かめはめ波と北斗剛掌波の関係

2012-12-08 20:39:06 | 未解明
「かめはめ波の元ネタは北斗剛掌波」というのは違うと思うんだが、詳しい時系列が探しても見つからなかったので自分で調べた。

結論から言うとラオウが北斗剛掌波を初めて使ったのは昭和61年14号
かめはめ波を亀仙人が使ったのは昭和60年14号。かめはめ波のほうが早い。

ただし、詳しく見ると逆転の可能性がある。ラオウが「掌から出る闘気による攻撃」を出したのはもっと前、昭和60年5号?6号?(単行本から掲載号が特定できなかった)で、かめはめ波より少し早い。
というわけで、手から飛び道具を出す技は、かめはめ波より北斗の拳のほうが早かった
(この「闘気」は技名を言わなかったものの、のちの剛掌波と同一の技と見ることもできるが、ここでは分けて考えることにする)

しかし、かめはめ波は本当に剛掌波、または「闘気」と似てるのだろうか?
ラオウの発した闘気は、ビーム属性の「かめはめ波」と似ない衝撃波である。
北斗の拳も元斗編になるとビーム的な技を多用するようになるが、これは言うまでもなくドラゴンボールのかめはめ波より後である。逆に影響されていると見るべきだ。
北斗剛掌波も終盤で使ったものは完全にかめはめ波になっているが、最初にケンシロウに使った剛掌波の描写だと飛び道具かどうかもはっきりしなかったりする。
なお、原作で北斗剛掌波を使う回数は非常に少ないらしい。ラオウが一度使った後は、光帝バランの登場まで使わないのである。だから「2回目からかめはめ波になっていた」ということである。アニメ版は違うかもしれないが。

他の類似技についても検討する。「天破活殺」は、かめはめ波的ビームを発する技であるが、これの登場は昭和60年36号とのこと。後発だった。
もうひとつ見逃されている技がある。「北斗有情拳」(北斗有情破顔拳)が手からビームを出している。この技が出たのはラオウが闘気を発したのより先の昭和59年50号であった。
つまり、手から光線を発する技を使ったのはラオウよりトキのほうが先

しかし、手からビームを出す技って起源を特定しなきゃいけないほど突飛な技なのだろうか。構えから光線を発する技としてはスペシウム光線という超有名な技があるし、他にも怪獣とかロボットとかが使ってるんじゃないだろうか。
北斗の拳とドラゴンボールには、中国拳法的なイメージが共通して見られるし、もちろん同時期の漫画だから相互に影響もしていたんだろうが、どちらも厳密な元ネタとは定まらないんじゃないかと個人的には思う。

かめはめ波の特徴は構えにある。これは「胡蝶掌」などと呼ばれる少林拳の技(型?)が元ネタのようで、手をかざすだけの北斗の拳の飛び道具とはイメージが異なる。なお同じく少林拳に由来して、そっくりな構えが「仮面ライダースーパー1」に出てくるが、この番組は1980年だそうである。意外とこっちの影響もあるかも。
また、外見上かめはめ波に似ている光線技は先発のDr.スランプに出てきた「んちゃ砲」であり、これは格闘技よりも波動砲のようなSFアニメの武器に元ネタがあると見るべきである。メガ粒子砲かもしれない。

「かめはめ波」を構成しているそれぞれの要素に特異なものは少なく、覚えやすい名前、視覚的にわかりやすい効果の組み合わせが絶妙だったといえる。

まとめ
・「手から飛び道具を出す技」を最初に使ったバトル漫画はドラゴンボールではなく、少なくとも北斗の拳のほうが早い。
・しかし、「北斗剛掌波」は「かめはめ波」より後である。先に使われたのは「北斗有情拳」。「掌から飛び道具を出す技」という条件なら「技名なしの闘気」のほうが早い。
・ただし「闘気」は「かめはめ波」と同一の技とは言えない。

たぶん北斗の拳より以前にも似たような技はあるんじゃないかと思うがそこまで調べる気もない。百歩神拳(先発の闘将!拉麺男にも出てくる)というのもあるけど、これは同じ飛び道具でも「闘気」とも「かめはめ波」とも属性が違うっぽいな。