木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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ニーズ設定

2006年10月31日 | 商品コンセプトとは(コツツボ)


◆ニーズの設定
233:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第33発 商品企画


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

記事の目次
デザイン相談室の目次    デザインの考え方と運用について
デザインのコツ・ツボの目次 商品企画とデザインワークについて
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 中小企業振興公社主催の「ものづくりデザイン道場」で講師を勤めています。私の担当は「デザインの心・技・体」の「技」、コンセプト作りですので、講義の内容の詰めもかねて、しばらく商品コンセプトの話をしていこうと思います。商品コンセプトは、次の10項目が一般的です。

1) 商品の存在理由 (なぜ、今必要なのか?)
2) 差異化要因 (今までの製品とどこが違うのか?)
3) ターゲット設定 (誰がどこで買い、誰が使うのか?)
4) ニーズ設定 (使う人が求める機能は何か?)
5) シーン設定 (だれがいつどこでどう使うのか?)
6) 企業理念の確認 (なぜ、作るのか?)
7) シーズ設定 (どのように作るのか?)
8) 販売ルート設定 (どのように売るのか?)
9) 商品構成 (どのような商品にするのか?)
10)デザインコンセプト (どのようなイメージにするのか?)

 今回は、「ニーズ設定 (使う人が求める機能は何か?)」です。


人は美に快感を覚える

 製品を開発する際に、ニーズ、使う人が求める機能を考えることは当たり前です。

 このブログは、工業デザインについて書いていますので、少しだけ視点を変えて、なぜ、人は美しいデザインを求めるのかという視点で考えてみようと思います。美しいものを求めるのもニーズですよね。

 なぜ、人は美しいものを求めるのでしょう?

 もし人が美しいものに関心がなく、美に快感を覚えないのであれば、デザイン行為は不要です。しかし、人にはモノを見て「美しい」と感じる力があり、美しいものを見ることに快感を覚え、身近に置いて使う事に喜びを感じます。デザインという行為にはそういう暗黙の前提があります。

 人は美しいものに関心があり、美に快感を覚えるのです。


美しいものに愛着を覚え、使いやすいと感じる

 そして人は、デザインの美しいもののほうが、あまり美しくないものよりも使いやすいと感じます。性能がよかろうが悪かろうが、それに関係なく美しいものほうが、使いやすい。(デザイナーからすれば、自らの存在理由としてこんな心強い言葉はありませんね。)

 人が誰かと出会ったとき、第一印象がその後のその人に対する態度や接し方に大きな影響を与えることがよくあります。最初にポジティブな印象をもつか、ネガティブな印象を持つかは、人と人、人とモノのその後の関係において大変重要です。

 パソコンを初めて使ったときに、インターフェースに慣れず不愉快な思いをした人は、パソコンにネガティブな印象を持ち、いつまでも不信感を感じ続けます。

 反対に、自動車好きの人は、燃費や性能を気にせずお気に入りのビンテージカーに愛称をつけて可愛がったりします。これはモノとのポジティブな関係がそうさせているわけです。

 美しいデザインは、第一印象でポジティブな反応を起こすため、少しくらい使いにくくても使用頻度が増え、愛着を持って長く使ってもらえる。それに対して、あまり美しくないデザインは、第一印象でネガティブな反応を起こすため、その後の付き合いも疎遠になり、小さな欠点をことさらあげつらうようになるというわけです。


美しいデザインは基本的ニーズ

 人は美しいものに関心があり、美に快感を覚える

 人は美しいものに愛着を覚え、使いやすいと感じる

 この2つの真実は、デザインの前提条件であり、人々が製品デザインに求める基本的なニーズです。製品は美しくなければ、ユーザーに受け入れてもらえないし、長く使ってもらえないのです。

 性能が満たされていることが大前提ですが、その上で、美しいデザインは、すべてのユーザーにとって基本的なニーズです。


 デザインのコツツボですので、企画の話よりも、デザイン実務の話を中心に進めていたのですが、やはり、企画の話は避けて通れないみたいです。しばらく、企画寄りの話をしていきます。

 でも、極力デザイン実務に近いところから攻めていこうと思っています。


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