廃盤日記(増補改訂版)

めざせ!日本全国の中古盤店制覇!(by じみへん)

★クリムゾン・キングの宮殿~ORIGINAL MASTER EDITION

2005年04月15日 | MUSIC
 
キング・クリムゾンの名盤中の名盤である1st 『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』 のマスターテープが管理倉庫の中から新たに発見された、というニュースを聞いたのは今年に入ってからだったろうか。そのオリジナル・マスターテープを使用した最新版の 『クリムゾン・キングの宮殿~オリジナル・マスター・エディション』 がコレです。アマゾン税込価格1580円でした。

一聴して判るのが音の粒の細かさ。今まで音の壁に潰されて聴こえて来なかった音や、とりわけ無音部分に隠れていたノイズ音のひとつひとつがくっきりと際立って聴こえるようになったというのが最大のポイントでしょうか。SACDやDVDオーディオでもない通常のCDでここまで聴こえるようになったというのは、さすがマスターテープ直落としの効果絶大であります。今まで聴いて来た 『宮殿』 がまるでニセモノように思えてしまうから不思議であります(笑)。

オリジナル・マスターを元に、2004年9月に新たに24bitリマスターし直しされた今回のエディションが、今後 『宮殿』 の基本音源になるとロバート・フリップ翁も語っておりますので、これから再発される 『宮殿』 に関しては、今後すべてこちらのマスター・エディションに差し替えられたものが店頭に出回ることになると思われます。今まで1stのマスターは紛失してすでにこの世に現存しないとまで断言されていただけに、今回のマスターテープ発掘というのは非常に画期的な出来事だったと云えます!!とにかく全世界のクリムゾンファンの方は、早くこのエディション版を聴いてみて下さい。今までも名盤中の名盤と云われ続けて来ましたが、こうやってオリジナル・マスター・エディションで聴いてみると改めてこのアルバムのスゴさが再認識できること間違いなしです。必聴必携盤です!!


◎KING CRIMSON 『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING~ORIGINAL MASTER EDITION』 (DGM0501)

01. 21ST CENTURY SCHIZOID MAN including MIRRORS
02. I TALK TO THE WIND
03. EPITAPH including MARCH FOR NO REASON and TOMORROW AND TOMORROW
04. MOONCHILD including THE DREAM and THE ILLUSION
05. THE COURT OF THE CRIMSON KING including THE RETURN OF THE FIRE WITCH and THE DANCE OF THE PUPPETS

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★文庫本 「リリー&ナンシーの小さなスナック」 文春文庫

2005年04月15日 | BOOK
 
文春文庫の今月の新刊、今は亡きナンシー関とリリー・フランキーの共著 『リリー&ナンシーの小さなスナック』 (税込価格570円)です。超人気イラストレーター二人(※一人は消しゴム版画ですけど!)による、最初で最後の対談集で、初出は女性誌 『CREA』 でした。ナンシー関の消しゴム版画は有名で、あちこちの雑誌で拝見しており昔から知っておりましたが、リリー・フランキーというのは正直、謎の人物でありました(笑)。名前だけで判断すると日本人ではなく、完全に外国人もしくはハーフの人だろうと勝手に想像しておりましたが、実際には100%生粋の日本人(しかも男性)でした(笑)。リリーさんの名前を初めて知ったのは、音楽雑誌 『クロスビート』 誌に掲載しているイラストが最初だったと思います。面白い絵を描くなあ~、手描き文字のコメントも最高だぜ!と思っておりましたが、それは書き手が外人だからそう思っていた訳で、これが実は日本人の手によるものだと判った時は少しカルチャーショックを受けましたね(笑)。こんな絵とコメントでも仕事になるんだ!!とある意味、食うためには手段を選ばないというより、お金を稼ぐのに常套手段などない、何でもありなのだ!!という社会勉強をさせていただきました。リリーさん、どうもありがとう!!

さて、この手の対談集ですが、過去にも同様の企画の対談本が山ほど出ておりますが、大抵の場合は片方が作家で、もう片方がイラストレーターというのが普通の組み合わせ方でした。この本のように両者ともイラストレーター兼コラムニストという形態は非常に珍しい組み合わせだと思います。しかもどちらも個性派で辛口コメントを売り物にしている訳ですから、これで面白くない訳がありません(笑)。案の定、通勤時間内だけで爆笑の内に読破してしまいました。満員電車の苦痛の移動時間も本書があればあっという間に会社に到着してしまいます。この文庫本をそんな不思議な「どこでもドア本」と命名したいと思いますね(笑)是非ご一読を!!