備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『四月は君の嘘』

2022-05-08 12:45:02 | 国内ミュージカル
過去のワイルドホーンまとめはコチラ

テキトーなあらすじ。

舞台に現れる、青年と少女。
それぞれが、『出会った事で、
自分は変わった』と独白。

と、舞台でピアノを弾く少年。

弾き始めは順調だが、
ミスタッチで止まり、
繰り返す度に、弾けなくなる。

母親にスガる少年。

少年の名は公生。

母親に認められたくて、
ピアノは弾くが、
向上心の強い母親は認めない。

そして、ピアノの音が聞こえなくなる公生。
(”僕にピアノが聞こえないなら”)

公生ソロ。
プロローグっぽい、爽快なメロディ。
でも、アニメとかのオープニングにありがち。
一応、曲の中に転調も有り、
CDには無かった、コーラスの厚みが追加。

数年後。
公生、高3の春。

高校の音楽室。
割れる窓ガラスの音。

犯人はソフト部の椿。

たまたま、音楽室に居た、
公生にボールが直撃。

公生の幼なじみである椿は、
公生にまた、ピアノを弾く事を勧める。
が、それを拒絶する公生。

そんな二人の言い合いを
茶化すサッカー部の渡。

”僕らの時間”
CD未収録。

公生と椿のデュエットから始まる。
からの、渡が追加し、生徒コーラス参加。

オープニングとは違うタイプの爽快感。
でも、なんだろう、『デスノ』の
テニス対決を観戦する観客の屈伸振付、
アレをなんか、思い出す。

今回、とにかく、
このアップテンポ、多め。
学園ドラマの爽やかさを出すため?

ただ、それは、
アメリカンドラマではない、
国内学園ドラマ感になる不思議。

『渡を紹介して欲しい』という、
かほりの願いを叶えるために、
日曜日に公園で待ち合わせる。
それに、公生を巻き込む椿。

待ち合わせ当日。
待ち合わせ場所には、
ハーモニカを弾く少女が。
(”Perfect(S.ver)”)

かほり、ソロ。
繰り返されるモチーフ。

そして、面通し。
かほりと仲良くなる渡。

そんな公生を”友人A”と名付ける。

紹介も、そこそこに急ぐかほり。
これから、コンクールが有ると伝える。

コンクール会場。
"One Note"
CD未収録。

アンサンブル曲。
出始めは『マタハリ』の”兵士曲”かな、
でも、中盤になると『アリス』っぽい。

シリアスな曲っぽさかと、
思いきや、耳馴染みの良い、
柔らかいメロディに落ち着く。

ここで、公生のかつてのライバル登場。
ただし、公生は全く、覚えてない。

そして、かほりの番。
”Perfect”
フルver。

この作品の一番のメイン曲。
でも、転調も、途中のソロも無い。

途中、ヴァイオリンの演奏に従って、
早くなって行くけど、それは”One note”
で、レントのタイトル曲みたいなメロディ。

シンプルに同じメロディを繰り返す。
なので、余計に耳に残る。

コンクールでのかほりの演奏は、
楽譜に沿ったモノではないので、
コンクールに入賞するモノでは無い。

でも、観客の心を捕らえ、観客賞を受賞。
二次予選に進むも、かほりは入賞することには、
全く、興味を持っていなかった。

更に、それは公生にも
影響を及ぼす。
("映画みたいに")

公生ソロ。
途中の独白、そして、
メロディを繰り返す。

実は、公生、初のバラード。

『公生が変わった瞬間』と
独白するかほり。
季節は変わり、夏に。

高校最後の夏。
渡の試合が始まる。

”The beautiful game”
アンサンブル曲。
CDよりも、コーラスに厚みが。
『スカピン』の”栄光”的な、
バラードだけど、盛り上がる高揚曲。

特に、サビの部分。

あと、最後、渡ソロが。
このピアノ一本。

でも、試合に負ける渡。
まず、これ、サッカーだったか。
なんか、バスケの印象だった。

このサッカー群舞が面白すぎて。
サッカーの、.5舞台ってこんなカンジか。

なお、試合終了後、
メンバーは10人。
キーパー、どこ行った?

そこに現れる、かほり。
負けて意気消沈な渡を気遣い、
『渡は会えないかも』というと、
公生を代役に。
("君がわからない")

こういう、代役だったのか。

そして、間奏で、カフェのピアノ
を弾かせようとするエピソードが。

で、歌い終わった後に
ピアノを弾くことリクエスト。

”きらきら星”を弾くも、
『聞こえない』と言い
途中で、弾くのをやめ、
店を出る公生。

そんな公生に、
『なぜ弾かないの?』
と言う質問に
『僕の何を知ってるの?』
と逆に質問。

公生の経歴をスラスラいう、かほり。

公生は
『自分のピアノの音だけ聞こえない』
と、告白。

それでも、弾けという、かほりに
『自分がピアノを弾くことで、
母親を不幸にした』と告白。

そんな公生に、
かほりは、公生の自宅に
押し掛ける。

椿の自宅。
帰宅した椿は、
隣の公生の家を覗く。

しかし、暗い家を見て、
何時になったら、立ち直るのかと、
公生の弾く”月光”を思い出しながら、
独り歌う、椿(”月の光”)

椿ソロ。
これは、CDと変わらず。
『デスノ』の”妹曲”的な。
あー、そのポジション。

一方、公生、自宅。

”ひとりぼっちのピアノ”
かほりソロ。
”映画みたいに”と似た
モチーフだけど、
途中から、メジャーに変わり、
ほとんど、別曲みたいな雰囲気に。

実はオープニングのインスト曲?

そんな楽譜が散らかった
ピアノ部屋で、かほりは、
公生に、二次予選の伴奏を頼む。

二次予選当日。
公生が伴奏者で復帰という話題で、
コンクール会場は騒然。
(”One note(Re)”)

ここで、絵見と武士のソロが。
ただ、アンサンブルの圧が強く、
あまり目立たない残念な結果に。

公生にピアノを弾かせようと
する椿は『弟みたい』と、かほりに。
しかし、会場に来ない公生。

皆で探す。

高校。
公生は独り、イジイジしていた。
『怖い、ピアノを弾くことで、
ひとりぼっちになる』という公生に、
かほりは、『私がいる』と。
("君はひとりじゃない")

CD未収録。
かほり、のピアノソロ。
『笑う男』の”リトルグウェンソロ”
みたいな曲なんだけど、女性が歌うと、
また、違う雰囲気になる。

で、説得、成功する、かほり。

で、自転車で、会場に向かう4人。
(”Speed of Sound~カラフルに輝きながら~”)

まー、歌詞の内容的に、
コンクールに向かう曲なんだろうと
思ってたけど、こんな自転車ソングとは。

コーラスのソプラノ部分が、
かなり高めな編曲になってるかな。

そして、ここまで、
疾走感が有るのに、
自転車の動きが遅い。

で、会場到着。
『旅に出よう』と、
公生を鼓舞する。

いざ、本番。
だけど、伴奏はズレていき、
ミスタッチが増え、演奏を止めてしまう。
(”僕にピアノが聞こえないなら(Re)”)

公生ソロ。
なんだけど、
マイナー調のリプライズ。

でも、かほりは演奏を続ける。
("旅に出よう")

CD未収録。
テレビで先行公開。

1幕最後のソロが、
女性ソロ、と、
ありがち、ワイルドホーン。

ただ、最後のフレーズは、
”パーフェクト”で、
弾き終わった瞬間、
突然、倒れ込む、かほり。

2幕
そして、始まる、かほりの物語。
”崩れ落ちる世界”
CD未収録。

公生、ソロ。

2幕冒頭の幕開けに相応しい、
アップテンポの曲で。
久々の『ルドルフ』タイプ。

コレと言った、類似曲は
出てこないけど、ギター
をかき鳴らす系でノリが良い曲。

ここで、モッシュまがいの、
アンサンブルに体を支えられ、
本当に”崩れ落ちる”を具現化。

まー、『JCS』のイエス
みたいな演出とも言えなくないが。

数ヶ月後、かほりの家。
かほり退院と2次予選終了の祝勝会。

何が何だか分からないまま、
かほりが退院し、お祝い会。
(”君がわからない(Re)”)

リプライズになり、
『笑顔をみたいから
→笑顔をみたいだけ』
に変わる。

ハモリはなく、ユニゾン。

1幕はカフェだったけど、
今度は、ケーキ屋の自宅。
スイーツ、という意味でもリプライズ。

そして、1幕では、
全く、歌わなかった、
かほり父母登場。

"映画みたいに(Re)"
かほり父母、ソロ。
いきなり、カットイン。

1幕の公生とかほりの曲
を、かほり父母が、
これでも、かっと美声で
歌い上げるので、
これが正しい曲かと。
ちゃんと、ハモリも。

食事会後。
帰る公生を追いかける、かほり。
かほりは、ガラコンの招待を受けて、
その伴奏に、再び、公生を指名。

しかし、
『自信がない』という公生。
("流れ星をつかまえよう")

出だしが、ピアノのみで、
しずーか、な出だし。

が、そのまま、
かほりと公生のデュエットに
なった、瞬間、一気にハイテンポ。

最後、飛び跳ねるけど、
プログラムに橋の上、
と書いてあって、初めて分かる事実。

ガラコン曲、
”愛の悲しみ”について、
色々考える二人。

そして、季節は秋に。

”あいつの背中を追いかけて”
CD未収録。

絵見とタケシの曲。

アップテンポで、
いきなり高音スタート。
”流れ星”と同じコード展開
なのに、一瞬、分からない。

ガラコン、当日。
今度は、かほりがやってこない。

時間を稼ごうとするものも、
万策尽きた公生は、伴奏者
だけで、演奏を始める事に。

その音は歪み、
公生ママの弾き方とは違う。

”さよなら、母さん”
CD未収録。
公生とリトル公生のソロ。

かなり、リトル公生の
高音がキモになる曲。

そのまま、ラストの曲と
若干、メロディがリンク。

そして、母親と
別れる事が出来た公生。

”私がいなくとも”
CD未収録。
かほりソロ。

ガラコンに行けない事を嘆き、
公生が前に進んで行く事と。

メロディラインはパーフェクト。
(アンサーソングか)

お見舞いに来る3人。
そんな公生に、
今度はピアノソロの
コンクールを勝手に申し込む。

文化祭の後夜祭。

”最後の夜”
CD未収録。

アンサンブル曲。
”カラフルに色づきながら”
これの、別アレンジ。

途中、”映画みたい”と
同じメロディを椿と公生が歌う。

他にも、1幕の曲が
モチーフで登場。

そして、アンサンブルの振り付けが、
窓拭きのような、一昔前の振り付け。

そこに、かほりが退院。
(本当は外出許可)

渡ではなく、公生を
相手に選ぶ、かほり。

そのまま、流星群を見に行く二人。
別れ際にも、まだ”友人A”を意識。
(”時間よ、止まれ”)

妄想デュエットかと思ったら、
普通に本音を言えない系すれ違いソング。

一緒にいるけど、
お互いの気持ちに素直になれない系。

コレもCDには無い、
公生ソロが最後に追加。

数日後。

渡のお見舞いに行こうと、
誘いを拒む公生。
『何をすればいい?』
と、質問に渡が歌う。
(”何を告げればいい”)

コレも、しずーかに入るタイプ。
で、途中から、CDと同じアップテンポに。

歌詞の内容的に、
妄想デュエットになるのかな、
と思ったら、永遠に交わらない、
4角関係、感情吐露ソングだった。
(ただし、かほり抜き)

で、サビにコーラス追加。
アップテンポだけど、
そこまで、早くない。

そこに、かほりから、電話が。
そして、CDにも入ってる、
公生ソロのラストコーラス、
それがこの曲タイトルの答え。

そして、会いに行く決意をする公生。

かほりの病室。
お見舞いのカヌレを
屋上で食べたいと、
二人、病室を抜け出す。

ピアノコンクールを激励しつつ、
手術を決心するかほり。
(”Perfect(Re)”)

それでも、恐怖を隠せず、
思わず怖いと本音を吐露するかほり。

コンクール当日。
公生はまだ、舞台に立つ決心がつかない。
そこに、かほりの歌声が聞こえる。
("君はひとりじゃない(Re)")

かほりからの伝言を聞いて、
コンクールで弾く決意を。
絵美と武士の名前、覚えてた。

そして、舞台へ。
弾きながら、
かほり、からの手紙が。

それは、最後に別れた夜に、
かほり、から公生宛の手紙だった。

"君が聞こえる"
公生が歌いだし、
続いて、かほり、が
ついた、ある嘘、について告白。

それは、渡が好き、という嘘。

最後に、
舞台上の公生と、
病室のかほり、という
妄想デュエット成立。

歌詞的に、死後の状況かな、
と思ったら、まだ、生きてる時の曲だった。

で、コンクール終了。

そして、また、春。

コンクール終了後、
かほり、からの手紙を読み、
真意を知る公生。

そして、冒頭に戻る、
『四月になると思い出す、君の嘘を』
ラスト、パーフェクトが流れる中、
『僕のなかに、君が居るから』
と、言い、暗転。

小関@公生
”最後まで嘘に気づかない公生”

声にクセが有る公生。
ウジウジ悩む元天才、
というキャラに違和感が無い。

ただ、君嘘を観る目的なら、
満足する観劇が出来るキャスト。

木村@公生
”最初から嘘に気づいてる公生”

ピアノは弾けなくても、
それだけ歌えれば充分です。
と、冒頭から思わず言いたくなる。

ワイルドホーン楽曲を見に来た、
と思わせるキャストだけど、
あくまで、それはキャスト相対比。

なお、演技は大味。

水田@渡
”最後まで嘘に気づかない渡”

公生が、女の子の事なら、
渡に聞けば良い、とか
言ってるけど、この渡は、
騙されるタイプの渡から。

ただ、運動部よりは文化系かと思いきや、
数少ないソロでは確実にシュートを決めてくる。

なんだ、その職人・渡。

寺西@渡
”最初から嘘に気づいてる渡”

チャラい。
この渡は確かに
サッカー部のエース。

ケイコちゃんは、
一人では無い説、浮上。

ただ、数少ないソロで、
決めてこないのが、肝心な試合で
シュートを決められない渡、感。

生田@かほり
ヒロイン。
いやー、ヒロイン。

そりゃ、騙されるよ、と。

ただ、そのボーイングだけ
には、騙されんよ、と。

唯月@椿
報われないヒロイン。
さすが、エポ枠。

その報われない感が、
ワイルドホーン作品の常連キャラ過ぎて。

ワイルドホーンで、
幸せになれない常連。

未来@かほり母
&原@かほり父
まさかの一役、バイトなし。

そのため、カメラをひたすら
撮影する父親は良いとして、
母親がほぼほぼキャラ立ちない。

でも、貫禄ママ的なナニカ。

そんななか、二幕で、
完璧なハモリを発揮してくる二人。

佐藤@リトル公生
&松浦@リトル公生
リトル公生の1曲だけだけど、
ハードルが高い、ソプラノ曲。

松浦クンが元リトルグウェンで、
あー、『笑う男』感満載。

そんななか、佐藤クン、
第一声で、裏返る事件発生。

まー、大変だよね、あの曲。

ひの@審査員、医師
2役かと思いきや、バイト多し。

まず、病院前を手押し車で、
横切って行く老人が最初の出番。

ただ、後ろ姿なので、確信無し。

その後、審査員で、
居るけど、ちびソロは、
若手アンサンブルに譲ってる感。

からの、サッカー部コーチ。
サングラスがお似合い。
渡が外すシュートが、
渡よりも、orz感。

もう一つのバイトが、
後夜祭での教師枠。
コッチはやたらと
生徒とスキンシップを
取るモノの、ダンスシーンでは、退場。


ワイルドホーン楽曲。
浮き沈みも無いけど、
ハズレ曲も少ない楽曲。
でも、アタリ曲もなかには。

学生=疾走、爽やか
というイメージなんだろうか?

ともかく、人が死なない、
珍しい、ワイルドホーン。

どっちかというと、
一回、歌ったら、
もう出てこない楽曲が、
多い中、結構、リプライズ登場。

”パーフェクト”が
異様に多いのはさておき、
他にも、メロディモチーフの
使い回しが多数、有る。

あと、リプライズで、
歌い手が変わるのも珍しい。

有る意味、使い回し。

ヒロイン曲が単調なのは、
シングルキャストだからか?

主役、歌い上げ多いのは、
若者起用で、ダブルキャストだからか?

ただ、ヒロイン曲への、
作り方が丁寧なのは、安定。

一豪演出。

ブレヒト幕を、
セットで表現。

明るくなっていく演出、
そこにかなり特徴が出てくる。

あと、とにかく、盆舞台を、
これでもかってくらい、回す。

ワイルドホーン作品を、
山田演出以外で、となると、
東宝系、お抱えなのか?

ただ、橋から飛び降りる演出が、
後からの歌詞で分かったけど、昭和。

2年越しの上演。
キャストも変わってはいるけど、
メイン6人が変わらないのが奇跡。

ま、戸井氏だったら、
どうなるんだろう、とは思う。

1幕は公生、2幕は、かほりが主役。
ただ、歌の面では、2幕もタツナリ公生は主役かな。

マンガ原作にしては、
エピソードの選択が甘い気も。

となると、脚本なのかな。

かほり、が主役になった途端、
話が停滞気味になる、2幕が弱い。

その辺を、もっとテンポよく
進めれば、中弛みが無くなりそう。

あと、かほり、と椿を
役代わりで観たい、けど、
『このキャストで観たい』
っていうのが、無いのもダメな気が。

ましてや、これ、輸出されるのか?
ドイツ語圏なら、若手起用で成立するか?

思い切って、年齢設定いじって、
不治の病モノにすれば、良いのか。

オッサン枠が少ない、
それが一番の問題。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ピローマン』演劇集団 円 | トップ | 『Be more chill』 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ミュージカル」カテゴリの最新記事