備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『オペラ座の怪人』佐野@怪人(2回目)

2020-11-22 20:40:16 | 国内ミュージカル
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"プロローグ"
『落札』という第一声に
大変、感情が籠もってる。

今までは無機質に聞こえてくる
ざわめきを一掃する一言でスタート。

それが、絶賛、オークション開催中。
という、リアルな雰囲気を醸し出す。

そのオークショニアの
語り口が異様に胡散臭い。

志村氏の髭面がただでさえ、
胡散臭いのに、『~ですぞ?』という語尾。

ちょっと、詐欺なのでは?
と、思わせてしまう胡散臭さ。


何故か、商品が椅子下に。
高井@1枠が、立ち上がるのだが、
そのヨッコイショ感。

そして、20フランで挑む高井@1枠。
が、マダムの25フランでアッサリ諦めてしまう。

結局、ラウルに競り落とされる、
転生してもラウルに勝てない高井@1枠。


老ラウルは老け声で無い。
なのに、歌唱後に息切れがヒドい。
それも、かなり長い間、息切れしている。

そんな無茶するなら、歌うなよ。


シャンデリアの欠片一揃い登場。

ここで、異様にシャンデリア
に興味を示す、高井@1枠。

座ってたのに、身を乗り出し、覗き込む。
元はと言えば、壊した張本人なのに、高井@1枠。


暗転退場の様子は、
座席が遠くて目視出来ず。

"ハンニバル"
高井1枠のライオン男。
出てきて、数回、杖を振ったら、
さっと、下手に移動。

そのまま、口が半開きのまま、
同じ被り物役者と雑談を始める。

で、その時の手の位置は腰。
そして、状況によって、叩いたり、
他のコーラスガールとワチャワチャしたり。

なぜか、常に口は半開き。

ルフェ登場。
先程とは違う演技。
なのに、胡散臭い。

支配人に欠陥物件
(オペラ座)を売りつける感、満載。

支配人が登場すると、
ライオン男は、その裏でスタンバイ。

カーラのソロを
アンドレが提案するまで、
フィルマン、懐中時計を見ていたり。

そして、やたらとオケピを覗き込む。
かなりオケピの様子が気になるらしい。


カーラソロ披露。
それに、下手の方を向いて、
生あくびをするライオン男。

やはり、時間を気にするフィルマン。
途中の拍手で慌てて、とめられる。

幕落ち後、メグソロのほか、
アンサンブルの歌がハッキリ聞こえる。

"スウィングオブミー"
怪人の事は、
『言えないんです』
から『知らないんです』に。

ちょっと、怪人との距離感を感じる台詞。


最初は気弱な歌い方。

それに対し、思い切り、
台詞で会話する支配人。

が、途中から一気に歌い上げ。
ここが、結構、ドス効いてる。

一気に本舞台に。
ここの支配人の暗転も見えず。

フィルマン、真剣に鑑賞。
興味を示すラウルに、後ろで、
良かった、良かったと
相づちするフィルマン。

怪人の囁きが、
『スィミー』から『シーモ』に。


"リトルロッテ"
フィルマンの台詞が、
『幼なじみらしい』
から『初対面じゃないらしいぞ』

まあ、さっき、ラウルが
そう歌ってたからね。

エンジェルの存在を話すクリスに、
『そうか。では食事に』
全く、ガン無視のラウル。

ここにラウルの若さが。
切り替えの良さがハンパない。

"ザ・ミラー"
第一声の石丸幹二氏、感。

声楽怪人では有るけど、
ここまで、石丸氏感が来るとは。

プレスコ部分で特に感じる。

"オペラ座の怪人"
間奏部分で、
ハンニバル同様、
コーラスが入る。

『闇に潜みて 迫る
彼はファントム ジオペラ』

ボート漕ぎが大変にスムーズ。
オールの漕ぎ方にそれが現れる。

そのまま、帽子飛ばしや、
マントの捌き方と熟練した腕前。

"MOTN"
意外と低音だった。
もっと、高音のイメージが有ったけど。
これは加齢によるモノか前からか。

声楽っぽさに関しては、以前と変わらず。

そして、このシーンでの、
手の角度、しなやかさ、健在。

"怪人の隠れ家"
ひたすらイマジネーション派。
没頭すると、やたらと、手を動かす。
こう、何か、手でイメージしてる。

羽ペンを動かすのはかなり後半。
目を瞑ってイマジネーションでなく、
単に没頭してるだけなので、クリスに気づけ。


匍匐前進は、結構、長めの距離。
曲のテンポが遅いので、ゆっくりと進む。

仮面を取り返した後、
ここの退場が、クリスの方が早く、
手を引っ張られて捌けている、怪人。

その間、動き続けるオルガン。
結構、ウルサい。


”オフィス”
新聞投げはおとなしめのフィルマン。

プリマドンナ前の、
アンドレ、フィルマン、
ピアンジの段階的ツッコミ。
ここがおもしろかった。


”プリマドンナ”
ここの各パートがよく聞こえる。
音響の良さの他、
メグとマダムの声が、
イツモの四季配役では無いかも、
という事実に気づいた。

途中、カーラのために、
用意した椅子に座ってしまう
ウッカリ、フィルマン健在。

キチガイが化け物と言う歌詞に。

"イル・ムート"
白塗りの殿様登場。
アティーリオの高井1枠で初歌唱。

バカ殿感は有るけど、それまでが、
付け髭だった衝撃の事実。

声は良いけど、イマイチ
高井氏の声が分からず。
覚えられず、特徴の無い声。

その間、結構、
真面目に観てるフィルマン。

異変後は、まず立ち上がり、
客席に説明するフィルマン。

死体落下後に、
再び、ステージに。
その時の説明の台詞が、
開口がなく、一番良かった。

"AIAOY"
四季ヒロイン声でないクリスと、
典型的な王子ボイスなラウル。

落下前の囁き怪人。全編、裏声。
その歌い方で、最後まで歌い通す。
ちょっとした職人芸の域。

天使像待機の怪人。
ほとんど動かない。
像自体が安定してる可能性。

シャンデリアが落ちるまで、
0番に立つアティーリオ。

が、落ちた後は、ドタドタ
と退場していくアティーリオ。



"マスカレード"
支配人の導線は基本、変わらず。
間奏中は社交活動で、手にキスを。
この状況下でもその演出か。

ただ、それ以上に高井@1枠、
の清朝に気を取られる。

衣装がオリエンタルに、
中華帽と、地下で作曲活動してました?
そこに、おさげ付きとオシャレヘア。

マントで隠れて、クリスを脅かしたり、
マントをバサバサと、その華麗なマント捌き。

胸の前で手を合わせるポーズとか、
エセ中華っぽい、スタイル。

サビも他の人がグリコポーズでも、
一人、胸の前で手を合わせたり。

清朝がそういう振り付けなのか、
それとも、高井@1枠のオリジナルなのか。

"支配人のオフィス"の後
マダムがメインになるので、
フィルマンは後ろでちょっかいを出す程度。

一度、カーラとクリスの板挟みに。
その時の困った顔がハイライト。

やたらと、上目使いで、
所信表明をするフィルマン。


”ドンファン稽古”
ルフェの天下。

脇でスタンバイする
バッサリーノ役の高井1枠。
稽古時は、帽子にチョビ髭。

ソロ歌稽古はなく、キョロキョロするのみ、
なんだけど、やはり目がいく。

アンサンブルがザワツくと、
わざわざ、ピアンジに教えに行く。

が、オルガンが鳴り出すと、
そっちのコーラスに。

"墓場にて"
クリスソロが
高音でなく、低音で引っ張る。
ラストは裏声になるけど。

十字架から、
スッと現れる怪人。

そして、1幕ラストとは、
違う、かなり優しい歌い方。

ラウルがかなり通る声。

ここの怪人が、やはり
石丸氏に似ており、
更にコミカル路線の
話し方とソックリと言うオチ。

ここの三重唱の本領発揮する音響と
それを可能にする今回の三人。

”ドンファン本番”
高井@1枠バッサリーノで登場。

カボチャパンツに、
赤い羽根付き帽子と、
衣装としても、ソロとしても見せ場。

ただ、やはり、声は分からず。

そして、殿様、という最後の台詞で退場。

ファントムの最後のセリフ
が奇行のような歌い上げ。

"PONR"
カーテンを締める仕草がかなり思い切り。

クリスの怪人と気づく瞬間。
それが思い切り分かりやすい。

こっちの方が音域的に合う怪人。
実はバリトン怪人なのか?

このクリスと
駆け引きが出来る怪人。


そして、最後のフィルマン。
もう、お終いだー、という捨て台詞とともに退場。

"怪人の隠れ家"
PONRで仮面が外れた瞬間、
スゴい表情演技を繰り出す怪人。

かなり、チマチマと動く。
その多動症感がスゴい。

『選べ』が台詞。

クリスに抱きつかれても、
手のワナワナは控え目。

それ以上の演技が無い。
 

猿の顔隠し。
これが結構、早い段階で、
マスカレードと共に隠す。
仮面という歌詞に合わせない。

アイラブユーがロングトーン。

椅子抜けがスムーズで、
抜けた瞬間が全く分からない。


佐野@怪人
ともかく、石丸氏と似た声。

声楽系なのは知っていたけど。
それでいて、意外と低めな声。
もっと、テノールだと思ってた。

怪人の位置づけとして、
音楽の天使として、先生として、
居る印象だったけど、今回、
駄々っ子系怪人の印象に。


山本@クリス
キンキン声でないクリス。
大変にベテランで、新人感皆無。

佐野氏と対峙出来る貴重なクリス。


加藤@ラウル
正当派な四季王子路線。

演技も正当派だけど、
更に、怪人が上手。

パワーバランスは正しいけど、
もっと、頑張れ、となる。


河村@カルロッタ
オペラ発声というよりは、
ミュージカル発声なカーラ。


松尾@メグ
ここが可愛い系で無い。
ただ、それが必ずしも正解ではなく、
もう、ちょっと、歌えた方が。

アレしかソロは無いのに、
今までに無いタイプのメグ。


戸田@マダム
ちょっとヒステリック。

もうちょっと、
冷静なキャラかと思ってたけど。

これが新演出なのか。

増田@アンドレ
優しいテノール。
ここは安定か。

平良@フィルマン
心地よいバリトン。

ただ、オペラ発声というか、
ミュージカル発声でなく、
声楽発声なため、良い声だけど、
ちょっと、開口法が強めで棒読みチックに。

ただ、これは下手の時の話で、
センターに座ると、それが無い。

なので、席位置の音響は、
台詞に関係してくるのかも。

日浦@レイエ
若いけど、専制君主らしい。
声が若いかな、やはり。

見付@ブケー
ピンポイントで美声。
ソロが少ないだけに、
その印象が強く残る。

志村@ルフェーブル
他に、オークショニア、警備員。
警備員が、なんか転職しました?感。


高井@アンサンブル1枠
正直出落ち感は有る。
歌声も埋もれるけど、演技は目立つ。

そして、怪人では、
特に、感じなかったけど、
アンサンブルに入る事で、
ここまでオイシいキャラになるとは。


新劇場こけら落とし公演。
といっても、お馴染みのオペラ座。

今回、上演をするにあたり、
本家の演出家からリモート演出
をして一部、演出を改変したらしい。

しかし、細かい台詞やアンサンブル
コーラスの追加というのは分かるけど、
役そのものの違いはそこまで感じられず。

怪人自体、マチソワで観たが、
この演出での違いというよりは、
役者の怪人造形の違い、というくらい。

また、感情の揺れ幅が
強くなったと言われても、
同じ役者で見比べないと分からないし。

脇のプリンシパルの
音域が変わったかな、というのは、
プリマドンナで気づいたけど。

そもそも、四季っぽいオペラ座の定義とは。
やはり、ある程度、段取り、というか、
演技よりは歌に力を入れている、
あまり、役者に寄る差違が無い点か。

それでも、主役が変われば、
印象は変わるもんだし、
それは今に始まったことでは無いし。

そう考えると、
あまり違いは分からず。

ただ、この演出では、
村@怪人の出番は無いんだろうな。
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4 コメント

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Unknown (Jun)
2020-11-24 04:19:35
dachoさん、忌憚の無い感想をありがとうございます。
恐らく自分が荒ぶっていたのも今回行かれた要因の一つなんでしょうが、
BWやWEどころじゃないレベルの百戦錬磨(しかも、基準が🐻)のdachoさんにとっては、そこまで差を感じなかったのかもしれません。
ですが、海外に行った事がなく、今までの「劇団四季のオペラ座」に対してどうも食い足りない所がある自分にとっては、今の熱量溢れるオペラ座は天啓レベルでした。
佐野ファントムも山本クリスも、RUG側の手が入り始めた横浜の頃はまだ過渡期だったんだと思います。それが、今回はリモートとはいえしっかりゼロから作り上げる事ができたんでしょう。
よそ行きではなく、「生きた感情」がぶつかり合うバチバチのオペラ座をずっと観たかったんですよね。なので土曜日は荒ぶって(しかも、1時間強のインターバルで「プロデューサーズ」とのマチソワ)しまいました。
高井1枠がどれくらい続くのか、四半世紀以上ぶりの村フィルマンがいつ来るのか分かりませんが、とにかく、今年中に博多マンマ再訪も含めてもう1回は遠征したいです。
岩城ファントムのレポも期待してます。
JUN様 (dacho)
2020-11-24 22:08:00
一番の違いは熱量、ですか。
同じ役者で比べないとダメですね。

山本さん、KAAT時代にも、
出演してたんだ、と思い、
過去の記録を確認してたら、観てた(笑)

それも、名古屋で一回、
KAATで三回。

こんなに印象が変わったのは、
演出なのか、それとも、経験の差、なのか。
Unknown (めい)
2021-01-03 08:28:55
昨日観に行きましたけど、私は以前の四季版(と言っても10年ぐらい前)と比べて、全体的に演技が細かくなったと感じましたよ。(岩城ファントム 、山本クリス、加藤ラウル、河村カーラ、北澤アンドレ、平良フィルマン、木村ジリー、五所メグ)
特に山本クリスが素晴らしかったです!(横浜バージョン観てないですが)『墓場にて』感動……!!
各人の心の流れが良く判る演技(演出?)になっている気がしました。違うキャストでも観てみたいと思わされるステージ。大満足でした。
Unknown (dacho)
2021-01-04 12:08:47
めい様

では、やはり、変わってるんですね。
→以前の四季オペラ座の
感覚を覚えていない人。

あと、1人の怪人が登板したら、
観に行きたいのですが、いつの事やら。

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