教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

不安定な経済社会の理由はM.ヴェーバーも答えている

2010-07-24 09:03:13 | 
経済成長という病 (講談社現代新書)
平川 克美
講談社


☆本書のように、経済成長に対する批判、あるいはネガティブな指摘は

☆多くの論者が語っている。

☆しかし、格差社会も、少子高齢化社会も、その危機は

☆GAPを表すスコア、人口減少率のスコアなど、

☆比較相対的視点でのみ煽るスタイルのものが多い。

☆サイバースペースやネット社会の危険性も

☆その闇の部分のみを指摘して、どうだ怖いだろう

☆というストーリーで煽る。。。

☆その点、本書は、物の見方を変えてみようという

☆描き方だから、自分たちが各領域・分野で強迫観念に縛られていたことを

☆気づかされる点において共鳴できる。

☆しかし、なぜこんなに経済は不安定なのか、経済成長を欲望しなければ

☆ならないかの、基本的な視点が確認されていない。

☆それについて、丁寧に論じているのが

☆ジャック・アタリである。

☆民主主義と市場は表裏一体でありながら、どこにズレがあるのか。

☆しかし、民主主義自体の闇もそのズレの前に既にある。

☆経済の暴発は、自由主義に問題がある。だから法の整備だと

☆いうことでないことがおもしろい。

☆自由主義は、本当は自由が貫徹できていないから、問題であり、

☆そこがインサイダーになっているから、経済は暴発する。

☆暴発することで得をするのは、資本家ではもはやないと・・・。

☆しかし、さらにその点をわかりやすく描いているのが

☆マックス・ヴェーバーの「宗教社会学論選」。

☆世には膨大な経済分析の本があるが、

☆本当にテクニカルで、ファンダメンタルズの部分は

☆軽視されている。それも考えてみれば当たり前だ。

☆ファンダメンタルズの視点は、ヴェーバーがすでに

☆語り、そこは普遍的で、あとは変奏曲でしかない。

☆商売は、日々新たなものを生み出す必要がある。

☆それを可能にするのは、表層部分。

☆ここで一喜一憂するからこそ市場はなんとかなる。

☆ジャック・アタリのすごいところは、

☆テクニカル領域とファンダメンタルズ領域を

☆結びつけて世界を描けるところだ。



金融危機後の世界
ジャック・アタリ
作品社



宗教社会学論選
マックス・ヴェーバー
みすず書房


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