カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

強風の石割山ハイク・その2

2010-02-10 | ヤマのこと

その1

続きです。

ここは一度歩いたことのあるコースなので、なんとなくは覚えていました。
この先は緩く登り返して、眺めのいい「平尾山」だよね、と。


歩き出すとだんだんまた風が強くなってきます。
木に囲まれているはずの尾根道ですが、忍野村方面からの北風がハンパなく強い・・・
前方に雪煙が舞い上がっているのが見えます。
そして、ここまでずっとあったトレースが消えていました。


トレースはなくても迷うことのない一本道ですが、とにかく強風にあおられない様に、
ズボズボと膝まで埋まりながら先を行く私。
風がなければ「わーい、フカフカだ~」なんて無邪気に楽しんでいたと思うのですが・・・
この写真はまだ広い尾根ですが、細い尾根もある訳で・・・
なぜかしら「お前のほうがいいズボン履いてるんだから先を歩け」と言われるし・・・



これはまだ「風強いね~」なんて呑気に見れていた時の画像。
だんだん風が「これでもかーー!」と吹くようになり・・・



(顔が痛いよ・・・)
昼食後から平尾山までのたった45分程度だったのですが、それはそれはもう・・
私にとっては必死のラッセルハイキング・・・

歩いても歩いても・・・


NOトレ~~~スぅや~~ん



分岐らしき指導標を見つけ、嬉しくてもがく私
悔しいので「力強くラッセル頑張ってるところちゃんと写真撮っておいてよ!」
と言ったのに、こんな写真ばかり・・・ぶつぶつぶつ・・・




大幅にコースタイムをオーバー(無雪期40分)して、やっと「平尾山」に到着。
なんかちょっとほっと


なぜかしら平尾山頂のほうが風が弱かった。

「すごい風だったねー、一瞬遭難だったよねー」と笑いながら休憩。
相変わらず富士山の山頂は雲に隠れたままでした。



モブログしようと必死で入力するも、やっぱり風が強いので長居は禁物。
雲で太陽が遮られるとやっぱりちょっと寒い。



(画像左はこの坂を下から見上げたところ)

この先は確か急坂だから、とザックに仕込んでいた遊び道具
(シリセード用そりもどき・そういうモノは忘れない)を取り出し、
わーいわーい、と滑っていく私。
もう風は峠を越えたね~、とのん気に遊ぶ二人を更なる試練が待ち受けていようとは、
この時は想像もしていなかった。



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平尾山から大きく下った後、大平山へと登り返します。
尾根の左手、南側(山中湖)は別荘地。
この芙蓉台別荘地という所と登山道の間、それに右手北斜面(忍野村方面)側には、
鉄線や鉄柵が張られているので滑落の心配はないのですが、
サラサラ雪で足場がないとなかなかツライ上り返しです。
そういえば2年前に逆方向から来たときも、このコースは雪が深くて驚いたっけ、
と思い出しました。
ここに来る前に思い出せばわかんを持ってきたのに・・・
どうしてこう大事なことはサッパリ忘れてしまうのでしょう(泣)

トレースのない登山道、サラサラ雪の中をうまく登れない私は、1歩進んで2歩下がる状態で、
なかなか上に上がれません。
さすがにダンナが交代して前を行き、足場を作ってくれました。
そしてずり下がらないよう一歩一歩確かめるように登りかかった瞬間です、
一瞬の静寂の後、今日一番の強風が吹き荒れました。

「どどどどどぉぉぉーーーー

という地鳴りのような強風と押し上げられた雪が、一瞬も弱まることなく同じ強さで身体に叩きつけてきます。
立っていることも、目を開けていることも、もちろん息をするのも苦しいくらい。
姿勢を低くし、転んで落ちてしまわないようにと鉄柵に捕まりながら、
ただ時が過ぎるのを待つしか出来なかった。

多分、時間にしたら1、2分の短い間なのでしょうが、いろんなことが頭をよぎり、
とても長く感じた・・・と一瞬、風が静かになった!
目を開けてみると、目の前にさっきまでかすかに見えていたはずの足場の丸太さえ、
雪に覆われて見えなくなってしまっていた。
さらに雪が吹き溜まる登山道・・・
歩くところを誤ると腰まで埋まる。早くここを抜けなきゃ!と必死で進みました

この時は本当に必死で、カメラもしまったまま余裕がなく写真も撮れませんでしたが、
このままここに留まったら、次の突風で私は雪だるまに
そんな不安な気持ちにさえなってしまうほどの強い風でした。
そして一番強く思ったことは、

「こんなハイキングコースで遭難騒ぎ起こしたら、シャレにならない・・・


今だから笑って言えるけど、こんなすごい強風は初体験でした(汗)

(だからさっきの分岐で下山しようか、って言ったのに・・・オレはビビッてない、と言うだれかさん・・・ムカ)


山中湖畔から見あげれば穏やかでなだらかな、丘陵のようなこのハイキングコース。
その中で必死にもがいている二人がいようとは、誰も気づくまい・・・
気圧配置が冬型の時の低山も侮れない、と心に刻みました。



ああ、ようやくひどい風もおさまったようだ。
目の前には大平山が見えてきた、さっきの嵐が嘘のよう。
そういえば、石割山からひとっこ一人会ってないね・・・みんな引き返したのかな


富士山が見えてるよ!山頂までもう少し~~



やっと着いた、大平山。風も弱くなった。もう、本当に大丈夫みたい
喉カラカラ ザックをおろしてやっと一休みする。

が、ふと時計を見るとなんともう15:00ではないですか
ここには14:00には楽勝で着く予定で計算していたのに、大誤算


「ま、ここから後は下山するだけだから間に合うよね~


・・・と、普通の人ならうまくいくところ、うまく行かないのが私だったってこと、
忘れてた・・・。



まだ続きます・・・






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8 コメント

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ドキドキ・・・ (かわみん)
2010-02-10 23:57:32
cyu2さん、笑えなかった(笑)って笑ってるし^^;
でも、気持ちわかる!
実は鍋割の下山時、暗くなりかけてる樹林帯の中で
下っても下っても標識は現れず
しかも地図を車に忘れてきたもんだから
距離感も掴めない状態で。。。
一瞬
「こんな所で遭難したらシャレになんない」
と真剣に思ったもん。
山って、どんな山であろうと油断は禁物なんだよね~
いつも頭でわかっているんだけど
イザ山へ入ると結構過信しちゃったりする自分がいたりで・・・

・・・記事読んでて怖くなっちゃったー
いやぁ、cyu2さん無事下山してくれて良かった~~

と言っても、試練はまだ続くのよね?
うぅ~~緊張するぅ~!
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またハラハラ・・・・ (nobu)
2010-02-11 12:17:14
しちゃいました~。
それにしても怖かったでしょうね。
低山侮れませんね。
無事こうして記事を拝見できることが
何よりですー。

ん?まだ、続きがあるのねん?
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いやはや (pallet)
2010-02-12 12:00:00
いやはやいやはや
たいへんですね~。
いっくらいいズボン穿いてるって言ったって
ねぇ~(^_-)-☆
でも、楽しそ~で、いいな~。
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きっと (sanae)
2010-02-12 17:26:22
必死だったのでしょうに、なぜかユーモアがあって楽しく読んでしまいました(^^ゞ
>次の突風で私は雪だるまに?
って、思わず想像力を膨らませたりしてしまって(^^ゞ
あっ、笑い事じゃないですよね。
続き楽しみにしています♪
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かわみんさん (cyu2)
2010-02-12 21:04:20
笑えるような笑えないような・・・
でもその日はホントにそんな感じでした。
自分達も笑ったり、真剣になったりビビったり。
自分でもどっちなんだか解らなくなりました(笑)

でもかわみんさんも思ったことがあるって嬉しい♪
私は実は何度もあります、このまま・・・シャレになんないって場面。
基本的に怖がりなのかな~?
でもダンナがいけいけタイプなので、私が怖がりでちょうどいいと思っています。
どっちかが止めないと、ね。(と自分を正当化)

オチは今考えているところです(落語家か)
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nobuさん (cyu2)
2010-02-12 21:07:29
いっつもいっつもこんなハラハラレポにお付き合い頂き、
ありがとうございます
おっちょこなんだか慌てモノなんだか、びびりーなんだか大げさなんだか・・
・・・全部かも

でもその瞬間はいつもマジめに焦っているんだから困ったものです。
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palletさん (cyu2)
2010-02-12 21:10:01
楽しそうに見えましたか!よかったです
楽しいんだか楽しくないんだか、時々自分でも解らなくなります・・・

palletさんとは1日違いだったんですね!
お知り合いになったばかりなのに、
こりゃまた慌てモノを前面に押し出してしまいました・・・
palletさんのレポも楽しみです♪
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sanaeさん (cyu2)
2010-02-12 21:16:22
コンバンハ~~!
石割山といえば石原・・・じゃなかったsanae隊です、私の中では。
一番最初にこの山の存在を知ったのはsanaeさんのレポでしたから♪

そうなんです!あんなハイキングコースで怖かったんです(笑)
雪だるまか雪まつりか、って。
でも本当は例の事故のことを思い出していました。
夜の闇の中であれ以上の強風に見舞われ・・・
想像を絶する状態だったんだろうな、と。
心が癒えたら是非又頑張ってもらいたいですよね。
F1の時から応援していたので、これからも!
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