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ホアン・グスマン対アリ・フネカ(2009/11/28)

2009-12-04 19:14:34 | ボクシング
IBFライト級王座決定戦

元2階級制覇のドミニカ人ホアン・グスマン選手(Joan Guzman)と南アのアリ・フネカ選手(Ali Funeka)との間で争われた空位の王座決定戦はカナダで行われましたが、12回マジョリティドローで王座は空位のままとなっています。(体格比較)

試合の立ち上がりをリードしたのは3階級制覇を目指すグスマン選手。身長で4インチ(10.16cm)劣るドミニカ人ですが、リードの左フックで鋭く踏み込んで中に入り込み、滑らかなボディワークでフネカ選手の攻撃を空転させます。チョッピングライトや右スイングボディなどの大きなパンチも攻撃に織り交ぜながらペースをほぼ完璧にコントロールするグスマン選手の序盤の動きは見事なものでした。

しかしこのスタートダッシュの勢いがやや落ちたように見えた3回。グスマン選手の手数が減り始めます。そしてこの回にフネカ選手の鋭いジャブ、右クロス、左アッパーをそれぞれ単発でしたが短時間に浴びた場面からペースが急速にフネカ選手のものへと移っていきました。この場面で鼻血も出したグスマン選手(恐らく左アッパー?)。
4回には偶然のバッティングでカットした右眉からの出血にも悩まされながら一気にスローダウンしていった元2階級制覇王者に対し、フネカ選手の長い左ジャブや右クロス、接近戦での左右フック・アッパーのコツコツコツコツ当てるがペースを支配し続けます。
ペースを変えようと7回8回とプレスを強めて勝負に出たグスマン選手でしたが、8回終了間際にフネカ選手のショートの右ストレートを浴びて明白に効く場面もあったグスマン選手の完敗に見えた試合でした。

しかし公式のスコアは1人が116-112でフネカ選手の勝利を支持していたものの、残る2人が114-114のマジョリティドローでした。シロート採点は118-110フネカ。
かなり驚かされた公式結果でしたが、これが何らかの意図の下の不当判定だとは思いません。グスマンなんかを救ったところで何のメリットも無いでしょうし。

ラウンドごとの優劣の積み重ねで決するボクシングの採点結果。おかしなスコアになってしまうこともままあることだと、経験上からも感じます。
さらに3人のジャッジの多数決で決するシステムな以上、10人のジャッジのうち8人がフネカの勝利と見る内容だったとしても、結果2-1でグスマンの勝ちという結果もあり得る。
フアレスとジョンのユナニマスドローシントロン対マルチネスの理解し難いドローなんかも同じ事でしょう。フネカ選手にとっては不運としか言いようの無い結果でしたが、試合を見た人には誰が本当の勝者だったのかは明白。チャンスはすぐにもたらされるでしょうしめげずに奮起してもらいたいものです。

フネカ選手は30勝(25KO)2敗3分。体格が反則級でスタミナがある。一発の破壊力は無いけれどもとにかくコツコツ当て続ける。そして接近戦が意外に上手い。
こういったあたり、少し前のポール・ウィリアムス選手的にも見えました。(最近のウィリアムス選手はちょっと違ったりもするんですが)
グスマン選手は29勝(17KO)1分。グスマン選手にとってはライト級はやはり無理がある気がしました。パワーやスタミナという体力面での問題は絶望的に感じました。

CompuBox Punch Stats: Funeka Batters Guzman Over 12


ボクシング ホアン・グスマン vs アリ・フネカ





写真
BUTE STAYS UNBEATEN WITH 4TH ROUND KO(HBO)
Lucian Bute KO 4 Librado Andrade(P4P.com)


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5 コメント

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Unknown (たかみ)
2009-12-04 20:36:00
信じられない判定でしたね。完全にグスマンの完敗なのにこのジャッジ。
ある意味マルチネス、シントロン戦以上とも言える不可解判定。レノックス・ルイスを含め、HBO解説陣もこのドロー判定の異様さに、声をあらわにしていましたね。海外のフォーラムではグスマンがゴールデンボーイプロモーション所属だから、このドロー裁定になったと騒ぐ声も。ゲイリーショウはせめてフネカにIBFタイトルを与えてくれと訴えていますね。ジャッジの不当性を指摘する声も各所であるようですが、どこまで効果があることやら。
インタビュー時に泣きそうな顔をしていたフネカが気の毒です。ボクシングの試合を観て久しぶりに暗澹たる気持ちになりました。
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Unknown (Unknown)
2009-12-04 20:49:32
フネカでかいですねぇ。
ジャブ、ストレートも伸びる伸びるw
これはグスマンやりにくくて仕方なかったでしょう。
ケチがついたとは言えフネカから二度もダウンを奪って勝利したキャンベルはさすがですな。

フネカは何時かチャンプになれるでしょう。
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Unknown (管理人)
2009-12-04 21:28:48
>たかみさん
フネカは南ア以外での2試合いずれもアンラッキーな結果、内容で非常に気の毒です。
ただこの日の内容・結果は下手に世界王者になるよりもインパクトのあるものだったはずです。
チャンスは近いうちに必ず訪れるでしょう。

>Unknownさん
体重超過のキャンベル相手なので、あの試合で両者の実力を測るのは非常に難しい面があると思ってます。
キャンベルがダウンを奪った右、をグスマンも再三見せていましたが、パワーの違いがありすぎでした。

私はフネカは打たれても強い選手、と見ているのですが、この試合ではグスマンがあまりにもパワー不足なのもあってフネカのタフネスについてはまだ確信が持てていません。
次戦でそのあたりを見定める事ができれば&それを試せる相手との試合を見たいです。
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Unknown (プクー)
2009-12-05 11:15:23
グスマンはライト級の体重も作れなかった前科がありますが体格相応のフェザー級あたりで出直して欲しいです。Sバンタムの頃のリトルタイソンと呼ばれていた頃のようなスピードとパワーで勝負するボクサーに戻って欲しいです。このままだと判定逃げ常習ボクサーで終わってしまいそうです。
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Unknown (管理人)
2009-12-06 07:26:42
>プクーさん
体重超過していますし、体重が作れないからライト級に上げたんでしょう。
ライト級では通用しないから再び下げる、ってのは無理な相談なのではないでしょうか。
判定狙い=逃げ、だとは全く思いませんがライト級でのグスマンのスタイルはまた見たいと思うものでは無いですね。
この日の序盤は良かったんですけれど。
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