木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

中小企業のデザインのお悩み、なんでもご相談ください!!

デザインはどこまで必要?

2006年07月04日 | デザイナーとの付き合い方(相談室)
◆中小企業とデザイン1 ≪デザインはどこまで必要か?≫
30:【デザイン相談室】考え方9


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

 記事の目次
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ちょっと近況報告

 会社を辞めてから、徐々に、営業活動をしています。週末起業フォーラムに加入し、交流会に参加して、名刺も大分増えましたし、励ましあう知合いも増えました。

 出版の企画も、粛々と進行しています。今月中には新しい動きをご報告できると思います。(実は、いま、二社から具体的な案件をいただいています。一度に二冊も書けるのかなぁなどと、取らぬ狸の皮算用をしていたりします。)

 そんな活動の中で、やはり「中小企業の工業デザイン相談室」と名前を掲げているのだから、中小企業にアプローチしなければ、おかしい。コンセプトに反します。というわけで、少しずつ中小企業に向けたアプローチを始めました。

 実際にアプローチを始めてみて、なかなか、中小企業とデザインとの具体的な接点はないという感じを受けています。

 中小企業の方も、今まで通りではいけない、なにか新しいことを始めなければならないし、デザインのことも気になる。と考えているようです。

 でも、本当にデザインが必要かどうか、デザインに経費や開発費をかけることに意味があるのか?デザインの効果が測定できないために、そのあたりの判断ができない、という感じで戸惑っている中小企業の方が多そうだ、という印象を受けました。

 なので、今回は、「中小企業にとって、どこまでデザインが必要か?」というお話をしてみようと思います。

  (以下の説明は、ちょっとペット寄り・デザイン寄りすぎるかもしれません。決して、ペットを飼わない奴は駄目だとか、デザインを導入しない企業は駄目だとか言っているわけではないので、それはご了解ください。また、デザインを強要しているわけでもありません。念のため。)



デザインとペット

 いきなり、「デザインとペット」と言われても、戸惑いますね。説明します。

 私は毎日二回それぞれ30分くらいずつ、愛犬の散歩をしています。気分転換・頭の切換えには丁度良く、散歩をしながら、仕事の方針を検討したり、このブログ原稿のアイデアをまとめたりしています。

 そのときは、今回の「中小企業にとって、どこまでデザインが必要か?」という問題について、トコトコお尻と尻尾を揺らして歩く愛犬を見ながら、考えていました。

 そして、ふと閃きました。「デザインとペットは同じじゃないか!」

 ますます、意味不明ですね。もうちょっと付き合ってください。

 その前に、少しデザインから離れて、飼い主とペットの関係について考察します。

 ペットを飼われている方にとって、ペットは大切な伴侶です。私も20年近く愛犬と生活を共にしていますので、これは実感なのですが、愛犬のいない生活なんてとても想像ができません。愛犬は居て当たり前なんです。

 部屋は犬くさくなるし、一緒に寝ているといつの間にか顔の前にお尻があったりします。こちらがどんなに疲れていようが、毎日散歩に行かなきゃ行けないし、毎日のえさ代、時々行く美容室や医者の費用も馬鹿になりません。

 でも、愛犬はいつもそれ以上のものをもたらしてくれます。

 この気持ちは、ペットを飼っている方なら、これ以上何も言わなくても分かってもらえると思います。でも、ペットを飼ったことがない方、ペットを飼う気がない方にとって、上の説明は、単なる「飼い主馬鹿」の戯言で、なんら心に響くことはないと思います。

 また、ペットとかかわりのない生活をしている方でも、上の説明に共感できる方もいると思います。でも、「その気持ちは分かるけど、勧められてもペットは飼わないよ」と思われているんじゃないでしょうか?

 長々と、ペットの話をしてしまいました。でも、これは「デザイン」の話です。

 上の「飼い主馬鹿」の戯言の「ペット・愛犬」の部分を「デザイン」に置き換えてください。それはそのまま、デザインと企業のかかわり方なんだと私は思います。


企業とデザインと「実感」

 では、実際に上の「飼い主馬鹿」の戯言の、「ペット・愛犬」の部分を「デザイン」に置き換えてみましょう。


 デザインを取り入れている企業にとって、デザインは大切な伴侶。

 デザインのない企業活動なんてとても想像ができない。

 デザインはあって当たり前。

 デザインの費用対効果ははっきりせず、費用も馬鹿にならない。

 でも、デザインはいつもそれ以上のものをもたらしてくれる。

 これらはすべて実感。



 すでにデザインを取り入れている企業にとって、上記のことはすべて「実感」なのです。当然、デザイナーにとっても「実感」です。

 でも、今までデザインとかかわりのない企業経営をされてきた経営者にとって、この言葉は、やはり「戯言」にしか聞こえないでしょう。

 または、デザインに興味はあっても、「その気持ちは分かるけど、勧められてもデザインに費用はかけないよ」と思われているんじゃないでしょうか?


とりあえずレンタルしませんか?

 ということで、「デザイン」を既に取り入れている企業にとって、デザインは「経営していく上で(生きていく上で)なくてはならない重要なもの」です。

 それは、「実感」なので、興味のない方には、全く伝わりません。「実感」とは、「実際に体験をした人にしか分からない感情」なので、興味のない方・体験したことのない方には、どう頑張っても理解してもらえない。

 だから、「中小企業とデザインとの具体的な接点はないという感じ」を受けたのだ、と私は考えたわけです。

 はっきり言います。企業経営にとって「デザイン」はなくても構いません。生活にペットがいなくても、全く支障がないのと同じです。

 でも、少しでも「デザイン」に興味があるのであれば、「デザイン」は導入してみる価値があることだけは、保障します。そして、ペットよりは、数段役に立ちます。

 あまけに、デザインは愛犬と違い、一生付き合う必要はありません。最近「レンタルペット」と言うような仕事もあります(私は嫌いですが)。それと同じで、ちょっとだけ「デザイン」を「レンタル」してみては如何でしょう?

 必ず、何か新しい貴重な知見・実感を得ることができると思います。

 次回は、中小企業にとっての「デザインの具体的な効果」のお話をします。


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