木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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商品コンセプトって何?

2006年06月27日 | 商品コンセプトとは(コツツボ)
<写真>ポメも「犬」、マルも「犬」。「犬」がコンセプト?


◆コンセプトって何?
228:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第28発 商品企画


 こんにちは!「工業デザイン相談室」木全(キマタ)です。デザイナーの実像・デザイナーとの付合い方・デザイナーとのトラブル回避法など書いていきます。御相談がありましたら、コメントをくださいね。

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「コンセプト/concept」の意味

 スケッチの説明の際に、何気なく「コンセプトスケッチ」の説明をしてしまいました。私自身、使い慣れている言葉ですので、それこそ普通の言葉のように扱ってしまったのですが、「コンセプト」って、よく聞きますが、結構あいまいに使ってますよね。

 そこで、辞書で調べてみました。


 「コンセプト/concept」
・概念、観念、構想(されたもの)、(製品の)設計概念


 最後の「(製品の)設計概念」というのが、商品開発で言う「コンセプト」ですね。でも、まだ、よく分からない。で、「概念」について、Wikipediaで調べてみました。


 「概念」
概念(がいねん)・コンセプトとは、物事の総括的・概括的な意味のこと。ある事物に対して共通事項を包括し、抽象・普遍化してとらえた意味内容で、普通、思考活動の基盤となる基本的な形態として頭の中でとらえたもの。
(中略)
例として「犬」という概念を挙げる。概念としての犬は、個々の犬ではなく犬の集合に対して存在する。実際には白い犬もあれば黒い犬もあるが、それらの相違点を無視して同一であるかのように扱うので抽象的である。また、例えば4本足であり、尻尾があり、哺乳類であるといった概念としての犬に当てはまることは個々の犬すべてに当てはまるという意味で普遍的である。
(後略)


 コンセプトの意味を調べて、あらためて、納得してしまいました。

 商品開発で使っている「コンセプト/concept」は、ほぼ字義通りに使っているようです。まず、コンセプトは「言葉」です。言葉は、文字にして紙に書くことができますが、その意味内容は、それを読んで理解した頭の中にしかありません。

 「コンセプト/concept」は、頭の中にしかないイメージのことです。

 【しかし、「犬」という概念が、「4本足であり、尻尾があり、哺乳類であるといった概念」というのはちょっと的外れですよね。「4本足で、尻尾のある太古からの人間の相棒」といったほうが、正確でしょう(笑)】 


商品コンセプト

 コンセプトの意味は大体分かりました。では、「商品のコンセプト」といったとき、それは、どんな「言葉」なのでしょうか?

以前、「ことばで形が決まる」という話をしました。そこでは、

「商品企画では、言葉/キーワードが大切だ。」

 という話をしました。「コンセプト」とは、商品開発の各段階で出てきたそれらの言葉/キーワードを、まとめたものです。

企画の段階では、いろいろなキーワードが出てきます。その中から、開発中の商品にぴったりの「言葉」を選んでいく。そして残ったものが、「商品コンセプト」です。

「商品コンセプト」には、一般的に、以下のような内容が含まれます。

1) 商品の存在理由 (なぜ、今必要なのか?)
2) 差異化要因 (今までの製品とどこが違うのか?)
3) ターゲット設定 (誰がどこで買い、誰が使うのか?)
4) ニーズ設定 (使う人が求める機能は何か?)
5) シーン設定 (だれがいつどこでどう使うのか?)
6) 企業理念の確認 (なぜ、作るのか?)
7) シーズ設定 (どのように作るのか?)
8) 販売ルート設定 (どのように売るのか?)
9) 商品構成 (どのような商品にするのか?)
10)デザインコンセプト (どのようなイメージにするのか?)

 ちょっと難しい言葉が並んでしまいましたが、商品企画を進めていけば、上のような内容は必ず論議しているはずです。それらのキーワードをまとめあげれば、コンセプトの出来上がりです。

 例えば、「商品の存在理由 (なぜ、今必要なのか?)」や「企業理念の確認 (なぜ、作るのか?)」なんていうのは、結構、忘れがちですよね。でも、これは、作る側のモチベーションに繋がる内容なので、意外と重要です。

 また、メーカーで多いのが、「販売ルート設定 (どのように売るのか?)」を忘れてしまうこと。新規参入する場合は、特に注意が必要です。いいもの作れば売れる!作らないことには、問屋さんも回れない。とにかく、作れで、作ったのはいいけど、なかなか問屋さんは新しい口座を作ってくれない。なんて話はときどき聞きます。

 企画の段階では、とにかく「言葉/キーワード」が大切です。上のような内容を十分議論して、それらの言葉を「コンセプト」に練り上げれば、きっといい商品ができるはずです。


 デザインのコツツボですので、企画の話よりも、デザイン実務の話を中心に進めていたのですが、やはり、企画の話は避けて通れないみたいです。しばらく、企画寄りの話をしていきます。

 でも、極力デザイン実務に近いところから攻めていこうと思っています。


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