田の神様のつぶやき

歳とともに憂国の情深まり、日本の将来を政治経済の在り方から見つめていきたい。

南シナ海の緊張と新安保法制の立ち位置

2015-06-02 14:03:59 | 日記

 今日の神戸新聞と日経新聞に考えさせられる記事が載っている。

 神戸新聞の社説は“南シナ海 中国の身勝手は許さない”との見出しで次のような意見を載せている。南シナ海は国際海運の重要な海域で、中国が「自国の海」として仕切ることがあってはならない。ただ、南シナ海問題への対応と安全保障法制の議論は、切り離して考えねばならない。

 一方、日経新聞の社説は“中国は南シナ海の緊張緩和へ自制を”との見出しで次のような意見を載せている。海上輸送路の安全確保は日本にとって重大な問題である。今後の安全保障法制の議論にも大きくかかわる。

 

 神戸新聞は、今国会で議論されている安全保障関連法案に対する専門家の意見を独自取材で連載している。今日は政治学者、国際日本文化研究センター准教授 楠 綾子(くすのき・あやこ)氏。楠氏の“派遣は国益を考え決定を”は、今日の両新聞の社説の読み方にも関係してくる。今日の神戸新聞、読者以外もぜひ読んでほしいと、そのまま転載させてもらった。

ー 戦後の歴史で、新法制をどう位置付ける   これまでは「憲法の範囲で何ができるか」を考えてきた。その枠を広げる転換点。集団的自衛権は国際法で認められ、行使は可能と思う。国際社会の平和と安定の創出は日本の国益であり、中国の海洋進出、グローバルなテロの脅威に対し、日本は米国と協力して対抗するしかない。そのための法整備だろう。

ー 自衛隊派遣の歯止めがなくなるのでは   現実に発生する事態は曖昧かつ複雑だ。法律で対処方法を完全に規定することはできない。派遣するかどうかは、国益と自衛隊の能力を勘案して決める問題。そのため、政治家の判断は極めて重くなる。国益に合致しないと判断すれば、派遣を断らないといけない。国会には、ずるずると軍事作戦に巻き込まれないようにする役割が求められる。予算措置や派兵の決定・承認手続きで、行政府の行動にどれだけ制約をかけられるか。同時に、日本の対外行動で行政と立法府が協力関係を築いていくことも重要。経験と慣行を積み重ねていくしかない。

ー 国の安全保障とは   万一のための軍事的な備えは大事だが、外交で他国といい関係を作っておくのが大前提。現在は歴史認識をめぐる問題など、望ましい国際環境づくりに成功しているとは言えない。平和国家であることを言動で発信し続けることが大切だ。

 

 私は見出しで「南シナ海の緊張と新安保法制の立ち位置」と書いた。神戸新聞の“国際海運の”と日経新聞の“日本にとって”との違った表現から結論が変わったのか、結論が違っているから前提の表現を変えているのか、知らない。メディアは言うだけで済むが、国会は禅問答をするところではない。国民に具体的議論を深めてほしい。

 

 

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