社長と同行二人 H29.5.20
「後継者社長へ、知の経営、情の経営!」
皆様こんにちは、お元気ですか?
今日は「後継者社長へ、知の経営、情の経営」
について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。
私が平成7年に社長に就任した際には経営は「理論」「統計」で成り立っていると考えておりました。
確かな理論立て、統計、データを中心に考えて経営していけば「決して間違いない」「確実に成功する」と思っておりました。
なぜならば、債務超過の会社を引き継ぎ、経営の仕方が分からなかったからです。
そのために多くの時間と費用をかけて研修、セミナー、同友会等に参加して、一生懸命学びました。
20年間でおおよそ1000万円はつぎ込んだことでしょう!
特にマーケティング、経営戦略、会計学でコトラー、ポーター、ドラッガーは多く学んだと思います。
しかしある時に、社員がどんどん辞めていき、売上が減少して行くのです。
自分では経営理論、経営学、統計学に沿って経営しているつもりでしたが現実はそれと大きく違っておりました。
私の解釈が間違っているのかと、散々悩みながえらも学び続けました。分かったことは理論、理屈度通りに「人は動かない」と言うことでした。
所謂「知の経営」では中小企業は運営できないと言うことです。
会社には「血の通った」昔ながらの社員がおりました。彼らは「理論」「理屈」で動くわけではありません。
「動く」「働く」となれば、そこに感情「情」が入ることを私はすっかり忘れていた、欠けていたのです。「お金」だけでは社員は動きません。動くには「理由」があるのです。
よくよく考えました。理論で経営できるのであれば、学者、大学教授が経営すれば一流企業になれるか?ということです。
皆さんも御存知の経営の神様「松下幸之助」氏は勿論大学で経営学を学んだわけでは有りません。
稲盛和夫氏も同じことです。彼らは理論、理屈に裏づけされた「知の経営」だけではなく「情の経営」も取り入れていたのです。
私にはそこ「情の経営」が欠落していたから、社員の退社が続出し、社内が一つになれなかったのです。今でも大いに反省しております。
社長業20年の経験とMBAを終了した現在では「知の経営」が4割、「情の経営」が6割と考えるようになりました。
人に焦点を当てた「情」のほうが割合が多くなると考えます。
会社は「人の集まり」です。その「集まり」が一つの目的、目標に向かって行くのです。この「人」を活かす、やる気を出させることが後継者社長としての基本になって来るのです。
結果的に、私がM&A、希望価格で会社を売却できたのも、社長時代半ばで、この「人」について気づきを与えて頂いた「東川先生」のお陰だと今でも思っております。
「理論」だけでは「人」は動かせません。しかし、経営のある程度の「理論」が必要です。それは「失敗しない」「時間短縮」「過去の事例に学ぶ」ことは、間違いではありません。進んで学ぶべきだと思います。それには「程度」というものがあるのです。
それまでは、勘、経験、度胸のKKDから、理論、統計から導かされるデータも考慮に入れて経営すべきと考えます。
特に他社の失敗事例は学ぶべきだと考えます。
成功には不思議の成功もありますが、失敗には必ず理由が存在するのです。会社を経営していく際に、この失敗の法則は学んでいくべきと考えます。
「情の経営」100%でも会社は倒産すると思いますが、、、
しかし理論武装しても会社が運営できないことは事実ですのでこの「知の経営」「情の経営」のバランス4:6で実行されてはいかがでしょうか?
今日もお読み頂きありがとうございました。
皆様の御意見をお待ちしております。
また来週もよろしくお願い致します。