肩コリと言うには、症状が強く出ている場合があります。仕事を休まなければならないほどの痛みや張りが現れているケースです。つまり日常生活に支障をきたしているレベル。
ここ数週間で上記のような症状の患者さんが何人か続きました。
初めて来院されたその患者さんは、肩が痛くて動かせないと訴えています。病院では五十肩という診断をもらっていました。可動域検査、触診検査などを進めていくうちに、五十肩という診断に違和感を感じます。肩関節の可動域制限の現れ方が、明らかに違うからです。この患者さん、五十肩以外には慢性的な肩コリもあるとのことでした。しかし、この時点でぼくの焦点は肩関節にありましたので、肩コリは二の次という感じ。
一回一回の治療で肩関節の可動域は完全に戻ります。つまり無痛で肩を動かすことに全く問題がない状態です。しかし、1週間後にはまた元のもくあみ。ほぼ治療前の状態に戻ってしまいます。何回目かの治療の末、触診により異常な圧痛点を発見するに至ります。解剖学的には外側腋下裂と言われる部位です。
大円筋と小円筋に強い硬縮と癒着があるようでした。この後、この患者さんの症状である肩の運動に伴う痛みと極度の慢性的肩こりは劇的に改善。
自覚症状が現れている部位の構造を特定するのは、それほど難しくはないのですが、このようにそれがない場合、見過ごしてしまうことも多いです。初診時に原因を特定できなかったのは悔しいですが、とりあえず良い結果が出て一安心しました。
Dr.S



