DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

経団連会長、「痛み伴う改革を」

2017-10-24 02:53:56 | 太平洋情勢乱雑怪奇

ここまで来ているのに、それでもやっぱり自民か棄権よ、という選挙結果だったわけで、暗澹たる思いを通り越して、だんだんギャクになってるのが現在の日本という感じ。

経団連会長「痛み伴う改革を」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171023/k10011194661000.html

この中で榊原会長は衆議院選挙の結果について「安定的な政権基盤が維持、強化されたということは、政策の継続や着実な実行に資するものだ」と述べ、歓迎する意向を示しました。そのうえで、榊原会長は「国民の痛みを伴う思い切った改革は、安定的な政権基盤がないとできない。消費税は増税しないと財政を再建できないので、勇気を持ってやって頂きたい」と述べ、消費税率の引き上げや社会保障制度の改革などを求めました。

 

独裁権限があると、国民に痛みを押し付けられるので、経済界としては大変結構に思ってる、ということですよね、これ。

笑ってしまうほど見事な、財界的発想ですね。

法人税増税という手もあるわけですが、そこには触れるわけもないですね。内部留保が大きくなっていることは誰でも知ってる話ですが、そこも関係ないと。

何をいう、内部留保は自由な経済活動の結果だからお前らにいわれる筋合いはないのだ、というのは、しかし、実はそんなに正しくないでしょう。アベノミクスみたいな方針が取られれば、輸出オリエンテッドの企業は明白に儲かるわけだから。

あと、武器三原則をとっぱらうという政治行為によって、武器輸出企業は儲かるし、戦争になったらそれらの企業に投資した企業および人は儲かる。水道民営化も種子法撤廃も、すぐれて政治的な問題の結果として民間企業の利益を生む。つまり、経済活動のすべてを政治と無関係な利益と呼ぶことにはもともと無理がある。

 

しかし、ここではしなくも現れるのは、もはや日本国の財界は一般大衆の生活も考えられるような財界ではないし、そこが押しまくる与党もそうではありませんよ、というプレーンな事実。

というか、もともと資本主義社会の財界とはだいたいそういうもの。

しかし、日本ではそれがそうは理解されていない傾向が非常に強いのは、多分に戦後復興期から90年ぐらいまでの政治運営のせいだと思う。多分それは、復興・勃興期とソ連の存在という2つのファクターが大きかったのじゃないの。

復興期は復興する必要性が経済性でもあり社会性でもあるという状況。上り坂の経済のためには人々にも知識を付けてもらわないとならない、安定して働いてもらわないとならない、という需要は社会的だが経済的でもあった。さらに戦前には一般大衆を含めて社会を維持するための仕組みはなかった、または極めて貧弱だったわけだから、それを構築する必要もあった。

その意味で、いわゆる保守政党も財界も、マスの需要にこたえるようなことをしてきた。

もう一つはソ連。生産手段を国営化している見返りとでもいうべきなのかもしれないが、医療と教育を無料にしてるのもソ連圏の大きな特徴だった。あと、労働者にまとまった休暇を与えてどこかに旅行させるってのもあっちの刺激なのかも。

これに負けないようにしていないと、庶民がソ連だっていいじゃないかと言い出しかねないわけで、そうなると西側的には困るので、財界の都合と国民一般の利益は異なる、とは言えず、国民全体を見ながら政治をやるものだ、という姿勢になる傾向が強かったんじゃないですかね。

しかしもうそういう時代じゃなくなって30年近く立つのに、人々はまだそうじゃないと思っているらしい。自民党にはまだリベラルだっているんだ、みたいな。自民党には確かにリベラル派はいますが、いてもせいぜい宏池会なので、庶民派はもう出ないでしょう。田中角栄を出せる自民党はもうない。

ということは、労働者一般、特に資産持ちでない人々の利益を見てくれる人たちが必要なわけだが、人々はそうは考えないらしい。本当に気づいていないのだろうか?

法人税は下がり続け、その対みたいにして消費税が上昇しているという事実を、多くの人はどうして疑問に思わないの?

 

■ モラルの問題でもある

で、まぁ財界というのはグローバル資本主義を追求する総本山なんだと理解した上で、しかしながら、やっぱりこの発言は凄いよね。

国民に痛みを伴う改革を甘受させよ、と金持ち集団が言っているって結構怖いっすよ。

これを思い出す。

兵糧攻めで北朝鮮国民餓死を」石川県の谷本正憲知事が発言

http://www.sankei.com/life/news/170622/lif1706220011-n1.html

 谷本知事は会合後、県庁で報道陣に対し「北朝鮮のやり方は暴挙を超えている」と非難。その上で「(北朝鮮の)国民が痛みを感じる制裁をしなければ意味がない」と述べ、発言は撤回しなかった。

 

何度も書きますが、いまどき、非戦闘員、一般住民の餓死を公言する首長、リーダーなんてネオコンでさえいない。

これが言えちゃうのが今の日本。

さらには、『正義なき力は暴力だ』と言われるが、私は『力なき正義は無効』だと言いたい、と言い放った松原仁という人もいましたね。

力なき正義は無効だ、ってのは資金的に劣位にある人はいくら言っても無効だ、と通じる。

 

なんてか、こう、日本の上層国民は既に、隠れることなく、お前らと俺らは異なるんだとこんなにクリアに述べているのに、どうしてそれでも自民党なんだろう。この自虐習慣が理解できない。

って別に私は、社会党、共産党、自由党あたりに一気に政権を取らせろとか言ってるんじゃないですよ。しかし、一定数を確保させて、財界と戦う仕組みを確保しなかったらどうするの、ってことです。

壊れてる政治家:「力なき正義は無効」だそうだ



 

 

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界制覇プロジェクトという病 | トップ | 習:新時代だよ、プーチン:... »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『痛みを伴う国民のリストラ路線』 (ローレライ)
2017-10-24 10:45:09
『痛みを伴う思い切った改革』とは『増税』と『痛みを伴う国民のリストラ路線』なので『経済規模の縮小粛清』を企業家が進める『出口なきリストラ路線』の推進で中国やアメリカとは対照的な方向ずけである!
返信する
日本はほんとに凄い状況 (ブログ主)
2017-10-24 10:57:22
ローレライさん、

アメリカファーストはアメの軍備拡張にも利用されるからそこは怖いんだけど、でも99%に目を向ける方向にも一応機能はしている。中国は社会主義の変型判としてボトムアップしてから作る、変える、また考えるみたいなことをしているわけだから、国民シネ作戦ではない。

で、日本。まず、松原仁に発言を撤回させるぐらいしないとダメっしょ。
返信する
まずはあなたから。 (忠武飛龍)
2017-10-24 15:32:44
経団連会長、「痛み伴う改革を」

て、そもそもまずはあなた方経済界・財界・財閥に痛みを伴う改革をしてくださいね。
内部留保の掃出し、組織罰の法定化、パワハラ・セクハラの禁止とそれをした財界人の逮捕。
とかとか・・

て出来るかいな・・

自分ができないのに、人に庶民に偉そうなこと言うな。


ではまた。



返信する
まずかいからはじめよ (バアルのような者)
2017-10-25 12:43:05
痛みを伴う改革、ですか。
先ずは言い出しっぺからですね。品質偽装、リコール隠し、無資格検査の謝罪と賠償は、組織運営すなわち100%経営責任ですので、経営者が負担してください。それこそ社長が自宅も家財も売り払って補償するのが当たり前です。
昔は釜が崎に元社長がゴロゴロしてました。
従業員待遇から搾り取るのは無しって方向で。
返信する
トリクルダウンじゃなくって、スクゥィーズアップって言うんだよ! (私は黙らない)
2017-10-26 04:50:49
「国民の痛み」でいきなり頭に血がのぼった。何がトリクルダウンだよ。逆だろう。スクゥィーズアップって言うんだ、こういうの。吸い上げられた富が、内部留保に溜まってるんだ。
庶民にとっちゃ、株高=好景気じゃないんだ。アベノリスクは株高至上主義。庶民はローン組んで、家買って、子供大学出したら、後はなけなしの貯金をくずして老後をしのぐ。搾り取ったら御用済み。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事