大福 りす の 隠れ家

小説を書いたり 気になったことなど を書いています。
お暇な時にお寄りください。

彼女達 第13回

2012年01月02日 22時34分01秒 | 小説
第1作 『僕と僕の母様』 全155回 目次ページ


                                             


『彼女達』


第 1回第 2回第 3回第 4回第 5回第 6回第 7回第 8回第 9回第10回




彼女達 第13回



国語、数学、社会、一般常識 4教科の試験だ。


解答欄に答えを書いた志乃であったが

「こんなに簡単でいいの?」 そんな感想の試験問題であった。

試験が終わって家に帰った志乃。 試験は簡単と感じていたが 来ていた人数の多さに 無理であろうと判断して「今日の試験だけで絶対落ちる」 そう父親に報告をした。

翌日、面接だ。

面接は五人同時に座って質問に答えて行く。

学校で何度か練習があった通りにしてはいたが 運悪く一番端に座って 一番に質問に答えなくてはいけない。 考える時間が無い。 

「ああ、早く帰りたい」 頭の中はこれだけだった。



翌日学校の放課後 廊下掃除をしていると 就職指導の先生に逢った。

「おう、試験どうだった?」

「先生! あんなに大きな会社って 教えてくれなかったじゃないですか!」 就職指導に噛み付いた。

「自分で大きい会社って言っておいて 何を言ってるんだ」

「大きいにも程があります。 それにあんなに沢山受けに来ていて 合格するはず無いじゃないですかー」 すると就職指導が 志乃を廊下の隅に連れて行き

「言っただろう、お前は合格なんだよ。 お前だけは って言うんじゃなくて そこに居た者全員まずは合格なんだよ。 お前、面接で変な事 言わなかっただろうな」 大きな声では言えない会話だ。

「言ってないつもりです」 はっきりと大きな声で答えた。

「大きな声で言うな! じゃ、もういいあっちへ行け。 落ちた者がまだいて こっちは忙しいんだ」

「先生が呼び止めておいて 勝手なんだから」

掃除を済ませ 教室に帰った。 教室には 他のクラスのソフト部員とテニス部員、真紗絵がいる。

「今、就職指導と話してた?」 真紗絵が聞いてきた。

「うん、噛み付いておいた」

「何それー?」 そこにいた全員で大爆笑だ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 彼女達 第12回 | トップ | 彼女達 第14回 »
最新の画像もっと見る

小説」カテゴリの最新記事