01 東儀秀樹:
http://www.i-next.co.jp/interview/tougi01.html



ブログ&掲示板 攻撃・防衛マニュアル

2006-12-10 12:31:01 | Books
 
店頭で偶然目にしたネット関連の本。物騒なタイトルですが、どこかを『攻撃』しようなんて気はさらさらありません(って当たり前か・・・笑)。ただ何か起きる前の『防衛』策としてこういう本を読んでおくのは無駄にならないと思います。

購入者を煽るような「第一部 攻撃編」と名付けられた章ではブログや掲示板を攻撃する者が良く使うワザが紹介されています。ネットワークのアーキテクチャやプログラミングといった技術的な側面からの解説はされておらず、そのほとんどは心理戦で優位に立つ方法や既製ツールの使い方に終始しています。攻撃者の視線で書かれた内容は読んでいてかなり不快です。「追い詰めてやれ!」的ニュアンスに嫌悪感を覚える人も少なくないでしょう(著者はこれを得意げにやっていたのでしょうかね)。こういう中途半端な知識はやみくもにいたずら目的の攻撃者を増加させるだけという気もしますが、それを知らずして防御の側にも回れないということで、やはり攻撃者の心理や手法も知っておくべきなんでしょうね・・・。

本書でのメインである「第二部 防衛編」ではネット社会と言えど『人』対『人』であることを踏まえ、攻撃者に対してソーシャル的に心理的にどう対応すべきかが論じられています(といってもそんな堅い内容ではないですが)。ネットというものに見えない恐怖を感じている方は「何が本当で何がウソなのか」、「攻撃やいたずらの目的がどこにあるのか」、そういったものを知る手掛かりとなるのではないでしょうか。スパム・クローラーのような自動化されたプログラムによるコメントやトラックバックならまだしも、実際の人間が行う悪意に満ちた行為の場合、それを解決するのは一筋縄でいかない場合が多いですからね。幸い僕はそういう目にあったことはないですが、人間関係のトラブルで閉鎖されたサイトやブログはいくつか目にしてきました。すべてのネット住人が正しいマナーを身に着けていればそういった悲しい結末を迎えることはないのでしょうけれど、現実世界と同様、それは単なる理想に過ぎません。ネット世界に潜んでいる悪意から自分を守るのはやはり自分ですし、本書がどうこうは別にして、「被害を最小限にとどめる術」、「トラブル発生時の連絡先機関」はしっかりと把握しておいたほうが良さそうですね。



辛ラーメン

2006-12-05 22:33:15 | Food
 
先日、本場韓国ではカップラーメン市場の70%のシェアを誇るという「辛ラーメン」を食べました。辛いものは結構好きな方ですが、そんな僕でもこれはかなりホットに感じましたね。意味もなく辛いだけの食べ物は遠慮しますが「辛ラーメン」は麺の食感が独特で、スープの辛さだけでなくトータル的にも美味しいと思える味でした。フタに書いてある「辛い! 旨い! 本場韓国の味」にウソ偽り無しといったところです(笑)。

アイリッシュ&ケルティック・ミュージック

2006-12-02 17:09:28 | Books
 
ケルト音楽に興味を持たれた方に是非読んでいただきたいお薦めの一冊。総数400枚に及ぶディスク・レビューを始め、アーティストのバイオグラフィーやインタビュー、コラムなど非常にわかりやすく丁寧に書かれており、ケルト・ミュージックの入門書・手引書として入門者からコアなファンまで十分に楽しめる内容です。発刊が1997年なのでディスコグラフィーとしては若干古い部分もありますが、実用においてほとんど問題はないでしょう。正直これ一冊あれば僕がブログでケルト音楽を取り上げる必要はないですね(笑)。値段も2000円と手ごろです。

「アイルランド編」を中心にスコットランドやフランスのブルターニュからアメリカやカナダのような離散先のケルト圏のアーティストまで幅広く取り上げています。アーティスト単位での紹介としては、

Altan, The Chieftains, Clannad, Davy Spillane, De Dannan, Donal Lunny, Dolores Keane, Mary Black, Patrick Street, Paul Brady, Sharon Shannon, Arcady, Christy Moore, Deanta, Dervish, Frances Black, Maura O'Connell, Nightnoise, Capercaillie, Dick Gaughan, Alan Stivell, Dan Ar Braz, Milladoiro, Loreena McKennitt, Runrig, Sileas, Tannahill Weavers, Seamus Egan / Solas, etc...

といった面々! 大御所 CHIEFTAINS を押さえてのトップ紹介が Altan というあたり、彼らが名実ともにケルト・ミュージック界最高峰のバンドであることを伺わせますね。それぞれにミニ・バイオとお薦めアルバムのレビューが掲載されていてアーティスト・ガイドとしては最適です。ピックアップ・アーティスト以外は 300字ほどにまとめられたアルバム単位のレビューとなります。当時までの重要アルバムはほぼ網羅された充実度であり、発刊後ちょうど十年となる来年あたり、新たな十年分のアルバムを追加した補訂版が出ると嬉しいんだけどなぁ(笑)。

本書は複数名の執筆者による共同著書になっており、編者として山尾敦史氏がクレジットされています。あとがきで山尾氏は「本書の中で自分が聴いたことのあるアルバムは87枚だった」と明かしており、自分のことを「門前の小僧状態」と表現されています。僕もざっと数えたところ持っているのは三分の一くらいでしたから、そういう意味ではまだまだビギナーですね(笑)。まあディスコグラフィーの完全制覇が目的ではないですし、何でもかんでも聴けばいいというものではないですが、400枚というアルバムのレビューは聴きたいと思わせるアルバムの発見に事欠かないでしょう。今回、久しぶりに読み直してみて、また何十枚も聴きたいアルバムが出てきてしまいました(笑)。

わたくしごとになりますが、実はこの本に執筆者として参加されている茂木健氏、大島豊氏、白石和良氏のお三方には学生時代にお会いしたことがあるんです(人柄は異なると思いますがシーンへの貢献度を考えると HR/HM 界での伊藤正則氏や和田誠氏のような位置付けをされる方々だと思います)。またしても昔話になりますが、当時はまだインターネットなどは普及しておらず、ケルト・ミュージック関連のアルバムは主に「タムボリン」という通販ショップを利用していました。とある号のカタログに「トラッド新譜試聴会」なるものの開催が告知されていまして、これが僕の気を惹いたんですよね。当時住んでいた家から一時間半くらいで行ける距離だったこともあり、単身参加することを決意しました。どこか広い部屋でオーディオ・システムに囲まれ音楽を聴くようなスタイルを想像していた僕は八畳くらいの部屋にミニコンポ、エアコン無しのマイ団扇持参といったまるで友達の家に集まっているかのような光景にちょっぴり戸惑ってしまいました。しかも参加されている方は互いにお知り合いのようで、集まった十人くらいのうち、単独参戦していたのは僕を含めて二人だけでした。最初は慣れない環境の中「自分は場違いだったのか?」と不安にもなりましたが、会が進むに連れ、徐々にリラックスできるようになり、僕は流れる音楽とそれについて語られる会話に耳を傾けるようになりました。とにかく集まった方の知識の豊富さに感心しきりだったのですが、後から思えば参加者の顔触れが顔触れだけに当然ですよね(笑)。試聴会終了後は近くのファミレスで軽食を取って解散となり、実はそのときにお三方の素性も明らかになったというわけです。十年以上昔のことですし、三氏はもうこのことを覚えてらっしゃらないと思いますが、僕にとっては学生時代の忘れられない思い出の一つです(笑)。