DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ベネズエラ:ロシアがまたものを持って来た&泥棒止まらず

2019-03-25 16:05:05 | アジア情勢複雑怪奇

ロシアが、ベネズエラにモノを持って行った。持って行った担当者はロシア兵と陸軍のエライ人、という感じのようにみえる。

ゼロヘッジがうまくまとめているけど、これは前々日あたりに、ロシアのリャブコフ外務次官とアメリカのエイブラムズがローマで会って、リャブコフがレッドラインを示したようだ、という情勢を受けて今日があった・・・のかなとも見えるし、単なる偶然なのかもしれない。わからない。

Russian Troops, Aid Arrive In Venezuela After Delivering Red Line Warning To Trump

https://www.zerohedge.com/news/2019-03-24/russian-troops-aid-arrive-caracas-trump-leaves-military-intervention-venezuela

 

リャブコフとエイブラムズの会談は、悠長にスケジュールしたものではなくてわりと緊急にやってる感じじゃないかという指摘もあったので、何らかのよろしくない事態があった可能性はある。

 

いずれにしても、ロシア側の主張は誰でも知ってる通りではあるわけだが、ベネズエラに対する米の軍事介入をモスクワは容認しない、ってところ。

それに対して、エイブラムズは、いい会談だったみたいなリアクションで特に目立った発言は残していなかったようだ。

 

■ 強面の配達

ひょっとしたらただの「配達」と「保守点検」だったかもしれないロシアの一行を記した記事が興味深い。

ロシア空軍機、ベネズエラに着陸 国防当局者や兵士が搭乗=報道

https://jp.reuters.com/article/venezuela-politics-idJPKCN1R6050

 

空軍機と見たら普通、軍用機と考えるんじゃないと思うけど、実際に行ったのはイリューシンといつものドでかいアントーノフ。つまり、旅客機と貨物用の飛行機。どちらも空軍の所属機体ではあるんだろうが(知らないけど)、この書き方って何、と笑う。

で、貨物の方はもう帰ってる模様。乗ってたのは99人の兵士という話だが、99人の兵士でできる戦闘というのは通常なさそうなので、これは訓練用とか整備用とかの人じゃないの、とか思ってみたり、あるいはまた実はただの随行だったりしてなということも考えられる。

99人よりある意味大きなバリューだったのは、乗ってた中にいたロシア陸軍のVasily Tonkoshkurov大将。ひときわ強面のおじいさん。

俺だって配達はする、ということなんだろうか(笑)。

 

■ 3兆円がなくなってる by ベネズエラ当局

他方、ベネズエラ当局が現地テレビで言ったことによれば、過去2ヶ月間で、ベネズエラが各国の銀行に預けてある資金が、引き出され、その総額は300億ドル、日本円でいえば3兆円ぐらいになる模様。

"In the past two months, over $30 billion were stolen," he was quoted as saying by Venezuela’s state TV.

The official accused Washington of ordering to seize Venezuela’s assets.

"Assets, which Venezuela has in various banks, are being withdrawn. This is carried out under direct orders from the [US President Donald Trump’s] administration," he said.

http://tass.com/world/1050215

 

これはアメリカとその仲間たちがグアイドを大統領にしたことの直接の利益ですね。

この利益はどこに行くんでしょう?

つまり起きていることは、殺戮を伴わないリビアということもできるでしょう。

しかし、これって1歩進んだなぁって感じ。リビアではともあれガーダッフィ―を殺すことによって首長の座を奪って、それに伴い勝手にガーダッフィ―とリビア国の金を欧州+米が「管理」してその一部は行方がわからない、ってのが現状。さらに、金(ゴールド)の行方は今もわからない。

ベネズエラの場合は、首長殺害、国のぶち壊しに失敗したので、とにかく現ナマだけ泥棒する仕組みを作った、みたいな感じ。

どうなのこれ(笑)。

このターンで一番最初に書いた記事が結局、もっとも事の本質に迫っていたという話になるんだろうか。

ベネズエラ:ほとんど海賊にあったようなもの

 

■ 総じていえば

で、まとめてみるに、現実に起こってる泥棒と詐欺の連続の方がよっぽどベネズエラ人の経済と人生にとって大きいと思われるわけだが、西側メディアは、そんなことを見ようともしない。

これは裏の泥棒をカバーアップするために、表で軍事行動の素振りを見せている、と考えることも可能かもしれない。

もちろん、そうはいってもベネズエラとその隣のギアナ高地あたりの石油がかかっている話ではあるので、現在の直接の泥棒騒ぎだけで話が終わるようにも見えないから厄介なわけではあるけどね。

 

最終的にどこに行くのかわかりませんが、シリアの時と同じようにベネズエラ内部の「野党勢力」という人たちがマドゥロ政権(またはその後継的な、チャベス以来の政治体制の首長)と話し合える環境になるまでこの話に終わりはないことは確かでしょう。

シリアの場合は、最後は、テロリストを入れられて国が破壊されていくのを見た野党勢力が、アサドが好きなんじゃない、シリアが大事なんだと折れて行った。これはチェチェンと同じ。

しかし今回は、ああいう、ある意味便利なテロリストはいない。

 

■ 関連記事

シリアでも米のゴールド問題発生


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシア疑惑が隠してる本物「... | トップ | シオニスト大統領登場とアジ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事