D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Live Speed On Ice('83)/Talas

2008-03-16 17:43:52 | steve vai-connection
あのBilly Sheehan(ビリー・シーン)の躍進の原点となるライヴ音源が今日の御題でございます。
私とビリー隊長の出会いは、多分に漏れずDavid Lee Roth Bandだったことは以前にも詳述しております。
その作品“Eat'em And Smile”がリリースされた当時、すぐに聴いて“なんじゃこのベース!?”とカルチャーショックを受けた訳ですネ。
ヴァイ・ショック!に関しては“ひつこい!”と言われそうなので省きますが(爆)とにかくこの2人が出てきた事が何よりも大事件でした。
で、ビリー隊長がブレイク前に率いていたTalas(タラス)というバンドの存在を知るようになりました。

程なく某レコードショップで偶然見つけたアイテムが、そのタラスの3rd作にして唯一のライヴ音源となる、この“Live Speed On Ice”なんです。
発見時は中古の輸入盤でしたが、後日CD音源も確保に至っております。

タラスは'71年にバッファローで結成され、'78年に1st作“Talas”でレコード・デヴューを果たしており、当時はビリー隊長の他、Dave Constantino(g,vo)、Paul Varga(d)というラインナップでした。
コンスタンティーノはブルージーで堅実なタイプのギタリストでしたが、ビリー隊長が書いた“Shy Boy”のオリジナルを聴いても明らかなように、テクニックも面で役不足であったと言わざるを得ません。
ビリー隊長の言によれば、Talas歴代のギタリスト3名の中では、ソングライティングや人間性の面でこのコンスタンティーノを最も高く評価しています。
今日のこのライヴでは、ビリー隊長以外全ての面子が一新されており、こんなラインナップでした。

personnel:
Billy Sheehan(b,vo)
Mitch Perry(g,vo)
Phil Naro(vo)
Mark Miller(d)


【Talas LtoR:Sheehan,Perry,Naro,Miller】

こいつを聴いてとにかくビックリしたのが、Mitch Perry(ミッチ・ペリー)のギターでした。
それまで全く知らない存在だったにも関わらず、早くて正確でトリッキーなプレイがビシビシ決められてるのに痺れたんです。
ビリー隊長の言によれば、まるでカメレオンのようにすぐ他人のプレイスタイルを盗む天才だったそうで、当時はタッピングも演ってなかったとのこと。
しかし、この音源を聴く限り、タッピングちゃうの?って思うようなプレイを随所に感じるんですがネ。
ミッチのお話は、また後日詳しく語りたいと思ってますので、請うご期待!

tracks:
side-1
1.Sink Your Teeth Into That
2.Crystal Clear
3.The Farandor
4.Do You Feel Any Better
5.Lone Rock
side-2
1.King Of The World
2.Inner Mounting Flame
3.7718(3A17)
4.High Speed On Ice
5.Shy Boy


【Talas on stage】

なにぶんLPなんで上記のような表記になりますが、半分くらいは1stアルバムからのチョイスになってます。
曲調としてはハードでドラマチックな硬派のハードロックって感じでしょうか。
ポップな印象はあまり感じられません・・ホンマに硬派ですね。
全ての曲で、とにかくベースが大暴れしています・・ギターも負けてませんが。

ブルージーでメロディアスな曲が多い中、まず耳を引くのがside-1の#3“The Farandor”なんです。
初めてこれを聴いた時、唖然と聴き入ってしまいました。
この曲は19世紀スペインの有名な作曲家であるビゼーが書いた組曲“アルルの女”の第3幕にある“ファランドール”を編曲したものなんです。
多分小中学校の音楽の時間にお聴きになった方も多いのではないでしょうか?
あのメロディを超高速ユニゾンで演ってる訳です・・是非お聴き頂きたい逸品でございます。
・・これで完璧にぶっ飛んじゃいました。

side-2ではアルバムタイトル曲#4“High Speed On Ice”と、DLRバンドでも有名になった#5“Shy Boy”が凄いですね。
“High Speed On Ice”はスタジオ盤で感じられないくらい速くて熱いプレイが堪能できます。
また“Shy Boy”が抜群に凄い。
ヴァイのヴァージョンに比べれば若干聴き劣りも否めませんが、当時無名だった彼らがこれだけテクニカルな技の応酬を演じているのも、信じがたい事実だったんですね。
是非、聴き比べて頂きたい演奏でございます。

あと蛇足かもしれませんが、同じく#3“7718(3A17)”では、ビリー隊長の超絶ベースソロが堪能できます。
タイトルを180°ひっくり返せば“KILL(LIVE)”と読めますね・・隊長のネーミングセンスも中々のモノじゃないでしょうか。(笑)

Youtubeって凄いですね。
このラインナップでの1984年1月のライヴ映像を発見しましたのでリンク貼っておきます。
UFOの“Only You Can Rock Me”なんかも演ってるようですね。(笑)
・・フル・レングスで是非観てみたいものです。

ついでに、先述しましたCD音源というのは“Billy Sheehan / The Talas Years”というコンピ盤で、2nd“Sink Your Teeth Into That”と3rdがカップリングされております。


【The Talas Years】

私は輸入盤で持ってますが、たしか邦盤も出てた記憶があります。
興味のある方には、多分今でもすぐに手に入ることが可能な代物じゃないでしょうか。
昨今の紙ジャケ化を考えれば、早晩Talasの作品群も目をつけられそうなものですね。
・・あまり期待しないで待つのも手かもしれません。


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6 コメント

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Unknown (ジャンボ)
2008-03-16 19:07:04
Talasかっこいいですよね。私、邦盤持ってます。ビリーのあの縦縞のスパッツ当時の彼女に作ってもらった思いであります。(今考えるとかなり恥ずかしいですが)
確かにDavid Lee Roth Bandのショックといったら大変なモノでした(私にとって)Eat'em And Smileはあまりに格好いいのでスパニッシュ版のレコードまで購入しました。今でも聴いてます。レコード、テープ、CD、MP3全部手元にあるのはこのアルバムだけかも。ブートレッグビデオも結構出回ってましたよね。どうしてこいつらこんなに動き回って弾けるのか・・・
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ジャンボ様 (elmar35)
2008-03-16 20:45:49
コメントありがとうございます。
・・邦盤出てたのですネ。(驚)
ヴァイ&ビリー関連のブートはまだ持ってませんが、そのうち手を出すと思います。
タラスのVTRもどこかにあるんでしょうね、きっと。
そういえば、15年くらい前に行きつけのCDショップでビリーがサイン会してたのに出くわしたことがありました。
めっちゃ細い!ってのが唯一の印象でした。
今から思えば、サインもらっとくんだったな。(笑)
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なつかしい! (桃猫)
2008-03-19 11:29:11
凄いベーシストが居るっていう情報を人づてに聞いて、でもジャンルが分からんのですよ当時は。それでいろんなレコード屋回って、ようやくヘビメタ専門店のコーナーで見つけて歓喜した覚えがあります。ビリー隊長との初対面は、ヤマハが招聘した、プロモーションコンサートでした。大きなプロジェクターにヴィデオが流され、その奥から実演奏しながら、隊長が出てくるっていう、今思うと、すばらしい演出でした。アンコール曲は、パープルヘーズでしたね。

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桃猫様 (elmar35)
2008-03-19 22:21:41
コメントありがとうございます。
昔って情報量が極端に少なかったので、あっちこっちで探すが楽しかったですよね。
私も以前は今は亡き行き着けの輸入版専門店であったり、なじみのオヤジがいたレコードショップだったりでした。
・・なるほど、そんなイヴェントもあったのですね。
江戸方面は羨ましい限りです。

隊長さんって出始めの頃はシュラプネル系で見境無くセッションやってたから、トレースするのも楽ではありません。(涙)
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ビリー隊長好きです (タコ君)
2008-05-13 12:15:14
はじめまして!ビリー隊長いいですよね♪
トラックバックさせていただきました(^-^)
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タコ君様 (elmar35)
2008-05-13 20:17:49
はじめまして。
ご来訪ありがとうございます。
今後もどうぞご贔屓に。
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