略  歴

 昭和28年生まれ。大学卒業後東京のプラスチック商社入社。主に新規開拓従事4年間で約20社のユーザー獲得。入社2年目で2年間に3件の貸し倒れ発生、債権回収で奔放。その後名古屋支店転勤、商習慣の違いで悩むが新規開拓15社開拓。昭和61年父が経営する典型的な家業に入社。専務取締役を経て平成7年社長就任。在任中に売上げ3倍以上自己資本比率3.5倍、借入金を実質0円に減少させ家業から事業への脱皮を図る。自創経営を導入し、人材教育を重点的に行い中途採用から新卒者採用へ、また既存社員との融合に注力する 後継者不在のために平成25年M&Aにて会社を売却。ヒト、カネで悩める社長を助ける社長のブレーンとなる。

「後継者社長へ、経営の守・破・離。その1」

2018-06-10 19:05:35 | 日記

社長と同行二人                H29.6.10

「後継者社長へ、経営の守・破・離。その1」

 

皆様こんにちは、お元気ですか?

今日は「後継者社長へ、経営の守・破・離」

について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。

 

私は社長にとっての基本、所謂「守」はお金だと考えます。

後継者社長の皆様、御意見はおありでしょうか?

 

なぜならば、会社は赤字でも会社は倒産しません。

日本の会社の70%は赤字企業です。

約400万社の会社のうち、約280万社が赤字と言う現実を考えると、赤字よりも考えなくてはならないのは「資金繰り」です。

所謂「キャッシュ」「ゲンナマ」です。

 

これがないと、いくらPL,BSが良くても会社は倒産するという現実があるのです。

そのために私は「守」は「現金」だと断言するのです。

 

自身の経験からPLで黒字でも在庫や売掛金に化けて現金がショートすることが多々ありました。

皆さんこんな経験ありませんか?

(「売上」「利益」はあるのに何で毎月資金繰りに苦労するのか?)

 

それは仕入だけではなくて「在庫」、売上だけではなくて「売掛金」を良く見ていないからなんです。

前職の場合はよく「サイト負け」しておりました。

「サイト負け」とは簡単に言えば、受け取り手形のほうが支払い手形よりも手形の期日が長いのです。

売上が急に増えれば増えるほど、資金繰りに苦労してきました。

私みたいに「サイト負け」していると、銀行借入れが増大し、元本、利息とも毎月の返済は増えていきます。

 

安易な売上増大策は、自分の首を絞めることになりかねません。

特に「サイト負け」している会社は要注意ですよ!

皆様の会社では「売上高」だけに目を向けていませんか?

 

この「サイト負け」を改善するには、一朝一夕ではいきません。

先ずは現状把握して下さい。売掛けサイト、買掛けサイトを確認して、何日「負けている」を直視することです。

 

まずは仕入先へ「買掛金」の支払いに関して手形ならば「サイト」の延長、現金ならば分引き等を交渉して下さい。

最初は「イエス」と言いませんが、何回も交渉してたとえ1ヶ月でもサイトを延ばしてください。

これを計算するには 買掛金+支払手形/仕入高÷365 で計算できます

 

次は販売先への「売掛金」の回収です。

これも大変な労力が必要となってきます。

特に期中に変更をする場合は、色んな条件が先方から出てくることと思います。

 

出来るだけ現金支払いをして頂くように要請してください。

私に場合は「銀行からの指導」という言葉をよく使いました。

それでも応じてくれる販売先は3割くらいだったと思います。

これの計算方法は 売掛金+受取手形/売上高÷365 で計算できます。

 

既存顧客の途中からの条件変更は難しいので、新規客に関しては初めかから「現金決済」を申し出てください。

顧客にメリットがあれば可能かと思われます。

後から切り出し交渉することは至難の業と思いますので、まづは口座開設の時に「しっかり」言って下さい。

口座が欲しいから新規客からの要請についつい了解していませんか。

ここが我慢のしどころです。

 

一度皆様の会社の支払いサイト、受け取りサイトを計算してみて下さい。 ギャップは何日なりますか? この日数が多ければ多いほど売上が急上昇すると資金ショートを起こす危険性があります。

 

一度税理士先生にお尋ねください。仕入れ、在庫が多い問屋、商社など、影響が多くなると思います。この業種は売上高総利益率が小さいので、十分注意して下さいね!

 

まずは「サイト負け」を無くしてから、売上増大策を行ってくださいね!それを知らないで、社員に「兎に角売上を作れ!」と檄をとばす社長がいらっしゃいますが、それは倒産への一里塚となります。

 

一般の社員は「サイト負け」なんてことは一切分かりません。

分かっているのは、売上高、粗利益くらいです。

 

自創する社員を育成するためには、売上、利益、変動費、固定費、営業外利益まで、少しづつ教育していくことが必要ではありませんか?

 

「勘定あって銭足らず」で社長だけが「いらいら」していると社内の空気が悪くなってきます。

社員にも、利益が自分事のように考えて行動する社員を育成していきませんか?

 

理論上は、不渡り手形を半年以内に2回出すと、銀行取引停止になりますが、現実には1回出した時点で仕入先や得意先の信用を失うので事実上の倒産となります。

こんな事が起きないように、「ゲンナマ」には十分注意して下さい。

 

今日もお読み頂きありがとうございました。

皆様の御意見をお待ちしております。

また来週もよろしくお願い致します。


「後継者社長へ、計画書の3点セット!」

2018-06-03 22:08:30 | 日記

社長と同行二人                H29.6.3

「後継者社長へ、計画書の3点セット!」

 

皆様こんにちは、お元気ですか?

今回で130回目を迎えることができました。

これもひとえにメルマガを見て頂ける読者方いらっしゃるからです。

また最近は複数の方からの感想や励ましのメールを頂いており、これもメルマガを続ける要因なっております。

今後も宜しくお願いします。

 

今日は「後継者社長へ、計画書の3点セット!」

について私の経験や、セミナー、本、コンサルでの会話などから、考えを述べさせていただきます。

先日、あるコンサル先の後継者社長と面談しておりました。その社長から「計画書を書きたいけれど、何を書いてよいか分かりません。教えて下さい」と言われました。

 

その会社は社員15名ほどですが、社長の号令の下、社員は一生懸命頑張っており今期も黒字で終了する予定です。

3代目社長は、将来を見据えて「計画書」を作成するつもりで本を買いましたが「難しすぎて、よく分からない」と言われました。

 

そこで私が」お話したのは「理念(社長の思い)、3~5年後の目標、来年の目標」この3点を抑えて下さい、でした

 

確かに本ではいろんなことが書いてありますが、最初に作られる「計画書」では、この3点が書かれていれば良いと考えます。

 

最初から「あれもこれも」と考え、書いていくと社員が「理解できない状態」になり、机上の空論に陥りがちです。

 

往々にして、社長が頭でっかちになると社員は付いてきません。

過去に実際経験してる私自身、社長になり始めの頃は、あれこれ難しい言葉を羅列して社員からそっぽを向かれました。

 

社長は新しい言葉を覚えてくると、ついつい使いたくなるのです。

後継者社長の皆様、気をつけて下さいね!

 

後継者社長の皆様、この「計画書」があると社員にとって「進む方向」「期待されること」が明確になってきます。

 

特に新卒社員は「やる気まんまん」ですが、やり方が分からない場合が見受けれられます。どちらに向かっていくのか、その「道標」があると間違わずに行動できるのです。

 

この方針を示して、不明な点は上司、上長が新卒社員と対話をして、より明確な方向性を見つければ、後は自発的に行動させれば結果、自創する社員になってきます。

 

これは新卒社員だけに当てはまることでは有りません。社長も自分の「方向性が」明確になってきます。

 

「将来会社を発展させるのは、どのような心持で運営すれば良いか

!?」も分かってくるのです。

 

私が思うのは「計画書」の中でこの「理念」が一番大切だと!

「何のために、この仕事をするのか?」「この仕事を通じて、社会にどんな影響を及ぼすのか?」社長と社員の気持ちを一つにするのがこの「理念」です。

 

しかし、ここで気をつけて頂きたいのが後継者社長の「魂の叫び」です。

借りてきた「理念」、本に書いてあった「理念」を自社の「計画書」に入れることは大変危険です。

なぜならば、そこには後継者社長の「熱き思い」「魂」がはいっていないから社員に簡単に見透かされます。

 

また社員から「言っている事と、やっていることがまるっきり正反対」と言われて誰も「理念」に従いません。今以上に会社の雰囲気は悪くなっていきます。

 

「紙に書く」「壁に貼り付ける」等で社内に明示することは、かまいませんが、肝心なのは「社風」まで落とし込むことです。

 

毎日の仕事が「理念」に沿っているか? 組織のあらゆる階層でチェクしているか? ある仕事をしていても「理念」に沿っていないと、やり直しを命じられる、ここまで行けば本物です。

社員全員が「口」にして、先輩から後輩、またその後輩まで受け継がれ、前述の「社風」となることを期待しております。

 

この「理念」こそが他社と差別化できる、大きな柱なんです!

ここを履き違えて、「儲かるから」と言う理由で場違いな業種に進出し痛手を蒙った会社を見てきました。

 

 

次は「5年後の目標」です。

これは外部環境を考えて、既存得意先、既存商品から一歩踏み込んだ戦略を考えるものです。

勿論社長が中心となって考えますが、この方向性については社員も巻き込んだほうが良いと考えます。

 

中小企業に社員は自発的に考え、行動する意識が乏しいと思いますがいかがでしょうか?

 

そんな社員を巻き込んで、3~5年後の戦略を考えると彼らも言った手前、他人のせいには出来ません。

そこで社長に注意していただきたいのは、一番初めに言った社員を「褒める」ことです。

だれでも「褒められる」と悪い気はしません。

他の社員にも伝染していくのです。

 

ヒトは理屈では動きません。感情で動く事を再確認して下さいね!

一人では思いつかなかったアイデアが3人いれば急速に増殖していきます。

 

このようにして3~5年後の戦略を考えてはどうでしょか?

ここからブレークダウンして来期の計画を立てて下さい。

 

計画書を書いたら必ず金融機関へ持参して下さい。彼らの一番の関心は「貸したお金の返却」ですが2番目は「将来に資金需要」です。

 

今のうちに3~5年後の設計図を明示すると彼らの自社を見る目が変わってきます。それを狙って持参して下さいね!

 

 

あと一つは来期の数値目標を出来れば月別に書き入れてください。

その数値目標を達成するための行動目標を考えてください。

難しい言葉は要りません。後継者社長の考えを書いてください。

出来れば銀行への返済計画もあれば万全です。

私はこの「計画書」作成で銀行から億単位の融資を実行しました。

 

最後に「計画書」は創ることが目的ではありません。

創ったら、必ず毎日読み込んでください

当然修正部分はありますので赤ペンで修正しておいてください。

 

一番ダメなのは創ったら、そのまま机の引き出しに仕舞っておくことです。「絵にかいた餅」にしないこと、くれぐれも注意してくださいね!

 

もしこの計画書作成で不安のある方がいらっしゃれば、いつでも連絡くださいね。

もちろん無料でお手伝いいたします。

 

 

今日もお読み頂きありがとうございました。

皆様の御意見をお待ちしております。

また来週もよろしくお願い致します。