教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

受験勉強で思想する

2012-01-01 14:09:17 | 
大学受験に強くなる教養講座 (ちくまプリマー新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房


☆最近東大生や早慶、ストラスブール大学の大学生と対話する機会が多い。

☆ラーンニングアドバイザーとかチューターとかの活動を行っている学生たちである。

☆20年ぐらい前までだったら、塾や家庭教師などのバイトがメインだっただろうが、

☆89年ベルリンの壁が崩壊して、新しい学びの理論が広まってきたり

☆新しいリクルート活動が始まってから、

☆学校や会社でインターンシップ的なチャンスが増えてきたからだろう。

☆そこで、中高生の最近接発達領域をいっしょに見出す活動をするのであるが、

☆いったいいかにしてかというのは、この理論を編み出したヴィゴツキーや

☆構成主義的教育論に与する学者は解答をだしてはいない。

☆しかし、フロイトではないが、本人があることに気づくと

☆あっ!わかったとなる瞬間がある。

☆この瞬間を見出すために、中高生と実際にかかわり、

☆ともに振り返り、再度振り返りの対話をするのであるが、

☆大学生は、自分たちは意外にも受験勉強時代に見出しているというのである。

☆よく受験勉強というと、知識を暗記するということが前面にでるが、

☆それはある重要な一面を忘れているというのである。

☆なるほどっと腑に落ちてから、暗記は膨大にできるのであって、

☆その納得!とかわかった!とかいう経験が暗記の大前提だと。

☆それは何?あるいはどういうプロセスを歩いていたの?ときくと、

☆「構造」ですねと。そしてみな頷くのである。

☆そしてそれが見えるようになると、あとは自動的に覚えられるし、

☆ほかの教科も見えてくるというのである。

☆してその構造とは?

☆表現は違うが、パラグラフリーディングやパラグラフライティングの話だったり

☆ロジカルシンキングの話だったりする。

☆そして、ジレンマ、パラドクス、ルサンチマンの構造へと。

☆突然、文学理論や詩の話が、早稲田の政経の学生から出てくる。

☆麻布出身の早稲田の政経の学生は、北田氏や東浩紀氏の論をベースに

☆金融業界の話をし始めたり・・・。

☆慶応の言語をベースにリサーチをしているSFCの大学院生は

☆その話を聞きながら、すみやかに自然言語を数学的に変換し、

☆テキストマイニングの方法をいかに構造化するか、プログラミングするか

☆楽しそうに話しはじめる。

☆東大生は、ミクロというか目の前の現象や事柄、言説に全体の構造をいかにして見出すか

☆という話をし始める。

☆学際的ではなないか♪

☆interdisciplinaryじゃないか♪

☆すでに大学入試は変わっているではないか♪

☆どうして?なぜなのか?

☆その理由が、本書で了解できる。

☆カール・ポパーやベイトソン、

☆ニーチェまででてくる本書。

☆それらが、みなリンクスしているのであり、

☆しかも、それは英語から現代文に接近し、

☆現代文から英語に接近する方法論が展開している。

☆知のリンクスと英語と日本語のインタラクティブな対話。

☆これが大学入試の勉強として学ばれているコンテンツであり

☆プロセスだったのである。

☆本書の作者は、新人類世代。大学生のころベルリンの壁の崩壊の音を聞き、

☆バブルがはじける音も聞いている。

☆その世代が予備校や大学で教鞭をとっているのである。

☆教育現場のステレオタイプを堅固に保守している団塊の世代が

☆退きつつある今、世代交代がパラダイムをやっと変える時代の音を

☆大学生との対話で聞き、本書で納得できた。

☆ただし、本書では、帰国生の大学入試の武器にはならない。

☆国内生には大いに役に立つのに、

☆帰国生には何かが足りない。

☆この溝を文科省が気づかない限り、

☆グローバル人材育成はなかなか難しいのだろう。

☆小さな安心を犠牲にし、大きな安心を考えよ

☆などと団塊の世代は唱えるが、

☆小さな安心の中に大きな安心のヒントが入れ子構造のようにあるのである。

☆この螺旋を解明せずに、リニアな還元主義をいつまでも唱えていたのでは、

☆今年もまた変わらない。

☆しかし、世代は自然に避けがたく代わるのである。

☆40年前に新人類とあったとき、

☆変わったおもしろいヤツだと思ったが、

☆2012年はその新人類の時代である。

☆本書はその新人類の志向性の一つである。

☆そして新人類がサイバースペースとリアルスペースのダブルバインドを

☆解くとき、さきほどの溝は埋まる。

☆しかししかし・・・、

☆なんとその溝を埋めることは、全共闘世代である

☆団塊の世代の夢に回帰する。

☆なるほど永劫回帰・・・・・・。

☆その実感は、ストラスブール大学の学生と話していると

☆わかる。もちろん彼らは、フランス語ではなく日本語で話してくれる。

☆だからこそ、あることが見えるのである。

☆悠久の歴史と伝統について語り、

☆未来に向かって、たのしく語る。

☆いくつものRをくぐりぬけ、

☆いつも同じ場所に立ている。

☆永劫回帰。

☆だからこそ、いつも同じ場所に立っているのに

☆うつろいゆく日本の姿はおもしろいのである。

☆ロジカルであればあるほど、螺旋に内包されてしまう

☆不思議な思考である。

☆彼らの多くは日本のアニメが好きである。

☆デジタルであろうと、ゲームであろうと、

☆もののけものであろうと、

☆結界をいききする、次元をいききする

☆思想が反映しているからだろう。

☆自分たちとは違う永劫回帰がそこにある・・・。

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