徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

捨て犬ラックの物語…第八話 「あ~うめぇ…!」

2007-10-31 17:51:37 | 捨て犬ラックの話
 食の好みは人によって異なるが…犬によってもかなり違う…。
ことに人間と同じ食物を食べて育った犬には…犬の食性とはかなりかけ離れた好みが出てくる…。

 昔…TVで胡瓜の大好きな犬を見たことがあるが…犬はもとはと言えば肉食の動物である…。
それが胡瓜を一本なり…さも美味そうにポリポリと食べる姿に…正直…かなり驚いたものだった…。

 dove家へ来て初めて食べたジャガイモの煮っ転がしは…ラックにとって終生大好物のひとつになったが…もうひとつ…何故かコンニャクが大好き…。
コンニャクを見るとよこせと強請る…。 

 前の飼い主がダイエット中でコンニャクを頻繁に食べていたのではないか…と…名探偵オカンは推理した…。
そして自分が食べる時には…ラックにもおやつや御飯として与えていたのでは…。

なるほどね…。

 人間が少しずつ噛み切って食べるのとは違ってラックは丸飲み…大きいままで与えると喉につっかえるといけないので…小さく切って食べさせた…。
コンニャクをもらったラックはパクッ即ゴクン状態で…あ~うめぇ…という顔をする…。

変わった犬だ…。

 変わった…といえば…オカンがカレーを作り始めると…必ずラックが吠え出す…。
それが決まって要求の吼え方…。
まさか…とは思ったが…食べさせてみると…これがガツガツと食べる…。
犬には玉葱が良くない…中毒を起こす…なんてことはまったく世間では知られてない時のことだから…こちらも平気でカレーなんぞを食べさせてしまったのだが…。

 ラック用だから薄めはするが…少々辛めのカレーでもへっちゃら…。
食通りのいいこといいこと…。
米一粒…残さずきれいに平らげる…。

これも前の飼い主の影響か…。

 人間用の食物の味に慣れたラックは…ドッグフードの乾燥エサが大嫌い…。
鼻黒もそうだったが…全然食べない…。
美味しいと書いてあるこの乾燥ドッグフードは…どうして美味しいと分かるんだろう…?
誰か食べてみたのだろうか…?
飼料臭いし…鼻黒の口にもラックの口にも合わないのに…その人は普段…何食べてんだろ…?

犬の変わった食性は成犬になる前にどんなものを食べていたか…で決まっちゃうんだろうな…。
そんじゃ…その人の食性は…どんなんや…?

コンニャクとカレーライス…確かにうめぇ…わなぁ…。
この…コロコロした臭いビスケットよりはずっと…。

カレーの香りがするたびに…ラックは吼える…。
下手すると磨りガラスより上の透明なところまでピョンピョンと飛び上がって家の中を覗きながら…。

不思議な食性の…犬である…。





次回へ…。







この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。


この物語を書く決心をさせてくれた記事です。

http://blog.goo.ne.jp/wildboar_36/e/a86629d45b6e4487bf2eecdc41ab92b0





きいちゃんの本 「ありがとう・永遠に」

2007-10-30 16:08:46 | お勧め
 この本についてはすでに、ほっくんパパさんやKEN-SANのブログでも紹介されているので…今さらdoveがここで取り上げるのもどうか…とは思ったのだが…それでも誰かに…その存在を伝えたくなるような不思議な魅力…が…この本にはある…。

 この本の筆者…きいちゃん…について語るには…doveはまだ…きいちゃん…のことを何も知らない…。
だから…多くは語らない…。
この本を通して知り得たことだけを…伝えたいと思う…。
後は本が直接…読者に語りかけるだろう…。

 この世に生まれて生きていく上で…人には大なり小なり背負わされているものはあるけれど…きいちゃんの背負ってきたものを…どう表現すれば良いのだろう…。
ただ単に…過酷なほど重い…というには…あまりにも言葉が足りない…。

 こんなふうに書くと…ど根性物か…お涙頂戴物のように思われそうだが…この本は決して…そんな類の書き物ではない…。
書物というよりは…読み手に生きる勇気と希望を与えてくれる…そう…思うにこれは…きいちゃんが読者に送る応援歌…エールである…。

 幼い頃から幾度となく繰り返される極限状態の不幸に…とうとう負けそうになったきいちゃんが…不思議な縁に導かれ…ゴスペル・グループCOCORO*COの歌声に癒され…励まされ…再び生きる希望を得たように…。
きいちゃんの生きる姿を通して…きいちゃんが読者に送るメッセージ…。

 『ひとりでも多くの方が何かを感じ取ってくだされば嬉しい…。』…ときいちゃんからの言葉…。
この記事を書いて…そのお手伝いをちょっとだけ…。

きいちゃんの本に込められた…I love you…のお礼に…。

 





この本をご希望の方は…ブックマークからきいちゃんのブログへ飛んで…メールでご確認下さい…。 

 





散歩道で拾った話…第七十九「カワウ劇場①」

2007-10-29 17:42:17 | 生き物
 別にカワウばかりを追っかけているわけじゃありませんが…運の良い時にはカワウの変わった姿を見ることができます…。
散歩道のカワウもこの頃ではdoveの緩慢な動きに慣れたのか…わりと逃げないでじっとしていてくれるようになりました…。

 最初の時は羽干し姿もほんの僅かしか見せてくれなかったのですが…先回はわりとじっくりと撮影できたのでUP…。
動きの早いものは無理ですが…。


    ん…?                       誰か呼んだ…?         
         



    気のせい…か…。               やっぱり…。            
         



    誰か居るよな…?               なんだ…また…おまえか…。    
        



…なんて…ね…。
またまた…いい加減なもんで…すんません…。

 じっくり…見てみますとね…羽の色…全部真っ黒ってわけじゃないんですね…。
一本一本違う色をしていて…遠くから見ると黒く見える…自分の髪の毛と同じで…なかなか面白いです…。

 表情も豊かなんですよ…。
羽干しの最中なんですが…外敵に教われないように始終あちらこちらを警戒しています…。
それでいて…この川がわりと安全であることも分かっているようで…こちらが妙な動きをしなければ…のんびりと羽を広げて気持ちよさげにあっち向きこっち向き…。

 眺めていると時間を忘れてしまいます…。
お蔭で…水鳥の多い日は散歩も長くなりがち…。
水鳥にとっては…いい迷惑かも…知れませんな…。

 







yuyaさんからの御注文…サンマとチーズのからし風味フライ

2007-10-28 12:17:00 | 簡単手抜き料理
 本日は…yuyaさんからの御注文品です…。
作って貰いたい料理…なんて言って頂いたので…つい…乗ってしまいました…。
揚げ物…めちゃめちゃ下手なんですよ~…恥かしいなぁ~…。
                                   
 鰯や鯵のフライは大好きですが…秋刀魚フライは初めて…。
yuyaさんのブログのレシピを見て…こんなもんかな…と作ってみました…。
出来上がりを想像して…最初は秋刀魚の形どおりにチーズを挟んでみたんですが…上手く収まらない…。
それにdoveんちの小さい油鍋じゃ…1匹なりは大き過ぎてはみ出してしまう…。

 そこで止むを得ず…折りたたむ方向を変えてみました…。
これならチーズも上手く収まります…。
いつもの生パン粉が売ってなかったので…別の生パン粉を使ったら…粒子があらくて湿気が多くてぼてぼてに…。
それでも何とかカラッと上がって…サクッと美味しく頂きました…。
                                     
盛りつけ例ね…。
サンマは大きいので食べやすいように切ります…ってひどい切り方だね~…。
いいさぁ~見た目が悪くても味さえ良けりゃ文句ないのだ~!

 yuyaさんのレシピではパセリの他に大葉やバジルを挟んでも良いとあったので…今回はパセリと大葉で作ってみましたが…お勧めはパセリの方です…。
大葉も美味しいですが…からしの風味に負けるので…どちらかと言えば醤油系にした方が合うかと思います…。

パセリかバジルが最適で…そのまま食べても十分いけますが…ケチャップやピザ系のソースで召し上がるとまた味が引き締まってさらに美味しいです…。

yuyaさん…だまこ汁に続き…美味しいレシピ有難うね~…!

サクサクッと揚げたてが美味しいサンマとチーズのからし風味フライ…お試しあれ…!






捨て犬ラックの物語…第七話 「がぶりっ!」

2007-10-27 16:27:16 | 捨て犬ラックの話
 鼻黒の時にもそうだったのだが、森が近いせいか、動物の血を餌にするダニがたくさん居て、ラックも年中…血で膨れ上がった大きなダニをぶら下げていた…。
家族が庭に出るたびに、ラックからダニを取り除いてやっていたが、一向に減らず、ダニ避けの首輪もあまり効果がないようだった…。

 ダニは皮膚に食い込むように食いついており、こんな奴を放っておいちゃ、ラックが可哀想だというので、家族がそれぞれ、せっせと、手が赤黒く染まるまでダニ取りをしたり、ブラシをかけてやった…。

 ダニを取る時にはラックもわりとおとなしくしている…。
やんちゃな犬だから…おとなしくしているのはあまり得意ではないのだが…。
構ってもらっているのが嬉しいようだ…。
誰かが庭に降りてくれば…触ってもらえると思って背中を向ける…。
いい子いい子も大好きなラック…。

 ところが…ラックが我が家の生活にも慣れた頃…下の弟がいつも通りにラックの背中からダニを取ってやっている最中に…突然…ラックに噛み付かれた…。
あま噛みではない…。
グルグルと喉を鳴らし…牙を剥き出し…本気で敵意を向けている…。
昔から下の弟は犬に甘いので…舐められていたのは確かだが…それにしても何のきっかけもない不意打ちの攻撃だった…。

 そのうちに…ラックの命の恩人である上の弟も噛み付かれ…あれほど犬好きで…伯父の飼っている人間嫌いの犬からも好かれる…犬受けの良い親父でさえも噛み付かれた…。
噛み付くとなかなか放そうとしないので…傷を受けたり…ズボンの裾に穴が開いたりした…。
何れも…ダニ取りやブラシ掛けの最中の出来事で…何気ない時に…不意に牙を剥き…眼を吊り上げて怒り狂う…。

 オカンの場合は…二重の鎖が棒ッ杭にグルグルに絡んでいたので直してやろうとした時…だった…。
力のないオカンは餌でつってラックを反対回りさせて鎖の絡みを解こうとしたようだが…それが不味かった…。
意地悪したと思われたのか…いきなり怒ったラックに襲われ…血が出るほど腕を噛まれた…。

 餌でつるのは…普通に考えても…さすがにどうかとは思うが…どっかちょっと抜けている人なので…馬の目の前にニンジンをぶら下げて走らせる…なんてギャグみたいなことを真剣にやってみたんだろう…。
鎖を解いてやりたい一心だったのだが…。

 オカンは…ダニ取りの最中やブラシ掛けの最中にも噛み付かれている…。
オカンも子供の時から何匹もの犬の中で育った人だから…犬には慣れているはずなのに…。

 doveの場合は…何故か…噛み付かれなかった…。
或る時…ダニ取りをしていると…急にグルグルと怒り出し…牙を剥き…手を噛もうと口をパクッとさせたが…牙を立てなかった…。
その際…doveは激しくラックを叱った…。

 今ではいけないこととされているが…悪さをしたらお尻を叩くのが…当時の子育ての常道…。
ラックのお尻を思いっきりビシビシッと叩いて…噛んではいけないと言い聞かせた…。
思わぬ反撃にラックは慌てて小屋に飛び込み…小屋の中から悪そうな顔をして覗いていた…。

 その後…doveに対しては…パクッ…もしなくなった…。
以来…一度も噛まれていない…。
他の家族が何度もやられているのに…。

 それは…doveが怒ったから…では…ないようだ…。
弟たちやオカンはともかく…親父も同じように怒ったはずだから…。
憶測に過ぎないが…最初に食べ物を与え…拾われて不安だった頃に最も長い時間を一緒に過ごしたdoveには…ラックなりに遠慮とそれなりの信頼があったものと思われる…。

 当時は…人を噛んだ犬は殺される運命にあった…。
犬は…一度でも人を噛むと噛み癖が付く…そう思われていて…ひどく危険視され…殺された…。
それを聞くたびに…可哀想で胸が痛んだ…。
犬が噛むに至った理由が…きっとあるはずだと…。

 ラックだってもしかしたら…すごく気紛れな飼い主から…可愛がってもらっている最中に…突然…意地悪や乱暴されるような目に遭ってきたのかも知れない…。
何度も酷い目に遭って…心底…人間を信用できなくなっていたのかも知れない…。

生まれた時から飼っているわけじゃないから…気心が知れないのはお互いさま…。
人間が戸惑いを感じているように…ラックだって不安なのだ…。

 拾った犬に幾度も噛みつかれながら…ラックは怖い犬だで逃がさんように気をつけないかん…などとのんびり構え…脱走できないように幾重にも手を打って…12年半も可愛がって育て続けたのは…考えようによっちゃぁ馬鹿なのかもしれないが…。 
 
 そのお蔭で…ラックの命が延びたことを思えば…それはそれで良いような気がする…。
一旦…ラックを飼うと決心したからには…何が起こっても責任は我が家にある…。
自分たちが噛まれている分にゃ…自分たちで何とでもできる…。
他人さまを噛んだら…さすがに助けられない…。

 だから…逃がさないように最大限…努力した…。
散歩の時に見た目に惹かれて近づいて来る人たちに対しては危険も知らせた…。

そうして…12年余…。
拾った犬だろうと…怖い犬だろうと…ちゃんと泥棒避けの役目をしていた…。

噛み付き犬ラックは…dove家の…家族である…。
 




次回へ…。






この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。


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捨て犬ラックの物語…第六話 「心の傷」

2007-10-26 17:40:00 | 捨て犬ラックの話
 ラックの脱走回数を厳密に数えたことはないが、あの時はああだった…この時はこうだった…という記憶が家族のそれぞれに残っているから、何度も居なくなったことは間違いない…。

そうだ…。 こんなこともあった…。

 逃げ出したラックを探しに行った下の弟が…ラックを見つけて連れ帰ったのはいいが…ラックの全身がとんでもなく臭い…と嘆いた…。
どうやら…何処かで…全身に肥を塗りたくったらしい…。

森の中の開かれたところには幾つも畑がある…。
近くには牛舎もあるから…考えられないことではない…。
まったく…何をやってくれることやら…。

いくら犬でも外で洗うには寒過ぎる季節のこと…。
仕方がないので風呂場へ入れて、シャンプーでゴシゴシ洗った…。
最も…外に出せば…すぐに仰向けに転がって庭の土を身体に塗りたくるのだが…。

 或る時など、自分で帰ってきたのはいいが、両ほっぺたがおたふく状態…。
ずっと小屋に籠もったまま出てこない…。
理由は分からないが、そのまましばらくはいつもの元気がなかった…。

 ひょっとすると原因は…マムシ…だったかも知れない…。
今は開発されてしまったが、もともとdoveの実家の周辺はマムシの多いところで、興味津々何でも口に入れるビーグル種のラックにとって脱走は危険と隣り合わせ…。

 事実かどうかは定かではないが…犬がマムシに噛まれた時は…何日もじっとしていて自力で解毒するという話を聞いたことがある…。
その時には思い及ばなかったが、ラックの場合もそれだったのではないか…と、後になってから考えた…。

 それもこれも…脱走が家族内のできごとで済んだからよかったようなもので…脱走中に他人に怪我でも負わせていたら…大変なことになっていた…。
とにかく…dove家としては…そのままにはしておかれず…原因を突き止め…太い棒ッ杭を打ち込み…鎖を二重にし…どうでもラックの脱走を食い止めなければならなかった…。 

 

 犬は…人間が思っているより…はるかに豊かな感情を持つ動物…である…。
喜怒哀楽に富み…愛情深い…。
言い換えれば…人間の子供と同じで…傷付き易く癒され難い心…を持っている…。

 ラックが拾われた時に…見知らぬはずのdove家の面々に激しく身体を摺り寄せ…座っていたオカンの膝に顔をゴシゴシ擦り付けて喜んだ姿を…忘れることはできない…。
飼い主に裏切られて捨てられても…死ぬほど寒くて悲しくて腹を空かせて…そんな想いをしても…人間の傍に戻りたかったのだ…。

 ラックは我が家で12年半を生き…最後まで飢えることなく温かく過ごしたが…しかし…我が家に来るまでに味わった心身の飢えを…癒せたかどうか…は謎である…。

 親父が会社へ出かける時間が…ちょうどラックの朝御飯の時間だったのだが…我が家へ来た当初…言葉にできないラックの悲しみを表わしているような出来事が毎日続いた…。

 オカンが朝御飯をラックの前に置く頃に…親父の車が車庫から出る…。
ラックは御飯を食べずにいとも悲しげな声を出す…。
オカンが何度…おあがり…と言っても…食べない…。
ガツガツと大飯喰らいなラックが食べない…。
親父の車の音が完全に消えてしまうまで…鳴き続ける…。
完全に消えてしまうと…諦めて食べ始める…。

 もしかしたら…車で連れて来られたラックは森に繋がれ…最後の御飯を食べている間に置き去りにされたのではないか…。
オカンが…そう…推理した…。
親父が車で出て行く音がすると…また…置き去りにされるのではないかと…不安になるのかもしれない…。

何日も経って…朝出かけても夜必ず帰ってくることが分かってくると…安心したのか鳴かなくなった…。

 見た目が可愛いくてもラックは作り物ではない…。
ラックには…ちゃんと感情が存在する…。
作られた玩具でさえ…捨てられる時には嘆くかもしれない…。
けれど…ラックは…捨てられても…その意味が分からず…自分を裏切った飼い主をひたすら信じ…待っていた…。

あの時の喜び方が…その証…。

諦めることは…ないのだろう…。
忘れることも…ないのだろう…。

連れて来られた時に飢え切っていたせいなのかどうか…前の飼い主と拾ったdove家を混同しているようなところがある…。
家族構成が似ていたのかもしれない…。
もとの家に帰ってこられたと思い込んだのかも知れない…。

でも…それは…前の飼い主を忘れたことにはならない…。
極限状態に置かれたために…記憶がすりかわっているだけなのだ…。

ラックを見ていると…そう思う…。
悲しいくらい…そう思う…。




次回へ…。






この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。


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朝まで頑張れ…!

2007-10-25 17:36:00 | ひとりごと
 朝一番に検査を受けに行ったdove…。
昨日2リットル以上水を飲んで…胃も腸も水でタプンタプン…のはずなんですが…実は干からびていました…。

 何故って…身体の中を空っぽにするためには…水と一緒にあのクスリを何回も飲むからなんです…。
お蔭で昨日は…10回ほど走りました…。
奥の方でゴロゴロいうから…朝方いつもより早く目は醒めるし…。

 のっけから…尾籠な話で恐縮ですが…。
勿論…今朝もクスリを使い…身体の中をすっからかんにして検査に向かったわけです…。

 夕べ…yumeさんから…せめてファミレスで昼食を…なんて勧めて頂いたので…それもいいかぁ…なんて考えていました…。
検査の間だけ…胃とか腸とかの動きを止めておくクスリを注射して…検査開始…。

 検査は身体の中にバリウムと空気とを入れて…撮影するタイプのものなんですが…さすがに御腹ん中パンパンになります…。
その上で横を向いたり、仰向けになったり、うつ伏せしたりで撮影していきますが…御腹が張っていると動くのは苦しい…。

 検査自体はどうってことないんですが…ガス漏れしそうで…もう大変…。
それもバリウムを馴染ませるために…検査の先生がdoveの弛んだ御腹を揺らしたり、押したりするんですね…。

あっ…だめっ…そこ…だめっ…!

出る…あぁぁっ…出る…!

…色っぽい話…ならいいけど…色気のない話で…どうも…。

 で…検査が終わると…検査室の備え付けの個室で…バリウムと空気を排出することになっているんですが…これが曲者…。
普段…胃腸薬系をほとんど使わないdoveはそっち系のクスリを使わなくても…簡単に…排出可能…。
バリウムにさえも反応してしまう敏感内臓…。
このお蔭で…手術後でも…全然困らずにすんだのではありますが…。

 検査が終わってから病院を出るまでに三箇所の個室にお世話になり…ファミレスどころかマックにも寄れず…必死の形相で帰宅して…。
検査代金は思ったよりずっと安かったというのに…残り物で済ませる破目に…。

それでも何とか落ち着いて…やっとほっとしたところへ…最後のクスリ…。

そんなこんなで…今日も10回ほど…走りました…。
2日間で20回…。
いい加減…フラフラしております…。

できればもう…検査はしたくないですねぇ…。
どっか…悪くなりそうだから…。






御飯…ぜ~んぜん…足りませ~ん…!

2007-10-24 16:58:16 | ひとりごと
 明日が検査日なので…doveは夕べ9時きっちりに錠剤を三錠飲み…今朝から検査食を食しております…。
検査する時に、胃とか腸とかに物が残っていると、検査結果に影響するというので、言わば…腹の中を空っぽにするための食事なんですね~…。
                                     
 摂取カロリー的にはちゃんと考えられていますが…これが全然頼りなくて…まったく食べた気がしないんですわ…。
やっぱり歯応えがないといけませんなぁ…。

 朝は…梅のふりかけ付きお粥と味噌汁、おかずの田舎煮…。
梅ふりかけ…梅の粉ですが…酸っぱいだけで味がない…。
お粥にも塩気がないので…お粥好きのdoveでも…あんまり美味くはないです…。

                                     
味噌汁…は薄味の汁の中に爪の先程の麩が三つだけ…。
田舎煮…は1センチほどの大根の切れッ端が数個と…さらに小さい屑のような鶏皮が1~2個…ほとんど汁ばかりです…。
それと…見落とすほどの小さなサトイモが1個入ってたような…。
レトルトの大きさの80%は汁じゃないかな…。
味はレトルトにしちゃまあまあ…ひと口ふた口…で終わりますけど…。
                                     

昼は水っぽいコーンスープ…とカロリーメイトのようなクッキー4本…。
飴玉2個…薄甘の黒飴のど飴みたいな感じ…。
                                     
夜は鰹ふりかけのお粥と味噌汁です…。
まだ食してませんけど…だいたい…想像できますな…。

これが一日分セットになっていて2,100円…。

高っけぇ~…!

…と思わず…叫びたくなってしまいます…。

この間に…一度に400ミリリットルの水を何回か飲み…今夜は二度に亘ってクスリを飲まないといけません…。
水やお茶はいっぱい飲んだほうがいいようで…。

けど…そうそう飲めたもんじゃないし…。

大好物のコーヒーは飲んじゃだめ…。
doveのエネルギー源なんで…コーヒーが飲めないというのが一番応えます…。
お蔭で一日中眠いの何の…。

…で…明日の朝は絶食~!

入院していての検査食や絶食はどうということもないんだけど…シャバで動いていてこの食事はちょっとしんどいものがありますね~…。

何より…もっと塩気が欲しいなぁ…。
量の足りないのは検査だから仕方がないけど…塩気がもう少しあれば随分感覚が違うのになぁ…。

 まぁ…普通なら滅多に体験できないことですから…これもいい経験かな…。
あんまり…したくない経験…ではありますが…。
重病の方には申しわけないけれど…これもお試し検査の気楽さですね…。

 検査は午前中に終わるそうですから…昼御飯はたらふく食べようと思っています…。
そうは言っても…検査費用…目玉が飛び出そうなので…せいぜいマクド程度かなぁ…。






捨て犬ラックの物語…第五話 「ゴンベが種まきゃ…。」

2007-10-23 14:56:00 | 捨て犬ラックの話
 何も障害物がなくても十分にこけやすい性質であるオカンだが…ラックが来てから余計にひどくなった…。
それも…勝手知ったる我が家の庭で…のことである…。

 原因はラックの習性…穴掘り…。
届く範囲内のあらゆる場所を掘り返す…。
庭は無惨にもぼこぼこ状態…。

強度の近眼で…そそっかしく…真っ直ぐに前を向いて進み…あんまり下を見ないオカン…。
格好の餌食である…。

 ラックはウサギ狩りなどに使われるビーグル種だから…穴掘り名人…。
穴を掘って寒さをしのいでいたおかげで…繋がれて動きの取れない寒い森の中でも…何とか生き延びた…。

 せっせと穴を掘り…土を飛ばし…掘った穴の匂いを嗅ぎ…ちょうどいい加減まで掘ると…御腹を乗っけて冷やす…。
暑い夏場は…そうやってあちこちに穴を掘り…そこにすっぽりと納まっていた…。

 穴を掘るのは得意だが…掘った穴はそのままなので…雨が降ると水が溜まってしまう…。
ラックに埋めとけ…と言ったところで…埋めるわけもないので…こちらが土を運んで均すしかない…。

 ぼこぼこ穴が増えてくると…親父がシャベルで穴を埋める…。
埋めるとすぐにまた…ラックが掘り返す…。
親父が埋める…。 ラックが掘る…。
そんなことの繰り返し…。

 笑っちゃいけないのだが…親父がせっせと穴を埋めているすぐ傍で…ラックがせっせと新しい穴を掘っている…。
まさに…ゴンベが種まきゃカラスがほじくる…である…。

僕…お父さんのお手伝いしてるんだよ…。

ラックからすれば…そんな感じ…。
だからとても嬉しそうに…多分…褒めてもらいたげに親父を見る…。
親父はいい子いい子しながら苦笑するしかない…。



 或る日…何気なく外を見ると…ラックが家の裏の空き地で遊んでいた…。
垣根の内側に居るはずのラックが…垣根の向こう側に居る…。

???・・・・・・・・・逃げたぁ~…!!

慌てて庭に出ると…遊んでもらえると思ったのか…ラックは喜んで戻って来た…。
垣根の下を潜り抜けて…。

 期待に背いちゃ悪いので…撫で撫でしながら引き摺っている鎖を確かめる…。
鎖は大丈夫…何処といって異常はない…。
輪っかに潜らせた留め金部分が…偶然…緩んではずれたのだろうか…。

まぁ…構造が単純だからなぁ…。

鼻黒の時には脱走なんてついぞ起きたことはなかったが…運動量の激しい犬だから…鎖もはずれやすいに違いない…。

 何日かすると…今度は庭から姿を消した…。
慌てて捜しに行くと…坂を下った大きな空き地に居た…。
毎日の散歩コースを辿っていたようだ…。

 何度目かには…確かなことは分からないが…夜中に逃げて朝方戻ってきたようで…鎖がはずれたまま庭に居た…。
この時は…誰もその現場を見ていなかったが…身体中に草や草の実などがくっついていた…。
dove家の庭には…ラックの穴掘りのせいで草が生えていない…。
出かけていたのは…まず…間違いないだろう…。

 脱走している最中に誰かに怪我でもさせたらいかん…というので…もう一本鎖を購入し二重にして繋ぎ…括りつけてある棒ッ杭も新しく背の高いものに変えた…。
散歩時の引き綱の付け替えが二度手間だが…事故防止を考えればそれも仕方がない…。

 ラックの動きを観察してみると…運動音痴の鼻黒とは異なって上下左右の動きが激しい…。
それに伴って鎖は張り詰めたり緩んだりを繰り返す…。

 何処か上の方に繋いである場合はいいが…ラックのように棒ッ杭に引っ掛けてあると…止めてある部分が地面と擦れ合う…。
止めになっているΩ型の金属がそのたびに位置を変え…留め金の先が輪に向けば…わりと簡単に抜けてしまう…。

さすがに故意にはずすことは難しいが…。

 何にしても…ラックはこの家を自分の家だとちゃんと認識しているようだ…。
成犬になるまでずっと他の家で暮らしていたにも関わらず…脱走して行方不明になることもなく…朝までには戻ってきたのだから…。

日がな一日ここに繋がれてちゃ…おまえも随分と退屈だろうから…好きなだけ穴でも掘っておくれ…。




次回へ…。



 



この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。


この物語を書く決心をさせてくれた記事です。

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捨て犬ラックの物語…第四話 「ミニトマトの怪」

2007-10-22 17:41:17 | 捨て犬ラックの話
 子供の頃…トマトは丸ごと塩を振って食べるのが一番美味しかった…。
調理してあるトマトなどは…オカンの作る料理では…ついぞ見たことがないので…トマトは切るか齧るかして塩かマヨネーズで食べる野菜だとずっと思っていた…。

 市販のドレッシングが家庭に入ってくるのは…doveが高校生の頃だろうか…もう少し後だろうか…。
すでに…レストランなどでは使われていたが…。

 トマトといえば…ラックが来た頃にはまだ実の大きい品種が主流だったが…生野菜のサラダを好む人々が増えたせいか…手軽で可愛いミニトマトも一般家庭向けの食材として出回るようになっていた…。

 切る手間も省けて…見た目も綺麗だというので…うちでも栽培してみよう…と考え…何本か苗を入手した…。
ラックの小屋から少し離れたところに…手頃なスペースがあったので…そこを耕し…庭中から掘り集めたミミズを大量に放し…小さな畑を作った…。

 ラックは作業をしている間中…すぐ脇にいて…時々撫でてもらいながら…不思議そうな顔をしてこちら見ていた…。
鼻を鳴らし…お尻を人の背中に擦りつけ…時折…掘り返した土の匂いを嗅ぎ…。
少し撫でてもらうと鼻音はしばらく止む…。

doveちん…なにしてんの…? 僕…掘ってあげようか…? 
ねぇ~遊ぼうよ~…! あっ…そのミミズちょうだい…!

そんなことでも…言っていたんだろうか…。
少なくとも…ミミズには興味があるようだった…。



 土地が粘土質で痩せてはいるものの…思ったよりは順調に育ち…全体に丈は低いけれど幾つも花をつけ…可愛い実が生った…。
丸っこい緑の実…。
幾つか色付いてきたものもあって…一番大きなものは間もなく収穫できそうだった…。
 
ところが…。
翌朝…掃き出し窓からトマトを覗くと…あのトマトがない…。

げっ!
虫にやられたか…?

残念…とは思いつつ…次の実もあることだから…と諦めた…。

近く収穫できそうなトマトが幾つかあったので…一個ぐらいは虫にくれてやってもいいかな…なんて思っていた…。

風でそよそよトマトが揺れる…。
畑の傍に居るラックの大きな耳も…風にふわふわ揺れている…。

さらに翌日…一個ぐらいでは済まなかったことが判明した…。
また…ふたつほど…消えている…。
苗の根元を見ると…色付き始めた実がコロコロと落ちている…。

何なんだろう…?
虫が茎を食ったのか…?
実はそのままなのに…。

苗を調べても…それほど悪さをしそうな虫が見当たらない…。

手入れが悪くて…実の付け根が腐ったんだろうかなぁ…?

それからも…毎日のように実が消えた…。
当然…思うように収穫できない…。
手に入ったのは…ほんの五つほど…だ…。

これじゃ…サラダにもなりゃしないなぁ…。

実が落ちるわけが分からず…溜息つくばかりだった…。



 或る日…お日さまの光に誘われて…何気なく庭に眼をやった…。
緩やかな風に吹かれて…ラックが気持ち良さげに…トマト畑を見つめている…。
トマトはそよそよと風に揺れて…ラックの鼻先を掠める…。
ほんのり色付き始めた実がゆらゆら揺れる…。

クンクン…と匂いを嗅ぐラック…。

…と…突然…パクッ!

えっ…?

ブチッ!

えぇっ…?

ペッ!

えぇぇ~っ?

すべての謎は…ラックの口にあった…。

 真の理由は分からないけれど…ゆらゆら揺れるトマトを喰いちぎる…という行為は…ラックにとって面白い遊びだったのかも知れない…。
一度喰いちぎれば…味は分かるわけだから…自分の食べたいものじゃないことは知っているはず…。
それを何度も繰り返すのだから…遊んでいる…としか考えられない…。

自分でお気に入りの遊びを思いつき…毎日それを楽しむ…。

何か…おまえって…すごいな…。

口の先をもうひとつの実に近づけようとして…視線に気付き…きまり悪そうにこちらを見ているラック…。

悪戯なんかしてませんよ~…。

そう言いたげ…。


その年のミニトマトが数個を除いて…全滅したことは…言うまでもない…。




次回へ…。






この物語を読んでくださる方が…捨て犬や捨てネコについて少しだけ…興味を持ってくだされば幸いです…。


この物語を書く決心をさせてくれた記事です。

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