大福 りす の 隠れ家

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彼女達 第2回

2011年11月19日 04時39分14秒 | 小説
font color="green">第1作 『僕と僕の母様』 全155回 目次ページ


                                             





彼女達 第2回



何年も過ごしていると 段々と相手に心が許せてきた。
「この人は とても私を大切にしてくれている。 何かあると前に立って守ってくれる。 この人なら 家庭を守ってくれる。 私の産んだ子を愛してくれる。 体裁ばかりの父とは違う」

年齢的に出産を考えると もうそろそろ限界だ。 

「可愛がってくれている義理の両親の為にもこの人の為にも 絶対に男の子を産まなければ・・・」

そんなプレッシャーに押されながらも 無事長男を産んだ。

「男の子一人だけじゃ駄目。 もしこの子に何かあったら義父母に合わせる顔がない」 女の子を希望はしていたものの 跡取りという責務から もう一人男の子を産まなければという思いがあった。 

二人目の出産 男の子であった。 男児二人を授かった。 

勿論、子供が出来たからと妻を邪険にする夫ではなかった。 

それどころか歳を重ねた分 今まで以上に大切にしてくれている。 今は幸せな生活だ。


真紗絵は短大を卒業し すぐにバイト先で知り合っていた男性と20歳で結婚、いわゆるハネムーンベビーですぐに女の子が生まれた。 

その2年後に女の子、二人姉妹だ。 

真紗絵と同じ年頃の友達は皆、楽しそうに遊んでいる。

「どうして私は遊べないのよ。 ずっと子育てなのよ。 みんな華やかな服を着てるのに どうして私は子供に汚された服を着てるのよ」 早くに子供を産んだがゆえに 遊んでいる友達を横目に ストレスではち切れそうになっていた。 

だがその中でも 自分への慰めの言葉があった。

「誰よりも早く子育てが終わるのよ。 そうすれば誰より早く第2の人生が始まるのよ」 ただ、そろそろ子育ても終わりかというときに 離婚をしてしまった。

今は自分の生活を支えるために働かなくてはならない。


志乃は高校を卒業したあとも ずっと同じ所で働き 彼はいるが独身を貫き通している。 
何故独身なのか、相手が結婚の出来る状態にないからだ。 

いわゆる不倫なのだ。



こんな三者三様の生活をしている 彼女達。

秋美・真紗絵・志乃 高校時代の同級生。



当時の彼女たちは

秋美はバトン部のマネージャーをしていた。

真紗絵はテニス部だ。

志乃においては引き抜きでこの高校へ入り 世界大会も夢見た時があった。 本人が夢見たのではない 周りが夢見ていたのだ。 

しかしこれからという 高校3年の春 身体中のあらゆる故障を かばうように練習をしてきた結果 腰を悪くし 何とかシーズンの予選を 突破してきてはいたが 夏休み、本選の大会前日に 一人では全く歩けなくなってしまった。 

この時に選手生命を終わらせてしまったのだ。

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