Mario Fasciano / E-Thnik (2005)

2005-06-12 11:02:57 | Music > Morse

Steve Morse, Ian Paice, Don Airey の DP 組が参加!

HMV は基本的に価格が高いのであまり利用することはないのですが、他店での在庫及び取り扱い状況によっては唯一の選択肢になることがあります。今回は Mario Fasciano の "E-Thnik" というアルバムがそれにあたりました。eMedia では取り扱っておらず、amazon では在庫切れ、HMV のみバック・オーダーが掛かったものの何とか入手することが出来ました(ちなみに HMV、amazon では "E-Think" とスペル・ミスしているので検索時には注意)。

Mario Fasciano はイタリアはナポリ出身のミュージシャンで、プログレ・ファンの中には Rick Wakeman とのデュオ・アルバムでその名を耳にしたことがある方もいると思います。現在は主にラジオやTV、舞台などの音楽アレンジャーとして活躍しているようです。本作はクレジット上は Mario Fasciano, Steve Morse, Ian Paice, Don Airey の連名ですが、実際は Mario の作品に Deep Purple の三人が協力したといったところでしょう(DP の三人は作曲等には関与していません)。音楽性はカンツォーネとまではいきませんが、Mario のヴォーカルを中心としたイタリアン・ミュージックで、随所で聴かれるアコーディオンのメロディなどからもその雰囲気が強く感じられます。総勢15名ほどのミュージシャンが参加していますが、クレジットの詳細が載っていないため、誰がどのパートを担当しているかは不明です。Steve はエレクトリック・ギターとアコースティック・ギターの両方をプレイしているものと思われます。

アルバムはアコースティック・ギターをバックにのどかに唄われる "O Nainana" で幕を開けます。2曲目の "La Notte Delle Stelle" は SMB の "The Whistle" を連想させる小曲。この曲のアコースティック・ギターは間違いなく Steve のプレイでしょう。Ian らしいドラミングと Don のプレイと思われるオルガン・プレイが聴ける "Tarantella A Dispetto" は DP ファンへのアピール度が高そうです。続く4曲目では Steve らしいエレクトリック・ギターでのクロマティック・フレーズが飛び出してきてニヤリとさせられます。5曲目はピアノとキーボードが美しいバラードで、フルートの音色がトラッド的な雰囲気を醸し出しています。フルートの調べはそのまま6曲目に流れていきますが、先ほどまでとは打って変わり、コンテンポラリーなビートにオルガンが炸裂したプログレ的なムードが展開します。その後、ヴォーカル・メインの楽曲が3曲続いた後、ラストを飾る "O Mare E L'anema" では一転してロック・サウンドになります(ちょっとチープな感じに苦笑)。ハイトーンのヴォーカルは Mario ではないようですし、ギター・プレイも一聴して Steve ではないです。正直言って、この曲は収録しなかった方がアルバムとしてのバランスはよかったでしょうね。

Steve のアコースティック・ギターやクリーン・トーンを中心とした渋めのプレイに興味のある方で、ワールド・ミュージックをすんなり受け入れられるのであれば、面白い一枚になると言えるでしょう。


HMV - Mario Fasciano / E-Thnik:
現在国内で購入できるのはここくらい? お早めに。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1080315

Self Distribuzione - Mario Fasciano / E-Thnik:
イタリアの海外通販サイト。イタリア語と英語のページがあります。
http://www.self.it/eng/details.php?nb=8021939306928

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