社長と同行二人 H29.6.10
「後継者社長へ、経営の守・破・離。その1」
皆様こんにちは、お元気ですか?
今日は「後継者社長へ、経営の守・破・離」
について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。
私は社長にとっての基本、所謂「守」はお金だと考えます。
後継者社長の皆様、御意見はおありでしょうか?
なぜならば、会社は赤字でも会社は倒産しません。
日本の会社の70%は赤字企業です。
約400万社の会社のうち、約280万社が赤字と言う現実を考えると、赤字よりも考えなくてはならないのは「資金繰り」です。
所謂「キャッシュ」「ゲンナマ」です。
これがないと、いくらPL,BSが良くても会社は倒産するという現実があるのです。
そのために私は「守」は「現金」だと断言するのです。
自身の経験からPLで黒字でも在庫や売掛金に化けて現金がショートすることが多々ありました。
皆さんこんな経験ありませんか?
(「売上」「利益」はあるのに何で毎月資金繰りに苦労するのか?)
それは仕入だけではなくて「在庫」、売上だけではなくて「売掛金」を良く見ていないからなんです。
前職の場合はよく「サイト負け」しておりました。
「サイト負け」とは簡単に言えば、受け取り手形のほうが支払い手形よりも手形の期日が長いのです。
売上が急に増えれば増えるほど、資金繰りに苦労してきました。
私みたいに「サイト負け」していると、銀行借入れが増大し、元本、利息とも毎月の返済は増えていきます。
安易な売上増大策は、自分の首を絞めることになりかねません。
特に「サイト負け」している会社は要注意ですよ!
皆様の会社では「売上高」だけに目を向けていませんか?
この「サイト負け」を改善するには、一朝一夕ではいきません。
先ずは現状把握して下さい。売掛けサイト、買掛けサイトを確認して、何日「負けている」を直視することです。
まずは仕入先へ「買掛金」の支払いに関して手形ならば「サイト」の延長、現金ならば分引き等を交渉して下さい。
最初は「イエス」と言いませんが、何回も交渉してたとえ1ヶ月でもサイトを延ばしてください。
これを計算するには 買掛金+支払手形/仕入高÷365 で計算できます
次は販売先への「売掛金」の回収です。
これも大変な労力が必要となってきます。
特に期中に変更をする場合は、色んな条件が先方から出てくることと思います。
出来るだけ現金支払いをして頂くように要請してください。
私に場合は「銀行からの指導」という言葉をよく使いました。
それでも応じてくれる販売先は3割くらいだったと思います。
これの計算方法は 売掛金+受取手形/売上高÷365 で計算できます。
既存顧客の途中からの条件変更は難しいので、新規客に関しては初めかから「現金決済」を申し出てください。
顧客にメリットがあれば可能かと思われます。
後から切り出し交渉することは至難の業と思いますので、まづは口座開設の時に「しっかり」言って下さい。
口座が欲しいから新規客からの要請についつい了解していませんか。
ここが我慢のしどころです。
一度皆様の会社の支払いサイト、受け取りサイトを計算してみて下さい。 ギャップは何日なりますか? この日数が多ければ多いほど売上が急上昇すると資金ショートを起こす危険性があります。
一度税理士先生にお尋ねください。仕入れ、在庫が多い問屋、商社など、影響が多くなると思います。この業種は売上高総利益率が小さいので、十分注意して下さいね!
まずは「サイト負け」を無くしてから、売上増大策を行ってくださいね!それを知らないで、社員に「兎に角売上を作れ!」と檄をとばす社長がいらっしゃいますが、それは倒産への一里塚となります。
一般の社員は「サイト負け」なんてことは一切分かりません。
分かっているのは、売上高、粗利益くらいです。
自創する社員を育成するためには、売上、利益、変動費、固定費、営業外利益まで、少しづつ教育していくことが必要ではありませんか?
「勘定あって銭足らず」で社長だけが「いらいら」していると社内の空気が悪くなってきます。
社員にも、利益が自分事のように考えて行動する社員を育成していきませんか?
理論上は、不渡り手形を半年以内に2回出すと、銀行取引停止になりますが、現実には1回出した時点で仕入先や得意先の信用を失うので事実上の倒産となります。
こんな事が起きないように、「ゲンナマ」には十分注意して下さい。
今日もお読み頂きありがとうございました。
皆様の御意見をお待ちしております。
また来週もよろしくお願い致します。