大福 りす の 隠れ家

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彼女達 第3回

2011年11月24日 00時56分52秒 | 小説
第1作 『僕と僕の母様』 全155回 目次ページ


                                             





彼女達 第3回



3人は2年3年と同じクラスであったが 特に仲が良かったわけではなかった。

ただ、真紗絵と志乃は スポーツ部員同士ということで 時々話してはいたが そのくらいのものだった。


3年の夏休みが終わり 2学期が始まったが 志乃はクラブに通わなくなり 放課後、時間を持て余すようになった頃 夏休み明けに クラブを引退している真紗絵が 教室に残っていた 志乃を見つけた。 真紗絵が

「何してるの? 部活に行かないの?」

「うん・・・。 本当なら 後輩の指導に あたればいいんだけど」

「何?」

「行くのが嫌なの・・・」

「そっか、無理しなくて いいんじゃない? 顧問の先生に 何か言われた?」

「何にも。 普通なら 後輩の指導に来い って言われるんだろうけど 何にも言われないから・・・」

「じゃ、気にしなくても いいんじゃない? それより腰どう? 大丈夫なの?」

「うん。 歩くには無理しない限り大丈夫。 まだ走ったり 身体を捻ったりは出来ないけど あ、重い物もまだ持てないな」

「そっか じゃ、カバン持ってあげる。 テニス部の部室に来ない?」

「え?」

「教室でもいいけど 部室のほうが落ち着かない?」

「テニス部員でもないのに 入っていいの?」

「そんなの気にしない。 気にしてるのって 志乃のクラブだけだよ。 ま、志乃のクラブは歴史があって 我が校の勲章だから 敷居が高くて 誰も入れないけどね」

「うん、部員以外 誰も入ってきたことないよ。 え? 他のクラブって みんな他の部室に 自由に出入りしてるの?」

「そうだよ。 だから気にしなくていいの。 隣のソフト部なんかとは 壁一枚だから 壁越しに会話もしたりしてるよ。 声が筒抜けなの」

「そうなんだ」

「志乃の所は 部室孤立してるもんね」

「うん」

「今日、何の用もないんでしょ?」

「うん、無い。 それに早く帰っても 何していいか分からないし 明るいうちに 帰るっていうのにも慣れなくて」

「ずっと練習だったもんね。 行こう 行って話ししよう。 カバン持ってあげるね」

そうしてテニス部の部室へ向かった二人だったが 2階建てのプレハブ部室棟には バトン部の部室も勿論あった。

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