田の神様のつぶやき

歳とともに憂国の情深まり、日本の将来を政治経済の在り方から見つめていきたい。

自民党は安倍氏国葬を契機に‟宗教が政治に影響を与えない仕組み”を国会で議論せよ

2022-10-04 12:10:03 | 歴史に生きる

 安倍元首相がテロ行為で亡くなったことから、岸田首相は安倍さんの偉大な功績に国葬で弔うことにした。当初多くの国民は国葬を認めていたが、テロを起こした青年(?中年)の思いに宗教が絡んでいたことが分かり、メディアが毎日のようにその宗教と政治の関係をあぶりだしてきたことから国民の気持ちも変わってきた。国民はその宗教・旧統一教会がかつて宗教に名を借りた悪質な行為をおこなっていたと知らされ、統一教会と政治家、特に政権を握る自民党との関係がうやむやのままでの国葬に割り切れなさを感じるようになった。

 自民党は国葬が終われば一段落したと思うのではなく、政治と宗教の関係を日本の国政の重要な政治課題にしなければならない。つまり、国民は憲法20条が保障する‟信教の自由”の各条項と現実に問題はないのか問いかけているのだ。宗教は心の問題であってそれを規制することはできないが、宗教行為に公共の福祉に違背するかの問題もあり、宗教活動が国民の生活に及ぼす面からの制約が必要な場合もあるだろう。

  特に政治と宗教の関係は歴史を見ても古くて新しい問題だ。日本では戦前のように国家が宗教的行事で国民を誘導することはないにしても、宗教が政治を利用することはあるだろう。旧統一教会が世界平和統一家庭連合と名を変え、霊感商法や多額の寄付呼びかけはしなくなっても布教活動に政治家を利用してきたようだ。また、政治家が、家庭の在り方、男女・夫婦の在り方、国家の在り方(旧統一教会の反共産主義)などで宗教の教義に同調することもあるだろう。

 私の知る限り、憲法20条・宗教条項がこれほど政治問題にあがることはなかったと思うが、今回の安倍氏の国葬を契機に国民は政治と宗教の関係を明らかにしてくれと望んでいるのだ。国民は政治家が「今後悪質な(宗教)団体とは一切関係を断ち切ります」と誓ってほしいと言っているのではなく、宗教が政治に影響を与えない仕組みを作れと言っているのだ。自民党は政権党として憲法審査会のような場を設定し、国民の前で政治と宗教の在り方を議論すべきである。立憲民主党は憲法議論に消極的なことが今となっては党勢拡大を阻んでいるように、自民党が政治と宗教の議論にしり込みをするなら国民は自民党から離れていくだろう。

 田の神様は、自民党が政治と宗教の問題に真剣に取り組まないようなら、安倍さんのし残した憲法改正も遠のくのではないかと心配している。今回の国民の意識変化の意味を自民党が見誤ったならば、安倍さんは天国でも安らかに眠ることが出来ないだろう。

 

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